【チャレンジ!】あなたは次の文章の2つの意味がわかりますか?
6年2組の仲良し3人組の共通点は、みんな弟がいること。しかも、その弟たちが全員4年生。でもってなかなかの「うっかりキャラ」なのだ。
今日も姉たちが弟のうっかりエピソードをネタにしている。
「先週授業参観だったじゃない? うちの弟ってば、お母さんが教室にいるから混乱しちゃって、先生を『お母さん』って呼んじゃったらしいの」
「なにそれ」「ヤバーい」
話を聞いた二人が笑いだす。
「お母さん、はずかしかったって言ってた。でも、そんなうっかりなところって、弟らしいなって思っちゃった」
「うちの弟もかなりのうっかりよ。4年にしては大きくて、身長が私と同じくらいなんだけど。寝坊した朝、あわててリビングにあった服を着て学校にいったら、それ私のだったのよ。花柄のTシャツ」
「なにそれ」「ヤバーい」
「学校で『お姉ちゃんのお古を着せられた』って友だちに言いわけしてたけど、その服、前の日に私が着てたし……でも意外と似合ってた」
――フフフフ……。
笑う姉たち。弟のうっかりも、いやではなさそうだ。
「2人とも笑える話だからいいじゃん。私の弟もかなりうっかりなんだけど、とくに忘れ物がひどくて大変なのよ」
3人目が弟のエピソードを話しはじめる。
「学校に教科書をぜんぶ忘れて出かけたのよ」
2つの意味の物語 アイドルの妹は高校生
ささきかつお 著
★一文に秘められたパラレルストーリー★
ひとつの文章に2つの意味がある。きみは“その意味”に気づけるか?!!
二義文をテーマにした今までにない短編小説『2つの意味の物語』シリーズ第二弾!
書店員、図書館司書、教育関係者などから反響続々!
今回は230を超える応募から選ばれた
5つのオリジナル二義文を物語にしました!
「これは、ただの水じゃない!」→じゃあ、いったどんな水??
「来月誕生日だから、ホール予約しといて」→ホールってもしかして…
「メガネを必死にさがしてた」→どんなメガネを探しているのかな
ハッピーな作品から、ときにはゾクっとするような…
バラエティ豊かな45作品を掲載!
1作品4ページ完結なので、テンポよくお話しを楽しめます。
朝読などのスキマ時間にも最適!
子どもだけでなく大人にとっても、頭の体操にもってこいの1冊です。
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ささきかつお(ササキカツオ)
東京都出身。『モツ焼きウォーズ~立花屋の逆襲~』(第5回ポプラズッコケ文学新人賞)で2016 年にデビュー。ほかの著書に「謎解きホームルーム」シリーズ(新星出版社)、『空き店舗(幽霊つき)あります』(幻冬舎文庫)、「ラストで君は『まさか!』と言う」シリーズ(PHP研究所)などがある。日本語教師の資格も持ち、外国人留学生に会話や小論文などを長年指導している。