1975年東京生まれ。慶應義塾大学文学部(英米文学専攻)卒業。TOEICテスト990点満点。リクルート運営のオンライン予備校「スタディサプリ」の講師として、全国の大学受験生、中学生に、さらに、TOEIC対策で大学生、社会人など、年間40万人に授業を行っている。
みなさんは、英語の勉強をしていて、「苦手だなあ…」と感じるのはどの部分ですか?動詞に前置詞、英文法…、覚えるべきポイントがたくさんあり、どのように進めていけばよいのかお悩みの方も多いのではないでしょうか。
そこで今回から数回にわたり、英語学習の中でも苦手意識を持つ方の多い「前置詞」のとっておきの覚え方を、カリスマ講師、関正生先生の著書『前置詞キャラ図鑑』から解説します。
「前置詞」と聞くと、どれを使えばいいのかわからない、使い分けがむずかしいといったイメージをもつ人が多いようです。
前置詞が苦手な人は、たいていこう言っています。「覚えきれない」「どれを使えばいいのかわからない」「使い分けを間違える」「意味が多い」「用法が多い」などなど。
でも大丈夫。ちょっとしたコツさえつかめば、前置詞は面白いって思えます。そこで大切なのが、各前置詞の核心のイメージを捉えること!なんです。
核心のイメージを捉えると、その前置詞の全体像が見えてくるので、応用もきくようになります。イメージから、意味が想像できるようになるので、その前置詞がもつ訳をすべて覚えなくても、さまざまな文が自然に読み取れるようになるのです!
まずは、よく目にする基本の前置詞のなかから、【at】について解説します。特徴をとらえたイメージキャラクターごと覚えちゃいましょう!
時間や場所を表すat は、「~で」と覚えている人も多いのですが、基本のイメージは「一点」です。まずはこれを覚えましょう!
at には、核心のイメージである「一点」から派生して、 ①「場所・時」 ②「割合」 ③「状態」 ④「対象」 という4つの意味があります。複雑に感じるかもしれませんが、「一点」というイメージを定着させておけば、いずれもすんなり理解できます。さっそく、それぞれの意味を見ていきましょう。
at は「一点」→「場所・時の一点」を表します。例えば、at Paris は、「パリという場所の一点」であり、「ロンドンに行くときパリで一度乗り換えて……」などのように、パリを「地図上の一点」と考えるときに用います。
一方、「時の一点」であれば、以下のように使われます。
I got up at 6:00 this morning.
私は今朝6時に起きた。
at が一点を表すことを考えると、例文は「6時ちょうどに起きた」、という意味になります。
at の「一点」は、「目盛りの一点」という感覚で、速度計や温度計などの「割合」も表します。
My father drove at 100miles an hour.
父は時速100マイルで運転した。
例文は、車のメーターの針が100マイルという「目盛りの一点」をビシッと指していることを表しています。
少し難しい意味に、「一点」→「状態の一点(~中)」があります。
Please make yourself at home.
どうぞおくつろぎください。
例文の at homeは、「くつろいで」という熟語。これは「くつろぐという状態の一点にいる」ことから、「くつろいで」となりました(ここでの home は「家」→「家でくつろぐこと」という意味になります)。
ここまでの3つの意味は、すべて「止まった一点」を表していました。しかし、「対象の一点」はat に動きが出て「めがける一点」になります。
She looked at him.
彼女は彼を見た。
look at~は「~を見る」という熟語ですが、視線を「一点」に投げかけているのでat が使われます。同様に、「笑い」を投げかければ、lough at~「~を笑う」、「微笑み」を投げかければ、smile at~「~に微笑みかける」となります。
ちなみに at は、的の一点をめがけていますが、必ずしも命中するとは限りません。ちょうど、smile を投げかけても気づかれないことがあるのと同じです。さらに、at は、あくまで「一点をめがける」だけで、それが届くのかどうかまでは示しません。ポイントとして覚えておきましょう。
次の【 】に語句を入れなさい。
前置詞 at の基本のイメージは【 ① 】です。ここから派生してat は、「場所や【 ② 】」、「速度計や温度計などの【 ③ 】」も表します。これらは、動きのないものに対する意味となりますが、動きのある意味として、「めがける【 ④ 】」という意味も表します。
①一点
②時
③割合
④対象
次回は、【about】 (実は日本語でも使っている前置詞)についてお話します。お楽しみに!
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※本書は下記出典をもとに再編集したものです。(新星出版社/向山)