12月といえば、クリスマス! 今年はご家庭で楽しむ方が多いと思います。
そこで、今月の特集は料理研究家、野口真紀先生の新刊『家族でごはん12か月』から、とっておきのクリスマスメニューを紹介します。ぜひ、作ってみてくださいね。
また今回、特別に野口真紀先生に、本書『家族でごはん12か月』への想いを語っていただきました。毎日のお料理がマンネリ化している、もっとお料理の腕を磨きたいけど、どうしたいいのかわからない、家族でもっとごはんを楽しみたい… という方、是非お読みください。
🎄丸鶏のしょうゆロースト
(写真/©邑口京一郎)
みなさんこんにちは。料理研究家、野口真紀です。みなさんは料理が好きですか? それともちょっと苦手ですか?
長く続くコロナ禍のなか、ご家庭で食事をとる機会が増えた方は多いでしょう。また、今まではキッチンにあまり立つことのなかったお父さんが奮闘したり、お子様と一緒に料理をしてみた、というご家庭もあるのではと思います。
料理がもっと上手になれたら…、と思っている方は大勢いらっしゃると思いますが、私がみなさんにレシピをご紹介する際に意識しているのは、あまりにもおしゃれで難易度の高い料理を目指すものではなく、ちょっと背伸びすればできそうなものであることです。「よく見るとおしゃれで、実際に手が届きそうなもの…」、そこがポイントだと思っています。
料理にはさまざまな利点があります。作り上げるというクリエイティブな能力や、見た目をきれいに盛り付けるという美的感覚も身につきますし、今は料理男子がモテる時代でもあります(笑)。日頃お料理を作っているお母さん以外の方にも、この本をきっかけにお料理が好きになっていただけたら嬉しいです。
本書では、1月のイベント料理であるおせち料理から、12月のクリスマス料理まで1年間のイベントを網羅しています。「イベント料理は今までハードルが高くてなかなか手が出せなかった…」という方でも作れるよう、それほど手間をかけずに作れるレシピを考えました。また、演出にも力を入れ、美しく見せることのできる盛り付け例の写真を掲載しています。お子様の誕生日だけでもいいので、特別感を出してあげることは、お子様にとってとても嬉しいものです。ぜひ参考にしてトライしてみてくださいね。
また、イベント料理以外に、煮物などの家庭料理も載せていますので、この1冊があれば年間を通じてかなりのことができるようになります。季節の素材を取り入れたレシピになっていますので、ぜひ旬の味をご家庭で楽しんでみてはいかがでしょうか。
料理は毎日のことですから、普段の献立は、ルーティンでいいと思っています。繰り返し食べるもの、それがご家庭での「お母さんの味」となるわけですから。そのなかで、ひと月に一度は本書を参考に、ちょっとした家族のイベントとして料理を楽しんでいただき、「家族で食卓を囲むことの大切さ」をより感じていただけたらと思っています。
私の場合、母も祖母も料理が好きで、祖母は洋食やハイカラなお料理もよく作ってくれ、子どものころから料理を作ることは当たり前のことでした。
今はスーパーに行けばなんでも買うことができますし、買う方が安い場合も多くあります。ですが、頑張って作った料理は、食べる側にも自然に伝わるもの。日々のごはんを通じて、「作ってくれてありがとう」「食べてくれてありがとう」という気持ちのやりとりができればいいなと思っています。
特にお子様にとって、「お母さんの味」は心に残るもの。料理を通じて愛を伝えることができれば、子どもも安心してごはんを食べて毎日を過ごすことができるでしょう。
本書が、毎日お料理を頑張っているお母さんにとって、さらに腕を磨く手助けとなる1冊に。普段はあまりお料理をしないお父さんにとって、「このくらいは作れるよ」という自慢の品が作れるようになる1冊に。そして、お子様にとってお料理が好きになるきっかけとなる1冊になれたら幸いです。
※本記事作成:新星出版社/向山