みなさん、こんにちは!代々木ゼミナール生物講師の鈴川茂です。
私たちの体内で日々、休むことなくがんばっている細胞。僕たちのからだは、約37超2000億個の細胞から構成されています。つまり、この地球上にいる人口(2019年現在77億人)の約5000倍もの数の細胞たちが僕たちのからだをつくり、かつ、つねに僕たちのためにはたらいてくれています。たとえば赤血球は約20兆個もあり、からだの細胞の半分以上を占めていて、血管のなかを新幹線と同じような速度(時速約200㎞で流れ、はたらいてくれています。すごいですよね。
ここでは、「内臓の細胞」から、血糖値を調整する「立役者」として働く、すい臓の細胞について解説します。
楽しいキャラが登場しますので、とっても覚えやすいですよ!ではさっそく始めましょう!!
みなさん見てください!このかわいらしい2人の細胞!
彼女たちは血糖値を調節する、α細胞とβ細胞です。血糖値とは、血液中の「ブドウ糖」の濃度のことです。砂糖を血管内に注射したからといって、血糖値が上がるわけではありません。
彼女たちはすい臓の「ランゲルハンス島」という場所にいます。そこで、α細胞は血糖値を上げるホルモンを、β細胞は血糖値を下げるホルモンを出しています。
ホルモンとは、からだのさまざまなはたらきを調節する化学物質のことで、100種類以上が確認されています。からだのあちこちにある内分泌腺(甲状腺や副甲状腺、脳下垂体、副腎、生殖器、すい臓など)から分泌されていて、種類も豊富。たとえば副腎から分泌され、ストレス反応にはたらきかけるアドレナリンも、ホルモンの一種。
血糖値を調節するホルモンにはいくつかの種類がありますが、血糖値を「上げる」ものと「下げる」もの、どちらの種類が多いでしょうか?
正解は「上げるホルモン」。血糖値を下げるホルモンは「インスリン」しかありませんが、上げるホルモンは5種類ほどあります!
ヒトや動物は、からだの中にブドウ糖がないと死んでしまうので、なるべく少なくならないように進化したんです。多くの野生動物は基本的に“空腹”状態、つまりブドウ糖が足りていない状態なんです。僕たち、お腹が空いたらコンビニに行けちゃいますもんね。でも、糖分をあまり多く摂りすぎると「糖尿病」はもちろん、「うつ」の原因になったりするんです。僕たちのからだって、繊細なものなんですね……。
『世界一やさしい!細胞図鑑』では、他の「内臓の細胞」もやさし〜く紹介していますよ。もっと知りたい方は、ぜひ本書を読んでみてくださいね!
○約1メートルの長さにもなる細胞「ニューロン」
○酸素を運び血液の赤色のもとになる「赤血球」
○アレルギーを引き起こす細胞、その名は「肥満細胞」(しかも太ってない)
○敏感だけど鈍感?匂いを感じる「嗅細胞」
など、個性的な細胞がもりだくさん!
細胞を知れば知るほど自分のカラダが愛おしくなってしまうかも!?
代々木ゼミナールのカリスマ生物講師・鈴川茂先生が監修。看護師試験や受験対策にも最適です!
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