インコは、昼間に活動する昼行性の動物です。飛行しながら周囲をキョロキョロと見回すインコの視力はとてもよく、人間の3~4倍ともいわれています。また、色を見分ける能力にも優れており、人間に見えない色も見分けることができるのです。
インコの目は、顔の左右についています。これは、敵から逃れることを最重視した「防衛型」の目。視野は330度にも及び、首を180度回せることを加味すると、周囲360度、すべてを見渡すことができるのです。
聴覚、触覚、味覚、嗅覚とお答えの方、残念! なお、2番目に発達しているのは聴覚で、人間と同じくらいだと考えられています。ちなみに、直感と答えた方、そちらは6つめの感覚ですよ。
もっとも発達している感覚は視覚ですが、そのほかの感覚だって立派に機能しています。ということで、ほかの五感のうち、聴覚、触覚、味覚、嗅覚について学びましょう。
聴覚は、人間と同じくらいはあるようです。なお、飛行のときの空気抵抗を減らすために「耳介」をもたず、耳の穴のまわりは「耳羽」という羽毛で守られていて、外からは見えません。
ふれられると、感覚が羽毛を通って皮膚に伝わり、脳によっで快感や不快感が判断されます。痛みを感じる器官も全身にありますが、人間より数が少ないため、ややにぶいようです。
味蕾とは、脊椎動物の舌に存在する、味覚を感じとる器官のことです。人間よりは少ないものの、インコも口の上の部分やのどに味蕾をもちます。
味蕾が少ないなら、味覚も発達していないのでは? と思われるかもしれませんが、実際には甘いものを好むほか、舌触りや咬んだときの感触などにもこだわる、グルメなインコが多いよう。なお、好みは幼いころに定着するといわれています。ヒナから育てる場合は、いろいろ与えて、何でも食べられるインコを目指しましょう。
嗅覚はあまり発達していないとされています。ですが、ヒナに人間のにおいがつくと嫌がってヒナを咬んだりすることもあるので、人間並みか、人間以上には発達していると考えられます。
『インコドリル』には、インコの気持ちや体のしくみ、長く、楽しく暮らすコツが満載です! インコを飼っている方、これから飼おうと思っている方、インコのことをもっともっと知りたい方、ぜひご覧ください😊
出典『インコドリル』
イラスト Kanmi Q
本記事は、上記出典を再編集したものです。(新星出版社/向山)
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2000年より東京大学付属動物医療センターの研修医となり、現在ではエキゾチック動物診療科の責任者を担う。2006年に、うさぎやハムスター、鳥などのエキゾチック動物診療を専門とした、「みわエキゾチック動物病院」を開院。専門知識が豊富な獣医師や看護師が数多く在籍し、日々の健康管理から高度医療まで、飼い主の意見を尊重しながら、それぞれの動物に最適な治療を行っている。
みわエキゾチック動物病院
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