3月26日の日経新聞の記事にも掲載されましたが、インターネット証券で新規口座を開設する個人が急増しており、楽天証券では2月の開設数が初めて10万を超えたといいます。また、これまでは20歳以上という条件があった少額非課税制度、通称「NISA」については、2016年から20歳未満でも非課税制度の優遇を受けることができるようになり(諸条件あり)、年齢層の幅も広がっています。
「株」って何だか難しそう…、「興味はあるけど、どういう仕組みなのかよくわからない」と思っているみなさんに、『マンガでわかる最強の株入門 』から、これだけは知っておきたい基本の知識を解説します。
Q1 株っていったいどんなもの?
株とは株式会社が発行する証明書のことです。事業を始めるとき、事業者は資金を集めるための手段として、株式会社を組織し、株を発行して多くの投資家から資金を調達します。資金を投じた投資家は、その証明書として株式を受け取ります。
A 株は事業に投資した人に渡す証明書のこと
Q2 投資家はなんで株を購入するの?
購入した株を値上がりしてから売却すれば、短期間で利益(値上がり益)を得ることができます。また、得た利益は銀行の金利などよりも利回りがいいのです。また値上がり益以外にも、株価が上がれば事業者は利益の一部を投資家に還元する「配当」や「株主優待」などでも利益を上げられます。
A 銀行にお金を預けるより利回りがいいから
Q3 株を買いたいけど、どうすればいいの?
株は証券取引所を通じて取引されるため、売買するためには証券会社に口座を開かなければなりません。口座を開いたあとは、買い注文を出して株を購入し、売り注文を出して株を売却します。このとき注意したいのは、買いや売りに関わらず、1回ごとに手数料がかかるということです。手数料は証券会社ことに異なるため、自分の投資スタイルにあった証券会社を選択しましょう。
A まずは証券会社に口座を開こう
株式投資の魅力―それはなんといっても大きなリターンが狙えることです。
例えば安全資産といわれる定期預金と比較してみれば一目瞭然です。定期預金で1年間運用して付く利息は、せいぜい0.1~0.2%くらいでしょう。
それに比べて株式投資なら1年の運用で、2倍(100%)どころかテンバガー(10倍株=100%)だって夢ではありません。 毎年、2倍以上になる銘柄がいくつも出ており、なかにはソフトバンクやヤフーのように、わずか数年で100倍を超えた銘柄だってあるのです。
もちろん株式投資には、運用益がマイナスになるリスクもあります。しかし、金融商品だけのパフォーマンスを持つ商品はありません。
株取引をしたことがない人でも「株主優待」という言葉を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。最近では株主優待だけで生活している人がテレビで紹介されるなど、優待の人気が高まってきています。
そもそも株主優待とは、株主(株式の保有者)に対し、企業が自社製品やサービスなどを提供する制度のこと。
もらえる優待は商品券や食料品のほか、株主限定のオリジナル商品など種類が豊富なので、自分の好みや生活スタイルに合った優待が見つかるはずです。
各企業がどんな株主優待を実施しているのか―。1つ1つ調べていては、それだけで時間がかかってしまい、肝心の株取引ができなくなってしまいます。しかし現在は、簡単に株主優待を調べるサービスがいくつもあり、ここでは「Yahoo!ファイナンス」で提供されているサービスを紹介します。
Yahoo!ファイナンスにアクセスし、株主優待の検索ページ(https://info.finace.yahoo.co.jp/stockholder/)を開くと、キーワードを入力して検索できるほか、「優待の種類」「最低投資金額」「権利確定月」ごとからも優待を探すことができます。気になる優待がないか探してみましょう。
働いた分の賃金を受け取ったとき、その金額には税金が課せられます。これと同様に、株式投資で得た利益に対しても20%の税金が課せられます。
ところが株式投資には、少額非課税制度、通称「NISA」と呼ばれる制度があり、売却したときに得られた利益が非課税となります。
NISAを受けるには、専用口座を開設しなければなりません。すでに証券口座を開設していても、新たに口座を開設する必要があります。また投資家1人に対して1口座しか開設できません。
受けられる期間は5年間。1年に投資できる金額も120万円と決まっているので、売却した投資資金を再びNISAの口座で投資することはできません。また120万円に満たない分を翌年に繰り越すことも認められません。
NISAを受けるためには20歳以上という条件があったため、20歳未満の投資家はNISAを受けることができませんでした。
しかし、2016年からジュニアNISA制度がスタートし、20歳未満でも非課税制度の優遇を受けられることができるようになりました。ジュニアNISAでは投資資金の年間上限80万円、親権者が同じ証券会社に口座を開設していることが条件です。また、18歳までは資金を原則引き出すことができず、引き出す場合は、過去にさかのぼって課税されてしまいます。
なんとなく、株についての基本的なことがわかりましたか?次回は株の売り買いの方法などを説明します。
インターネット普及以前の株式取引は、会員会社から取引所の立会場に派遣されて売買をする「場立ち」と呼ばれる証券マンが、手サインを使って売買注文を伝達して行われていました(1878年(明治11年)6月1日に、東証の前身である東京株式取引所が売買立会を開始)。我先に、注文を執行しようとする証券マンがもみ合いになる姿は、取引所の風物詩となっていました。日本ではコンピュータシステムの導入により、1999年に東京株式取引所立会場が閉場となり、およそ120年間にわたる場立ち取引は廃止されました(ニューヨーク証取は電子取引と並行して立会場も残している)。
※本記事は、下記出典をもとに一部加筆・再編集したものです。(新星出版社/向山)