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2021.04.15

☎正しい応対、あなたはできていますか?
【電話応対の基本】
①電話に出る

 会社に入ってすぐに必要とされる業務のひとつに、電話応対があります。会社を代表して電話を受けている意識をもち、会社のイメージを損なわないように、丁寧な言葉づかいを心がけましょう。

 今回は、『とっさに使える敬語手帳』より、電話に出たときの応対のしかたについて解説します。

電話に出たとき

 ☎「もしもし……」

↓  正しい言い換え

「はい、こちら〇〇社でございます」

 

💭後に続く言葉⇒「いつもお世話になっております」

ポイント

 電話応対は、社内や部課内の慣習にしたがいますが、最初に社名を名乗るのが基本です。午前中の早い時間にかかってきた電話では、最初に「おはようございます」と述べる場合もあります。会社の電話では、「もしもし」は不要。「いつもお世話になっております」などのあいさつを欠かしてはなりません。

 

すぐに出られなかったとき

「大変お待たせいたしました。こちら〇〇社でございます」

 

 呼び出し音が3回鳴るまでに電話に出ましょう。対応が遅れてしまった場合は、会社名を名乗る前に、「お待たせいたしました」と、おわびの言葉を述べます。

相手に名前をたずねるとき

☎「どなたですか?

↓  正しい言い換え

「失礼ですが、お名前をお聞かせいただけますか?」

 

💭もしくは、「お名前をおうかがいしてもよろしいでしょうか?」

ポイント

 電話の相手が名乗らない場合は、「失礼ですが」と前置きしてから、「お名前をお聞かせいただけますか?」と丁寧にたずねましょう。

社名をたずねるとき

☎「どちらの会社の方ですか?

↓  正しい言い換え

失礼ですが、どちらの会社の〇〇様でいらっしゃいますか?」

 

💭続ける言葉⇒(相手が社名を名乗ったら)「いつもお世話になっております」

 

 担当者に取り次ぐ際は、会社名と名前をうかがいます。「どちらの〇〇様でいらっしゃいますか?」と尊敬語を使った方が、良い印象を与えます。

相手の名前を聞き取れなかったとき

☎「よく聞き取れなかったので、もう一度名前を言ってください」

↓  正しい言い換え

もう一度お名前をおっしゃっていただけますか?」

 

💭前に述べる文例。会話を円滑に進めるためのクッション言葉⇒「申し訳ございません」

 

 「聞き取れなかった」と告げるだけでは、相手の話し方が悪かったような印象を与えてしまいます。「申し訳ございません」というクッション言葉を使いましょう。

担当者にかわるとき

☎「わたくしにはよくわからないので、くわしい人にかわります」

↓  正しい言い換え

「担当の者にかわりますので、少々お待ちくださいませ

 

💭もしくは、「〇〇部におつなぎいたしますので、少々お待ちください

 

 担当外の用件を、相手が話し始めたときの対応です。「わかりません」「知りません」は禁句。「わたくしではわかりかねますので、担当の者にかわります」などと述べます。

担当者の名前を確認したいとき

☎「どなたにご用でしょうか?」

↓  正しい言い換え

「どの者をお呼びいたしましょうか?

 

💭もしくは、「担当の者の名前はおわかりでしょうか?

 

 社内の人間は、身内とみなして「どの者」と表現。同姓の人がいるときは、「〇〇は社内に2人おりますが、フルネームをご存じでしょうか?」などと尋ねます。

指名された担当者につなぐとき

☎「〇〇さんですね? しばらくお待ちください」

↓  正しい言い換え

「〇〇にかわりますので、少々お待ちください

 

💭もしくは、「かしこまりました。〇〇におつなぎいたします

 

 相手を待たせずに、すぐに取り次ぎができる場合は、「しばらく」ではなく、「少々」と言い換えましょう。社内の人間は身内とみなし、呼び捨てにすることも忘れずに。

自分あての電話に出たとき

☎「〇〇はわたしですが……」

↓  正しい言い換え

「はい。わたくし、〇〇でございます

 

💭後に続く言葉⇒「いつもお世話になっております

 

 電話応対では、自分のことを「わたくし」と呼ぶように心がけましょう。文末に丁寧語の「~でございます」をつけることで、さらに丁寧さの度合いが高くなります。

☎「よろしくどうぞ……」

↓  正しい言い換え

「失礼いたします/ごめんくださいませ

 

💭前に述べる文例。会話を円滑に進めるためのクッション言葉⇒「お電話ありがとうございました

 

 語尾を濁して電話を切るのは、好ましくありません。最後まで気をゆるめず、「失礼いたします」「ごめんください(ませ)」と、礼を尽くして受話器を置きましょう。

 電話は、相手の顔が見えない分、いつも以上に気を配る必要があります。敬語を正しく使い、スマートな対応を心がけましょう。

 

※本記事は、下記出典をもとに、一部加筆し、再編集したものです。(新星出版社/向山)

とっさに使える 敬語手帳
山田敏世 監修(プロフィールは下記参照)
本書は300例以上の敬語を紹介しているため、読み進めるだけで、どんどん敬語力がついていきます。中には、敬語にすることが難しいシチュエーションの表現も含まれているので、敬語を話すことができる人でも、「この場合、なんて言えばいいんだろう?」と迷ってしまうような敬語表現も身につけることができます。正しい敬語だけでなく、さらに大人として、美しいモノの言い方を身に付けておきましょう。
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山田敏世(ヤマダトシヨ)
元産業能率大学 情報マネジメント学部 教授、元自由が丘産能短期大学 能率科 教授。
産業能率短期大学、専修大学卒業。総合商社の常務付秘書、専門学校の秘書科講師を経て、平成3年にクロスポイントを設立。産業能率大学では、敬語をはじめとしたビジネスマナー、秘書検定、サービス検定を担当。また、企業の秘書研修、管理職の作法等を中心に研修講師として活躍。
秘書検定準1級面接試験委員、ビジネス実務マナー検定試験委員、サービス接遇検定運営委員を経て、実務技能検定協会 評議員、秘書・サービス教育学会監事を歴任。
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