1900.07.30
【隣の席の会話】やっとお客さんの髪を切ることを許された
私はちらりと彼女たちを見ました。
若い女性が二人――二人とも長くて、きれいな髪だなあと。
「やっと髪切ったんだ」
「よかったね。認められて」
――ん?
と私は思いました。認められて、やっと髪を切るって、どういうことかなと。
不思議に思っていましたが、次の話で判明したのです。
「店長がきびしい人だから、ずいぶん時間がかかったけど、頑張ってきてよかった」
ああ、と私は納得しました。
彼女は美容師さんで、お客さんの髪を切ることを許されたんだと。