さて、この鳴き声はどんな意味を表すと思いますか?
インコは「愛」にあふれた動物です。多くの動物は、優れた遺伝子を残すために、繁殖の度にパートナーを変えたり、一夫多妻のかたちをとります。ところがほとんどのインコは、一生のパートナーを一羽と決め、深い愛を注ぎます。
愛の伝え方もとても情熱的で、「ピョロロロ」と美しい声でさえずります。また、「この場所で子育てをしますよ!」と周囲に対してなわばりを伝える意思表示であるとも考えられています。
愛を伝えるのは、インコに対してだけではなく、飼い主さんにもアピールすることがあります。この声を聞けたら、「愛されているな~」と思ってOK!
なお、愛をアピールするのは、基本的にオスのみ。メスはあまり鳴きません。
愛してる
「大好き」なども意味は大正解です! 人間は「愛してる」の気持ちを、ブレーキランプ(?)などを使ったりして、遠まわしに伝えることもあるそうですが、インコはもっと素直に伝えるのです💛
インコが鳴くのは、人間がおしゃべりするのと同じ意図で、仲間とコミュニケーションをとるため。気持ちごとに鳴き声も違いますが、声の高さや大きさだけでも、ある程度は気持ちを読み解けますよ。
軽い気持ちで「ねぇねぇ」と呼びかけるときなどに発するインコの安定した呼び声です。
高くて大きな声で鳴くのは、警戒音です。周りの仲間に、危険が起きていると伝えようとしているのかも。
低くて小さな声で鳴くのは、まったりモード。寝る前に「ギョリギョリ」とクチバシを研ぐこともあります。
不満を感じると、にごった低めの声で鳴きます。どんどん声が大きくなるのは、思い通りにいかないから。
インコの鳴き声は、大きく分けて、仲間の存在を確認する「地鳴き」、求愛やなわばり確認のための「さえずり」、怒りを表したり、威嚇したりするときの「警戒鳴き」の3つに分けられます。愛鳥の鳴き声がどの種類の鳴き方か、聞き分けてみましょう。
※本書は下記出典を再編集したものです。(新星出版社/室谷)
※イラスト/Kanmi Q
2000年より東京大学付属動物医療センターの研修医となり、現在ではエキゾチック動物診療科の責任者を担う。2006年に、うさぎやハムスター、鳥などのエキゾチック動物診療を専門とした、「みわエキゾチック動物病院」を開院。専門知識が豊富な獣医師や看護師が数多く在籍し、日々の健康管理から高度医療まで、飼い主の意見を尊重しながら、それぞれの動物に最適な治療を行っている。
みわエキゾチック動物病院
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