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2021.01.13
音が聞こえるのは空気のおかげ!?
【川村康文先生の物理講義】

「波」と「音」について楽しく学ぼう!

川村康文先生
1959年京都市生まれ。東京理科大学理学部物理学科教授。博士(エネルギー科学)。TV出演:所さんの目がテン/NHK Eテレ 高校講座ベーシックサイエンス 監修とガリレオ先生として出演。チコちゃんに叱られる!/NHK 2度出演。著書多数。

 こんにちは!

 今回は、物理のお勉強の時間です。物理といえば、苦手科目の筆頭かもしれませんね。でも、今回は「ぶつり…」と聞いただけで後ずさりしてしまうような方でも大丈夫。川村先生のわかりやすい解説なら、そんなぶつりをぶっつぶしてしまえるくらいに、楽しく読める内容になっています♪

 それではさっそく『物理が楽しくなる!キャラ図鑑』から、たくさんのキャラクターたちと一緒に楽しく物理の基本を学びなおしてみましょう!

川村先生、「波」についてわかりやすく教えて!

 物理でいう「波(なみ)」は、いわゆる波とは違います。波を見たことはありますか?

 寄せては返す、海の波だにゃ。

 そう、例えば、海だと波自体が動いているんですね。ですが、物理でいう波は、移動を伴わず、振動のみが伝わってきます池の水面に浮いている葉を波立てて見ると、波紋は進んでいくけど、葉は場所を移動しません。横に移動せず、その場で上下運動をするのみです。

 実は、音や光も、物理的な観点からいえば波です。

波くん。いつも忙し動いていてつかまえにくい。学園スポーツにおける応援合戦のウェーブを作るのが得意。気合を入れて「はっ!」

 エールを送るから、音はなんとなくわかるけど、光もにゃのか!

 しかし、光の場合は媒質(ばいしつ)といって、波を伝えるものがありません。水面波の媒質は水、音波の媒質は空気です。

音さん。役割柄、波くんと一緒に活動することもある。意外と浮ついていない波くんにヒソカに憧れている。

 じゃあ、真空だと音は聞こえないにゃ?

 そのとおりです。けど、真空状態でも、光は伝わります。媒質がいらないからです。

光くん。本名は「フォトン粒子」という。自分一人でなんにでもなれてしまうため、まわりに溶け込みづらい。すべてを兼ね備えた孤高の天才。
まとめると...

〇物理でいう「波」は、移動を伴わず、振動のみが伝わる。

〇波を伝えるものを「媒質」という。水面波の媒質は水で、音波の媒質は空気。

〇光は媒質を必要としない。

 「波」の役割や「媒質」について理解できましたか?

 次は、最も身近な、音の聞こえる仕組みについて勉強していきましょう。

音が聞こえるしくみ

 音も波動(=波)です。したがって、音を伝える媒質が必要です。先ほど説明したように、音は、空気などを媒質として伝わります。

 音速は340メートル毎秒!と聞いたことがありませんか?実は、これは必ずしもそうというわけではないんです。

 空気中で音の伝わる速さを算出する式があります。

 気温をt ℃、音速をV とすると

 

 V=331.5+0.6t

 

 となります。

 15℃では340m/s(1秒間に340m進む速さ)ですが、気温が変わると速さも変わってくるというわけですね。

 音は水中だともっと速く伝わります。

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※本記事は、下記出典をもとに、一部加筆し、再編集したものです。(新星出版社/大森)

※イラスト すぎやまえみこ

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川村康文(カワムラヤスフミ)著
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川村康文(カワムラヤスフミ)
1959年京都市生まれ。東京理科大学理学部物理学科教授。博士(エネルギー科学)。
TV出演:所さんの目がテン/NHK Eテレ 高校講座ベーシックサイエンス 監修とガリレオ先生として出演。チコちゃんに叱られる!/NHK 2度出演。著書多数。
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