
私たちが体を動かしたり、頭を使って考えたりするときのパワーとなるエネルギーは、食べたものに含まれている炭水化物、脂質、たんぱく質からつくられています。
しかし、1日に必要なエネルギーの量は、年齢や性別、生活習慣などによって変わります。
育ち盛りの子どもがエネルギーを上手に摂取するためには、どんな点に気をつけたらよいのでしょうか?
タイプやシーン別の食事の仕方を女子栄養大学栄養学部准教授の中西明美氏が監修した『こども栄養学』より一部を抜粋、再編集して紹介します。
(1)スポーツやダンスをしている人は“糖質”を大事に
スポーツをしている人は、運動と成長に多くのエネルギーが消費されるため、大人以上のエネルギーが必要です。
高たんぱく低脂肪の食事を心がけ、特にごはんなどの糖質は不足しないように。1食につきお茶碗2杯分が目安です。食事でとりきれないときは、15時ごろをおやつの時間に決めて、おにぎりなどの補食で調整しましょう。
(2)読書やゲームが好きで、あまり体を動かさない人は“食事バランス”に気をつけて
大人になる前の成長期には、背が伸びたり筋肉がついたりと、体は大きくなろうとしています。骨や筋肉をつくり、背を伸ばすために特に必要な栄養素は、たんぱく質、カルシウム、鉄、ビタミンDなどです。
これらが不足しないように毎日の食事に気をつけましょう。また散歩や家の手伝い、遊びなどで少しでも体を動かすと、おなかが空いてごはんもおいしく食べられます。
(3)勉強の合間に“糖質”を!
机に向かって勉強をしているとき、脳は活動しエネルギーが必要になります。脳の主なエネルギー源となる物質は、糖質です。食事から摂取した糖質は、ブドウ糖に分解されて脳のエネルギーとして使用されます。糖質は、ごはんやパン、果物に多く含まれます。
特に果物は果糖という糖質に加え、脳を健康に保つビタミンCやカリウムなども同時にとれるのでおすすめです。勉強の合間に、サンドイッチやおにぎり、フルーツなどを食べるとよいでしょう。
■食物アレルギーや好ききらいのある人は、どうする?
特定の食材にアレルギーがあったり、好ききらいがあったりすると、その食品は食べられない、または食べたくないですよね。
その場合、栄養不足にならないように、代わりの食材をとりましょう。たとえば、卵アレルギーの人は、同じたんぱく質を含む魚を食べる、小麦アレルギーの人は、米粉のパンを選ぶなど。
たんぱく質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラル(無機質)をバランスよくとることを心がければ、特定の食材が食べられてなくても問題ありません。
好ききらいのある食品も、少しずつ食べることで慣れて、食べられるようになります。
【スポーツの種類によって必要な栄養素は違う】
スポーツの練習にがんばって参加しているけれど、いざというときに活躍できない、試合のレギュラーになれないなど、成果が出ない人がいるのでは。
そんな人は、体の資本をつくってくれる毎日の食事を見直す必要があります。基本は、一度の食事で主食、主菜、副菜、果物、牛乳や乳製品を食べるようにしましょう。
ただし、スポーツの種類によって求められる能力は違うため、必要な栄養素も違ってきます。筋肉が必要な競技には良質なたんぱく質、長時間エネルギーを必要とする運動には糖質など、どのようなスポーツに、どのような栄養素が必要なのかを知ることが、大会で活躍できる選手になる近道になります。
【サッカー・バスケットなど混合系スポーツに必要な栄養素とは】
サッカーやバスケットボールは、混合系スポーツと呼ばれ、瞬発力と、試合時間を通して動き続けられる持久力が必要な競技です。他にもバレーボール、野球やテニスなども同じです。
このようなスポーツに必要な栄養素は、エネルギー源となる糖質とビタミンB1、そしてパワーの発揮に必要なたんぱく質です。また貧血の予防に鉄の多い食品も食べましょう。
【サッカーなどの混合系スポーツで、鉄が失われやすい場合の1日分のメニュー例】
■朝食
全粒粉パン…2枚
スクランブルエッグ…卵1個分
トマトサラダ…1皿
バナナ…1本
■昼食(学校給食)
ごはん…1ぜん
サバの塩焼き…1切れ
ひじきの煮物…小鉢1皿
キャベツのおみそ汁…1杯
牛乳…1パック
みかん…1個
■間食(練習前後)
・1回分
おにぎり…1個
プルーン…2~3個
麦茶…1杯
・1回分
ロールパン…1個
牛乳…1パック
■夕食
親子丼…1杯分
冷ややっこ…1皿
鶏肉とピーマンのソテー…1皿
キウイフルーツ…1個
以上が、食事の際の目安量となります。
豚ひき肉を使ったマーボー豆腐を、白米にのせた丼にするなど、食べやすい工夫もぜひ取り入れてみてください。
出典『こども栄養学』
イラスト イケウチリリー

水を飲んでも太るって本当?
栄養ってナニ?
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何の食品を食べたらいいのか、どうやって食べたらいいのかのヒントも。
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管理栄養士、栄養教諭一種。女子栄養大学大学院にて栄養学博士号を取得。
広島市学校栄養職員として14年間勤務した後、2012年より現職。
2013年、日本健康教育学会奨励賞を受賞(子どもを対象とした食のメディアリテラシーに着目した栄養教育に関する研究)。
監修に『たのしい給食! いちばん身近なSDGs』(小峰書店、2023年4月)、『くらべてわかる食育ずかん』(理論社、2023年11月)などがある。







