
「朝起きると、なんだか肌がカサつく……」「シャンプーのとき、抜け毛が増えた気がする……」
9月に入り、少しずつ空気の変化を感じるころ。これから秋が深まるにつれて空気は乾燥しやすくなり、肌やのど、鼻などにも乾燥のサインがあらわれやすくなります。
秋は大気が乾燥しやすく、肌や髪だけでなく、のどや粘膜まで影響を受けやすい季節です。外側からの乾燥を感じる前に、体の内側からうるおいを補うことが大切になります。
そこで今回は、漢方家として活躍し、SNSや講演でも「やさしく・わかりやすく・すぐに実践できる中医学」をテーマに発信し続けている櫻井大典さんの監修した『季節の漢方生活』(新星出版社)から、体の内側からうるおいを取り戻すためにおすすめの食材を紹介します。
身近な食材を使って、内側からみずみずしく潤う体を手に入れ、乾燥に負けない体作りをしましょう!
※本稿は、『季節の漢方生活』を一部抜粋・再編集したものです。
秋に注意したい邪気は「燥邪」。空気の乾燥によって、体の中からうるおいを奪うのが特徴です。燥邪の影響を受けると、次のようなサインがあらわれます。
■のどや鼻が乾きやすい
■空咳が出やすい
■肌が乾燥し、かゆみが出る
■便がかたくなりやすい
■口や唇が乾きやすい
また中医学では、秋は時期によって乾燥の性質が「温」から「涼」へと変化すると考えます。
■秋の前半……「温燥」とはまだ夏の暑さが残り、熱を帯びた乾燥のこと。のどの痛みや空咳が強く出やすい時期です。こもった熱を冷ます梨でうるおいを補給しましょう。
■秋の後半……『涼燥』とは、涼しさや冷えを伴う乾燥のこと。冷たいものを控え、しょうがや長ねぎなど体を冷やしにくい食材を取り入れながら、肺をいたわります。
どちらの時期も、首元やのどを冷やさないように保護し、「境界線」である粘膜や肌をうるおいで満たしておくことが大切です。
暑さが落ち着き、空気が澄んでくる秋。外に向かっていたエネルギーは、少しずつ内側へと戻っていきます。中医学では、秋は「肺」が主役の季節。肺は呼吸によって外から清らかな気を取り込み、気やうるおいを全身に巡らせる働きを担います。
また、衛気を体表に巡らせ、外からの刺激から体を守る働きにも関わります。先述したように、秋は気温と湿度が下がり、乾燥が進むので、その影響で肌・のど・鼻・腸など「境界のトラブル」が出やすくなります。
秋の養生の基本は、出し切ることより、守ること。夏に使った体と心を、静かに回収して内側に蓄え、寒さに向けてバリアを強化し、乾燥に負けない体作りをはじめていきましょう。
乾燥をやわらげるためには、体にうるおいを与える食材を日々の食事に取り入れることが有効です。中医学の五行では、秋や肺と関わりの深い色は『白』とされています。白きくらげやゆり根、れんこんなど、秋の食養生に取り入れたい白い食材もあります。ただし、大切なのは色そのものではなく、それぞれの食材がもつ性質や働きです。
白きくらげは、中医学では体に必要なうるおいを補い、肺を潤す食材として親しまれています。スープやおかゆなど温かい料理にも使いやすく、乾燥が気になる秋に取り入れたい食材のひとつです。スープやおかゆに加えることで、効率よく体の内側からうるおいを補うことができます。
根菜類のれんこん、山いも、ゆり根なども、秋の体をしっとりさせながら栄養を補う食材としておすすめです。
たんぱく質もうるおいの土台になります。豚肉やいか、ほたて、豆腐などを温かい料理で取り入れると、肌や髪の材料となる栄養をしっかり補えます。さらに白ごまや松の実などは、中医学では体を潤し、乾燥しやすい肌や腸をいたわる食材として使われます。
■肺や体をうるおす…白きくらげ、ゆり根、梨、白ごま、松の実
■温燥の時期に…梨、柿、豆腐、冬瓜
■涼燥の時期に…りんご、ぶどう、くるみ
■適度な辛味で巡らせる…長ねぎ、しょうが、玉ねぎ
■補気(体を守る力を支える)…山いも、かぼちゃ、お米、栗、きのこ類
■補血(肌や髪を養う)…レバー、牛肉、クコの実、なつめ
【材料(2人分)】
長いも……約7cm(150g)
白きくらげ(乾燥)……4g
ほたて水煮缶……小1缶(70g)
しょうが(薄切り)……5~6枚
温かいごはん……茶碗1杯分(150g)
A 水……2カップ(400ml)
酒……大さじ1
塩……小さじ1/2
しょうゆ……小さじ1
小ねぎ(小口切り)、クコの実……各適量
【作り方】
① 白きくらげはぬるま湯に15分ほどつけてもどし、石づきを取り、細かくちぎる。クコの実は水でさっとつけてもどす。長いもは皮をむき、1cm角に切る。
② 鍋にA、①の長いも、しょうが、ほたて缶を缶汁ごと入れ、中火にかける。煮立ったら白きくらげを加えて弱めの中火で3~4分煮る。
③ ②にごはんを加えてほぐしながら混ぜ、弱めの中火で2~3分煮て、塩、しょうゆで味をととのえる。器に盛り、クコの実、小ねぎをちらす。
出典『心と体をいたわる 春夏秋冬 季節の漢方生活』
記事作成 向山邦余

そんなとき、どのように過ごせばいいのか、どんな対応をすればいいのか、どういう食材を口にしたらいいのかがわかる一冊です。
本書では、漢方家の櫻井大典先生の監修のもと、中医学の考え方を基本に、例えば、
・花粉が大量にとんでいる日
・むくみがひどくて重だるさを感じる梅雨の時期
・熱中症かも!?と思った日
・冷たい秋雨の日
・寒くて腰痛、生理痛が悪化する時期
など、お悩みのポイントに合わせ、通年を通して過ごしやすくするコツと食材を紹介し、
また、そのような食材を十分に取り入れるための美味しいレシピを紹介します。

主な著書・監修に『漢方的おうち健診-顔をみるだけで不調と養生法がわかる』(学研プラス)、『こころとからだに効く!櫻井大典先生のゆるゆる漢方生活』(ワニブックス)、『つぶやき養生』(幻冬舎)、『まいにち漢方』(ナツメ社)、『体をおいしくととのえる!食べる漢方』(マガジンハウス)など多数。
公式Twitter @ PandaKanpo







