Q 切り傷・すり傷を作ってしまったときの対処法。次の方法は正しい?
傷口は早く乾燥させたほうがいいので、なるべく絆創膏を早く取る。
× 正しくない
外部から殺菌が侵入するのを防いでいる皮膚が、切り傷やすり傷で傷つくと、血液やリンパ液などの体液が体外へ漏れてしまうだけでなく、そこからの殺菌による感染症が心配されます。感染症を予防し、傷が可能しないようにするためには、すぐに殺菌消毒を行いましょう。
イメージキャラは、サッキンズ!
昭和の傷薬トリオ。一家にひと箱、救急箱の最強レギュラーだった。
出血、はれ、かゆみ、痛みなど、それぞれの症状に対応した薬を選びます。必ず流水で傷口を洗い流してから、薬を使いましょう。ただし、5~6日ほど使用しても改善が見られない場合や、傷口が可能した場合、万一、動物に噛まれた場合は、すぐに必ず医療機関を受診しましょう。
傷口の殺菌消毒にはオキシドール(過酸化水素水)や消毒用エタノール、ヨードチンキなどが昔から使われてきましたが、これらは粘膜や目のまわりには使用できません。
また、場合によってはアレルギー反応を起こすこともあるので、注意が必要です。
アクリノールやベンザルコニウムなどの殺菌消毒成分を含んだ外用薬が一般的です。最近では、湿潤治療が普及しています。
傷口からにじみ出る滲出液に細胞を再生する成分が含まれていることがわかり、傷をおおって滲出液を傷口に保っておくほうが早く治ると考えられるようになりました。傷口が乾かないようにおおうことがポイントです。
おくすりクイズ、いかがでしたか? ポイントは傷が乾かないようにすること。知らなった方は、これからぜひ実践してみてくださいね。
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※写真/ shutterstock
※イラスト/明野みる
※本記事は下記出典を再編集したものです。(新星出版社/向山)
薬学と農学の融合を目指し、「地球は大きな薬箱」をモットーに研究活動を行っている。