2023.02.06

1つの文に秘められた、2つの意味。あなたはわかりますか? 
Part4【冒険家の友だち】

《持ってきた食料が底をついちゃってさあ》

 

《サナダくん。それ食べられるの?》

 

 興味をもったぼくが質問すると、すぐに返事がきた。

 

食べられそうだ。でも見たことのない植物だから、念のため毒味した》

 

《毒味?》

 

《ちょっと切り取って口に入れるんだ。見た目はグロテスクなんだけど、葉が分厚くて、アボカドみたいな味がするからビックリ》

 

《そうなんだ!》

 

 バターで炒めたら、さらに美味しかったそうだ。

 

 ぼくも食べてみたかったな。

2つの意味の物語ー勇者は聖なる剣を手に向かってくる魔物と戦った
ささきかつお 著(プロフィールは下記参照)
★★きみは気づけるか!? ひとつの文に秘められたパラレルストーリー★★

言葉ってフシギです。
たとえば「くも」という言葉。
空に浮かんでいるのは「雲(くも)」。
8本足の生きものも「蜘蛛(くも)」。
同じ「くも」でも、ぜんぜんちがいます。

さらに、言葉だけでなく、同じ文章なのに
まったくちがう意味になるものがあります。

「たこ じょうずに あげたよ!」

この文章には、
『遊ぶ「凧(たこ)」を「空にあげる」』と、
『海にいる「蛸(たこ)」を「油であげる」』というちがいがあるんですね。

このように2つの意味がある文を“二義文”といいます。

「勇者は聖なる剣を手に向かってくる魔物と戦った」
「テスト、全部できなかった……」
「大人には見えないよね」
「ネギをぬいてください」
「好きなアニソンを聞いてる」 etc.

この本では、二義文のあとに、2つのことなる展開の物語を紹介します。
「どんなお話しになっていくんだろう?」と想像しながら
今までにないパラレルストーリーを楽しんでみてください!

1作品が4ページで完結するので、テンポよくお話しを楽しめます。朝読などのスキマ時間にも最適!
児童書だけど、子どもだけでなく大人にとっても頭の体操にもってこいの1冊です。
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ささきかつお(ササキカツオ)
東京都出身。『モツ焼きウォーズ~立花屋の逆襲~』(第5回ポプラズッコケ文学新人賞)で2016 年にデビュー。ほかの著書に「謎解きホームルーム」シリーズ(新星出版社)、『空き店舗(幽霊つき)あります』(幻冬舎文庫)、「ラストで君は『まさか!』と言う」シリーズ(PHP研究所)などがある。日本語教師の資格も持ち、外国人留学生に会話や小論文などを長年指導している。

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