仕事ができる人になるために身につけておきたい最強のスキルって何だと思いますか? 今回は、『会話力速効ドリル』(石田章洋 著)から、とっておきの方法を、わかりやすく解説します。
❓ 突然ですが、ここでクイズです
Q 質問をしても「自分で調べろ」「自分で考えろ」「何が聞きたいのかわからない」と言われてしまう営業部新人のSくん。
彼がやるべきことは次のうちどれ?
1. 質問の前に自分でも調べる
2. 質問の要点をまとめる
3. 自分の考えを述べてから質問をする
4. 聞くべき相手に質問をする
答えは、なんとすべて正解です! 仕事を進める上で重要なのは、「質問力」。ただし、やたらと人に聞くのはよくありません。調べてもわからないことを聞くのは当然。しかし、できる限り自分で調べてから質問をしましょう。確信が持てないときは、「念のため確認したいのですが…」と言ってから尋ねましょう。自分で調べておけば、聞きたいポイントを3つくらいに絞ることもできるようになります。さらに、自分の考えとあわせて質問すれば、上司も答えやすくなります。
質問なんてただ聞きたいことを聞けばいいだけでしょ、と思っている人は要注意。質問の仕方一つで、あなたが仕事の場で発揮できる価値は変わります。上司との日常的な会話に始まり、社内会議、クライアントとの打ち合わせなど、質問力が求められる場面は多々あります。
1.まず(テーマ)を告げる
2.そのうえで質問をする
3.聞いたことを(復唱)する
最初からストレートに質問を投げかけても、相手は何のことかわかりません。そこで、まずは「テーマ」、つまり「全体像」を伝えるよう心掛けてください。また、“質問の目的”も明確にしましょう。たとえば、「エクセルのデータ入力がよくわからなくて…」と言われても、質問されたほうは戸惑ってしまいます。「○○に提出する企画書にデータを入れたいのですが…」と、何のために教えてもらいたいのか伝えることで、答えやすくなります。
また、質問に答えてもらったら、「はぁ」「なるほど」という返事だけでは本当に理解したのかどうか伝わりません。聞いたことの中から自分が最も納得した部分を要約し、「つまり○○○○が△△△ということですね」というように復唱しましょう。
【第二問】 質問をしても、はぐらかされてしまう。それ以上聞きにくいときはどうすれば?
1.「お願いします、教えてください」と誠意を見せてお願いする
2.質問の角度を変え、聞き方を変えてみる
3.いったん雑談に戻すことで空気を変える
4.「もしかしたら、こういうことですか」と仮説をぶつけてみる
(正解 4)
質問には2つの種類があります。1つは相手がイエス・ノーで答えられるもの。「あなたは海が好きですか?」のような質問で、これをクローズドクエスチョンといいます。
もう一つは、相手が自由に答えることができる質問。「あなたは海で何がしたいですか?」のような問いかけです。これをオープンクエスチョンといいます。
質問をするときは、この2つの使い分けが重要です。質問をはぐらかされてしまうときは、オープンクエスチョンよりも、クローズドクエスチョンが有効なのです。相手が答えにくいときは、クローズドクエスチョンで聞いてみましょう。「何が足りないのでしょうか?」ではなく、「足りないものって、もしかして“新しさ”でしょうか?」とすることで、「そうかもしれないな」「いや、そうではないのだが…」など、何らかのリアクションがあるはずです。そのためにも大切なのが、自分なりに答えを考えて「仮説」を持つこと。「こういうことなのかも」といった程度でも良いので仮説を立てれば、あなたが真剣に考えていることも相手に伝わります。
質問力をもっと向上させて、ビジネスで役立てるためには、やはり日々の生活の中でも試してみることがもっとも効果的です。まずは、今回ご紹介した質問のコツを生活の中で実行してみてください。うまくいけば、自信につながります。うまくいかなくても、「では、どうすればうまくいくだろう」と考えて、それを試してみることで、あなたに合った方法が見つかります。ぜひ今日から実践してみてくださいね。
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・出典『会話力速攻ドリル』
本記事は上記出典を再編集したものです。(新星出版社/神前・向山)
・使用したイメージ画像はすべてShutterstock.comの許可を得ています。
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30年にわたり各キー局のバラエティ番組・情報番組・クイズ番組・報道番組など、あらゆるジャンルのテレビ番組の企画・構成を担当。
最近の主な担当番組は「世界ふしぎ発見!(TBS)」「TVチャンピオン(テレビ東京)」「情報プレゼンター・とくダネ!(フジテレビ)」「BSフジLIVEプライムニュース」など。
手がけた番組の合計視聴率は5万%を超える。構成を手がけた「世界ふしぎ発見!~エディ・タウンゼント 青コーナーの履歴書」が第45回コロンバス国際フィルム&ビデオ・フェスティバルで優秀作品賞を受賞するなど番組の企画・構成に関して高い評価を受けている。
主な著書に
『企画は、ひと言。』(日本能率協会マネジメントセンター)
『スルーされない技術』(かんき出版)
『ビジネスエリートはなぜ落語を聴くのか?』(日本能率協会マネジメントセンター)
『インクルージョン思考』(大和書房)
『一瞬で心をつかむ文章術』(明日香出版社)
『おもしろい伝え方の公式』(日本能率協会マネ地面センター)などがある。