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2022.08.12
未来のためにできること

【子どもにSDGsをどう伝える?】
地球の限界とSDGsの基本 ~前編~

 近年、メディアでもさかんに取り上げられている「SDGs」。なぜ最近よく耳にするのか、そもそも「SDGs」とは何なのか、あなたは説明できますか?
 この言葉は、2015年9月の国連サミットにおいて採択された「2030年までに達成すべき国際目標」のこと。どのような目標があり、どのようなことができるのでしょうか。

 2030年まであと8年。将来を担う子どもたちのために、現在、日本の教育現場でもカリキュラムの一環としてさまざまな取り組みが行われています。そこで今回は『保育で取り組む SDGs』より、実例や実践案も紹介しながらSDGsについて解説します。ご家庭でもぜひ参考にしてくださいね。

SDGsって何?

 今、地球は深刻な問題に直面しています。環境破壊や貧困、人種差別など、様々な問題を解決するために、国際連合は、2030年までに達成すべきゴールを定めました。これがSDGsです。

 SDGsとは、英語の「Sustainable Development Goals」の略で、日本では「持続可能な開発目標」と呼ばれています。「誰一人取り残さない」という共通理念のもと、以下の17個の目標が定められました。

 

①貧困をなくそう

②飢餓をゼロに

③すべての人に健康と福祉を

④質の高い教育をみんなに

⑤ジェンダー平等を実現しよう

⑥安全な水とトイレを世界中に

⑦エネルギーをみんなに そしてクリーンに

⑧働きがいも経済成長も

⑨産業と技術革新の基盤をつくろう

⑩人や国の不平等をなくそう

⑪住み続けられるまちづくりを

⑫つくる責任つかう責任

⑬気候変動に具体的な対策を

⑭海の豊かさを守ろう

⑮陸の豊かさも守ろう

⑯平等と公正をすべての人に

⑰パートナーシップで目標を達成しよう

なぜSDGsに取り組むの?

 「なぜ、SDGsに取り組む必要があるの?」と思う人もいるかもしれません。

 下の図を見てください。

 この図は、プラネタリー・バウンダリー(地球の限界)と呼ばれる「人類が生存できる安全な活動領域とその限界点」を表した図です。

 気候変動や生物圏の一体性(生態系機能の消失、絶滅の速度)などを含む赤色で示した4つの項目では、すでに人間が安全に生活できるラインを超えてしまったと指摘されています。

 経済発展や技術開発によって私たちの生活は豊かになりました。しかし、その一方で、人間の利益ばかりを追い求めた結果、地球環境は待ったなしの深刻な状況に陥っているのです。

 子どもたちの未来のためにも、地球単位で直面している様々な問題を受け止め、行動に移す必要があるのです。

5つのPで持続可能な社会をイメージしよう

 17の目標を5つのPに分類して考えることで、より理解が深まり、SDGsが目指す持続可能な社会をイメージしやすくなります。

・地球(Planet)

・人間(People)

・豊かさ(Prosperity)

・平和(Peace)

・パートナーシップ(Partnership)

 

分類された5つのカテゴリーが、バランスよく満たされ、釣り合うことで、持続可能な開発を達成することができます。

できそうなことから取り組んでみよう🌏

 いきなり“貧困をなくそう”“海の豊かさを守ろう”と言われても、あまりにも壮大な目標で、難しいと感じてしまいます。しかし、身の回りにもできることがたくさんあります。こまめに電気を消したり、マイバックを持って買い物に行ったりすることも、省資源に繋がる大切な行動のひとつです。

 一人ひとりの行動は小さく感じてしまうかもしれませんが、その一つの行動が地球のために繋がります。母なる地球のために、そして未来の子どもたちのために、一緒にSDGsについて考えてみませんか?

 次回(後編)は、実際に保育の現場で取り組んでいる実例や実践案を挙げながら、すぐに子どもと一緒に実践できるSDGsの取り組みを紹介します。

 

出典 『保育で取り組むSDGs』

※本記事は、上記出典をもとに再編集したものです。(新星出版社/内園)

※アイキャッチ画像@Philip Steury Photography /shutterstock.com

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一般社団法人こども食堂支援機構 代表理事。
SDGsオンラインフェスタ・ソーシャルイノベーションディレクター、企業版ふるさと納税の新たな活用モデル構築検討戦略会議・学識委員。
企業から食品の寄付やフードロスを集め全国のこども食堂に200万食以上を提供。大手企業の社員時代から他社や行政に様々な提案をし、内閣府認定の官民連携優良事例(全国5選)など、20以上の新規プロジェクト発起人として多くの案件を実現に導く。その他、大学での授業、講演、執筆活動まで幅広く活動するパラレルワーカー。
『こどもSDGs なぜSDGsが必要なのかがわかる本』など、SDGs関連の書籍を多く監修する。
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