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2022.09.08

🌀台風の発生から終わりまで。その寿命は5.2日⁉
【これからを生きていくために欠かせない! 気象の知識 Part2】

 【これからを生きていくために欠かせない! 気象の知識 Part1】では台風の仕組みと勢力について解説しました。今回は、台風の発生から終わりまでを解説します。

台風の寿命は5.2日⁉

 熱帯・亜熱帯地方の海上で発生した台風は、発達しながら移動し、もっとも勢力の強い最盛期を迎え、その後、衰弱期に入り、大陸に上陸して弱まったり、北上して温帯低気圧へと姿を変えたりして一生を終えます。

 台風の平均的な寿命は、およそ5.2日ですが、中には20日近く台風であった長寿台風もあります。

台風の発生から終わりまで
発生期

 熱帯地方の海上では、暖かい海から蒸発する豊富な水蒸気があり、積乱雲をたくさんつくって、そこに集まってくる空気の流れが地球の自転の影響で渦巻き状になります。この渦巻きができると、ますますまわりから空気が集まってきて、水蒸気も多くそして上昇気流もできやすくなります。それがまた渦巻きの流れを強めて、最大風速が秒速17.2mの条件を超えると台風になります。

発達期

 暖かい海の上を進んでいくと、豊富な水蒸気をエサとして台風は発達していきます。そのうちに台風の目ができるようになり、目のまわりには壁雲と呼ばれる背の高い積乱雲と強い上昇気流ができるようになります。

最盛期

 最盛期は、中心の気圧がもっとも下がり、台風の風速が一番強い時期。勢力の強い台風ほど、目がぱっちりとしています。この時期に、台風の進行速度が遅くなり、進路が西向きから次第に北、北東向きに変わることがあり、これを転向と呼びます。

衰弱期

 台風が北に進み、海水の温度が下がったり、陸上に達したりすると水蒸気量が減って、台風は弱くなっていきます。偏西風に乗ってから温帯低気圧に変わることもあり、その場合、温帯低気圧として逆に発達する場合もあるので、安心はできません。

『こども気象学』でもっとくわしく知ろう!

 『こども気象学』は、これからの時代を生きていく子どもたちにもわかるよう、気象の知識を豊富なイラストや図で解説しています。大人の方にもおすすめの1冊なので、ぜひ読んでみてくださいね。

 

出典『こども気象学』

画像 気象庁

本記事は上記出典を再編集したものです。

※アイキャッチ画像 /shutterstock.com

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東京大学先端科学技術研究センター シニアプログラムアドバイザー
気象庁で数値予報開発に携わり台風予報の精度向上に貢献。東京管区気象台長、観測部長を経て2019年3月に気象研究所長にて定年退職。東京大学先端科学技術研究センターにおいて、JSTのCOI-NEXT(共創の場形成支援プログラム)のClimCORE(地域気象データと先端学術による戦略的社会共創拠点)の立ち上げに関わり現在このプロジェクトの推進中。
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