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2025.04.04

フリーランスで生きていくために知っておきたいお金のこと
【連載第1回 一生涯に必要なお金って?】

 2019年4月より「働き方改革」を推進するための法律が施行されました。厚生労働省によると、この改革は、「働く方々が個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を自分で「選択」できるようにするためのもの。長時間労働の是正、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保、柔軟な働き方がしやすい環境整備(テレワーク、副業・兼業など)なども盛り込まれ、会社という組織から離れて仕事をする人も増えてきました。そこで、「生活のスタイルにあわせてフリーランスという仕事の形態をとりたいけれど、働き方に心配や不安を感じる」という方にご紹介したいのが、『フリーランスのお金がぜんぶわかる本』

 今回は、本書から、「フリーランスで生きていくために知っておきたいお金の話」を連載でお届けします。

フリーランスは誰もが、お金の不安に直面している

いまはよくても、将来はどうか

 フリーランスという立場を「お金」の面から見ると、メリットがある一方で、さまざまな心配や不安、悩みもあります。
「これまでは何とかやってきたが、これからも大丈夫だろうか」目の前の仕事に追われて、深く考えるヒマもなかったが、将来のお金はどうなるだろうか」 

 こうした思いは、フリーランスなら誰でも抱えているものです。

 もちろん、フリーランスにはメリットもたくさんあります。わずらわしい会社の人間関係から解放され、時間帯や曜日はマイペースで自由に働くこともできます。決まった額の給料をもらう会社員とは違い、フリーランスは自分が働けば働くほど収入が増えます。
 しかも、うまくアイデアが当たれば、一攫千金も夢ではありません。仕事は定年の心配がなく、働きたいだけ働き続けられるのも、フリーランスならではの魅力です。

 ただ、フリーランスの立場で働くと、仕事と収入が不安定になりがちです。いまはよくても、この先もずっと仕事と収入を得ることができるのか。ある日突然、なくなってしまわないか……。

 さらに、病気やケガに対する不安もあります。会社員なら、有給休暇があり、給料をもらいながら(収入を得ながら)休むことができます。また、会社員が加入する健康保険には「傷病手当金」というものがあり、病気やケガで会社を休んで給与が出ないときでも、ある程度の収入が得られます。

 しかし、フリーランスには、病気やケガで健康を損ねたときの公的な保障はありません。もし、突然働けなくなってしまったら、どうしたらよいのでしょうか。

万一の備えや老後資金はどうするか

 さらに、自分に万一のことがあったとき、のこされた家族がどうなるのかも心配です。

 会社員などが加入する厚生年金には「遺族厚生年金」がありますが、フリーランスが入る国民年金は「遺族基礎年金」だけです。自分がいなくなった後、わずかな遺族基礎年金だけで、家族は暮らしていけるでしょうか。

 

 また、独身のフリーランスには、家族の心配はないものの、老後資金の心配があります。むしろ、家族持ちよりも独身フリーランスのほうが、老後資金に対する不安は強いかもしれません。

 一緒に考えてくれる人、ともに立ち向かってくれる人は、独身者にはいないからです。もちろん、家族持ちのフリーランスにとっても、老後資金は最大級の心配事です。

 年金以外に、2000万円必要だともいわれる老後資金を、定期的な収入がない中で、どうやって用意したらよいのでしょうか。

会社員と比べてお金の心配は大きい

 つまり、会社員や公務員などと比べて、フリーランスは「お金」の面で圧倒的に不利です。働いた分だけ収入が増えるということは、逆にいえば、働かなければ(または働けなければ)収入はすぐに途絶えてしまうということです。

 会社員などのように、よほどのことがなければ毎月入ってくる、決まった給料はありません。また、年に2回、ボーナスとしてまとまったお金が入ってくるわけでもありません。おまけに、老後資金の大きな助けになるはずの退職金もありません。さらに、国民年金(基礎年金)に上乗せされる、厚生年金もありません。しかも、病気やケガで働けなくなったときの公的な保障は、会社員などに比べるとわずかです。

 自分に万一のことがあったとき、家族にのこせる保障もわずかなものでしかありません。

フリーランスこそ計画的な備えが必要

 会社員や公務員に比べて、フリーランスは公的な保障が弱く、これを補える、簡単で、便利な方法はありません。自分の努力で何とかするのが、唯一の方法です。幸い、フリーランスが加入する国民年金の保険料は、厚生年金よりも安いので、その分、余裕資金として手元にお金が残るという考え方もできます。

 また、フリーランスは自分でお金を管理して、確定申告をするので、可能な限りの節税ができます。じつは、会社員などの給与所得者には、大きな節税の手段はほとんどありません。

 そのようにして生み出したお金を、きちんと管理し、将来、必要なお金を用意していきましょう。フリーランスだからこそ、計画的なお金の準備を、いまから行っていく必要があるのです。

フリーランスのお金がぜんぶわかる本
関根俊輔 監修(プロフィールは下記参照)
本書は、支払う税金を少なくする節税のさまざまな手法だけでなく、年金・保険をはじめとした老後に必要なお金の作り方、60代以降の住宅資金の作り方、万が一、働くことができなくなったときの保険、自分が亡くなった後に家族に残すべき生命保険……、などなど、フリーランスならば必ず知っておかなければならないお金のすべてを解説した本です。
本書を一読し、フリーランスとして一生涯、安心できるお金の知識・対策を手に入れましょう。
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関根俊輔(セキネシュンスケ)
税理士。
中央大学法学部法律学科卒。
優秀なビジネスマンや税理士を多数輩出する尾立村形会計事務所(東京都)で会計人としての修行を重ねる。
その後、関根圭一社会保険労務士・行政書士事務所(茨城県)にて、主に労働基準監督署や社会保険事務所の調査立ち会いや労使紛争解決等の人事業務、加えて、法人設立・建設業許可、遺産分割協議書や内容証明郵便及び会社議事録作成等の業務に携わる。
平成19 年には、共同で税理士法人ゼニックス・コンサルティングを設立。
現在は、学生時代から培った「リーガルマインド」を原点に、企業に内在する税務・人事・社内コンプライアンス等、経営全般の諸問題を横断的に解決する専門家として活躍している。著書に『個人事業と株式会社のメリット・デメリットがぜんぶわかる本』『個人事業を会社にするメリット・デメリットがぜんぶわかる本』(新星出版社)などがある。
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