
2026年3月に開催された大相撲春場所は、14日目の21日、関脇霧島が14場所ぶり3度目の優勝を果たしました。力士たちの対戦ぶりを見て、相撲ファンになった方もいることでしょう。
また、この時期は相撲界にとって多くの新弟子が相撲部屋に入門する大事な時期。学校の卒業シーズンと重なり、毎年本場所の前に実施される新弟子検査のなかで最も挑む者が多いのです。
新弟子になるための検査とはいったいどのようなものなのか知っていますか? また、すべての新弟子が学ぶ「相撲教習所」があるのをご存知でしょうか? 連載第2回目の今回は、その仕組みを、『イラストでわかる大相撲』(新星出版社)から一部抜粋して解説します。
【身長、体重が足りなくても合格の可能性がある】
力士になるには、まず入門希望の相撲部屋の門を叩く。そこで師匠を通じて、日本相撲協会に必要書類が提出される。その後「新弟子検査」を受け、合格したものが力士と認められる。新弟子検査は本場所前に行われる(年6回)。なお、体格基準を満たさない者でも、二次検査を受け、運動能力テストをクリアすれば合格となる。
新弟子は、「前相撲」「新序出世披露」を経て、「序ノ口」の番付からスタート。ただし、「付け出し」資格を得た者は、最初から三段目または幕下最下位扱いで相撲を取り、その成績によって翌場所から番付に記載される。付け出しは、日本相撲協会が指定するアマチュア大会で優秀な成績をおさめると対象者になる。かつては中学校の卒業後に入門する者が多かったが、近年は高卒、大卒者の入門が増えている。
【新弟子検査】
相撲部屋に入門し、検査の申し込みをする。年6回ある本場所の前に実施され、春場所(3月)は学校の卒業時期と重なるために最も多い。
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【前相撲】
新弟子検査に合格した力士が、序ノ口の取組前に数番の相撲を取る。付け出し資格が認められた力士は、三段目から幕下でデビュー。
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【新序出世披露】
その場所の中日(春場所は5日目と9日目)の三段目の取組途中に行われる。化粧廻しをつけて土俵で披露される。
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【相撲教習所】
国技館の施設にて、6か月間(東京以外での本場所があるので、実質3〜4か月)、相撲の基本を学ぶ。
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【出世】
前相撲の成績に基づいて序ノ口に四股名が記載される。これを「出世」という。
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関取、横綱を目指して稽古に励む!
【教養講座と実技の指導を約半年間受ける】
付け出し資格を得て入門した力士も含め、すべての新弟子は相撲教習所(国技館内に開設されている)に通わなければならない。
教習期間は6か月で、実技の指導と教養講座を受ける。まったく相撲の経験がない力士も、この期間に相撲の基礎や力士としての教養を身につける。また、ともに机を並べた同期生との結びつきは、現役中はもちろん引退後も続く。
7:00~ 実技
10:00~ 教養講座
11:00~ 風呂・食事
13:00~ 掃除・帰宅
【本場所に出場するのは実習】
年6回の本場所中と、その前後1~2週間くらいは、相撲教習所での実技や教習講座は行われない。ただし、本場所の取組が実習扱いになる。
【実技】
基礎体力づくり
基本動作
申し合い稽古
ぶつかり稽古
教習所担当の親方や、指導員として選ばれた幕下以下の力士の指導のもと、四股、鉄砲、股割り、すり足、伸脚などの基本を学ぶ。実力ごとにグループに分けられ、申し合い稽古やぶつかり稽古も行われる。
【教養講座】
各分野の専門家が講師を務め、月曜〜金曜日まで授業を受ける。また、毎日「力士心得」を全員で復唱し、修行や力士としての心得のほか、礼儀を身につける。教習所卒業の際は成績に応じての表彰もある。
日本での生活経験の乏しい外国人力士は、1年間程度の研修期間を経てから新弟子検査を受け、相撲教習所で学ぶ。
次回は、力士の稼ぎ・番付について解説します。お楽しみに!
出典『イラストでわかる 大相撲』
イラスト 福家聡子

「若貴ブーム」、「スー女」など、大相撲が注目されることは過去多くありましたが、現在でも、大相撲はテレビで最も視聴率の取れるスポーツといわれるほどです。
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