Q 咳は喉の奥の気道にある異物を取り除こうとして起こる、身体の反応です。
さて、そこで問題です! 咳止めのおくすりは、身体のどの部分に働きかけて、咳を止めるのでしょうか?
① 気管の粘膜
② 喉
③ 脳
咳は、のどや気管、気管支などが刺激されると、その刺激が脳の延髄にある咳中枢に伝わり、そこから筋肉に伝わって気管支がけいれんすることによって出るのです。
つまり、咳を止めるためには、脳の咳中枢を鎮めることが必要です。
脳に作用する咳中枢性鎮咳成分には、コデインリン酸塩やジヒドロコデインリン酸塩のように麻薬性のものと、デキストロメトルファンやノスカピンのように非麻薬性のものとがあります。
医薬用の麻薬といえばモルヒネを想像しますが、コデインやジヒドロコデインの作用はモルヒネよりも弱く、依存性もほとんどありませんが、過剰摂取や長期の連用は避けましょう。
気道を広げて刺激をやわらげる末梢性鎮咳成分には、テオフィリンやジプロフィリン、dl-メチルエフェドリン塩酸塩まどがあります。
去痰成分には、かたまった粘液を溶かす成分のブロムヘキシン塩酸塩、粘膜を修復する成分のL-カルボシステイン、粘液の分泌を促進するアンブロキソール塩酸塩などが使われています。
👉痰のからみに
◆去痰成分のみ配合
💊ストナ去たんカプセル(佐藤)
👉かぜの症状をともなう咳・痰に
◆麻薬性鎮咳成分配合
💊龍角散咳止め錠(龍角散)
◆麻薬性鎮咳成分未配合
💊アスゲン散EX(日邦)マオウ乾燥エキス配合
👉咳・痰のみ
◆麻薬性鎮咳成分配合
💊ベンザブロックせき止め液(武田)
💊ジージーコデイン液(日邦)
◆非麻薬性鎮咳成分配合
💊新コンタック咳止めダブル持続性(グラクソ)ジプロフィリン配合
◆殺菌成分配合
💊浅田飴せきどめ(浅田飴)dl-メチルエフェドリン塩酸塩など3種の有効成分配合
咳止めのおくすりといっても、いろいろな種類がありますね。知っておくと便利なので、ぜひこの機会に覚えてみてくださいね。
※本記事は下記出典を再編集したものです。(新星出版社/向山)
薬学と農学の融合を目指し、「地球は大きな薬箱」をモットーに研究活動を行っている。