いつもの食材で楽にできる漢方。漢方というと、特別な食材を使うのではないかと思うかもしれませんが、日ごろ私たちが食べている食材を、普段のお料理として取り入れることができます。今回お届けするレシピは、鮭とキャベツのみそ炒め。ぜひお試しください。
おなかの冷えを改善!疲れもとる
鮭はアイヌの人々に「捨てるところがない」と言わしめるほど、すべて活用できる万能食材。温性のため弱った胃腸を温め、カラダを芯から元気にしてたまった疲れをとり除いてくれます。
「気」や「血(けつ)」をカラダ全体に巡らせて冷え症を改善するほか、冷えによる胃痛を軽減します。特に寒い時期におなかの調子をくずしやすい人、かぜを引きやすい人におすすめです。また、胃腸に負担がかかりにくいので食欲がないときにも安心して食べられます。
レシピでは塩をふっていない生鮭を使っています。塩鮭の場合は塩辛くないものを選び、調味料の量は味を見て控えめにしましょう。
●生鮭…2切れ
●キャベツ…3枚
●コーン缶…大さじ3
●塩、こしょう…各適量
●サラダ油…大さじ1/2
●酒…大さじ1
A みそ、みりん…各大さじ1
A しょうゆ…大さじ1/2
① 鮭は水けをふいて骨を除き、2~3等分に切って塩、こしょうをふる。キャベツはざく切りにする。コーンは缶汁をきる。
② フライパンにサラダ油を中火で熱し、①の鮭を3~4分焼き、一度取り出す。同じフライパンでキャベツを炒め、 しんなりしてきたらコーンを加えて炒め合わせる。
③ 酒をふり入れ、②の鮭を戻し入れたら、混ぜ合わせたAを加えて全体にからめる。
いつものみそ汁に鮭を加えて鮭汁にしても◎。野菜は白菜、大根、ほうれん草、じゃがいもなどと合わせてみて!
漢方と聞くと「なんだかむずかしそう…」と思うかもしれません。
けれど、じつは私たちの日々の生活のなかに漢方の考えや知恵は多く存在しています。
たとえば、すいかには熱を冷ましたり潤いを補ったりする作用があります。暑くて汗をよくかく夏にすいかを欲するのは、最適な食材だからです。
こうして考えると、少しむずかしそうな“漢方”を身近に感じませんか?
この本で紹介するレシピには、特別な食材や調理法は一切ありません!
キャベツや大根、玉ねぎ、鶏肉、鮭など、スーパーで手に入る身近な68食材でかんたんに作れるものばかり。日々のごはんだからこそカラダにいいものをと思う方、夕飯のメニューに悩む方、どんな人にとっても役立つ1冊です。
巻末の【症状別さくいん】では、「冷え」「疲れ」など具体的な不調から、その症状に適した食材やレシピを探せるので便利です。
主な著書・監修に『漢方的おうち健診-顔をみるだけで不調と養生法がわかる』(学研プラス)、『こころとからだに効く!櫻井大典先生のゆるゆる漢方生活』(ワニブックス)、『つぶやき養生』(幻冬舎)、『まいにち漢方』(ナツメ社)、『体をおいしくととのえる!食べる漢方』(マガジンハウス)など多数。
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