【思春期から性教育を伝えるのはもう遅い?】
思春期の性教育を成功させる3つのポイント
「自分は性の知識があいまいだし、偏っているかもしれないし、思春期の子に性教育をするのは自信がないな」
もしかしたら 、そんなふうに思われたかもしれません。思春期の子どもへの性教育を考えるとき、大切なポイントが3つあります 。
ひとつめは 、親は「自分の性の知識は十分ではない 」という前提で伝えるということです。
ふたつめは、親の意見を押しつけないこと 。思春期の子から性の相談を受けるとき、自分の経験を話すのはOKです 。しかし、「女の子は〇〇なのに」とか「それは間違っている」というような意見の押しつけはNGです。
3つめは、「ふつう」という表現を控えること。「ふつう〇〇」という表現は、親の知識や体験に基づくものにすぎません。たとえば、「生理用品は紙ナプキンがふつう」だと母親が思い込んでいました。それを聞いた子どもは、自身で選択しにくくなってしまいますよね。
「ふつう」という言葉は、日常会話でよく使う表現ですよね 。
たとえば、「ふつうそんなことしないよね?」などという言い方を、親子や夫婦、またお友だちとの間ですることがあると思います 。
これは、自分が想像していることと相手の行動が異なるときなどに使う表現ですが、相手から「ふつうは〇〇だ」と言われると、「そうではない自分はおかしいのかな?」と思わせる圧力を伴ってしまいます 。
たとえば、「ふつうは生理用品に紙ナプキンを使うよね」というような選択肢の押しつけもあれば、「ふつうは遅刻しないよね」「ふつうはやることをやってから遊ぶよね」というような「自分のルールに従いなさい」という圧力もあります 。
また、「ふつうは男の子は女の子を好きになるよね」「ふつうは高校生のうちにはセックスしないよね」「ふつうは女の子ならスカー卜をはくよね」
このような性に関する表現については、生き方そのものを指摘されたようで、より刺さって聞こえませんか?
「性」という字は、「心が生きる」と書くように、生き方そのものです。人によって違うのが当たり前で、比べられるものでもありません。なのに、「ふつう」という言葉を使われてしまうと、自分の生き方そのものを否定された気持ちになることがあります 。
思春期の子の性教育に限らず 、子どもと向き合う親として、まず「ふつう」という言葉の使い方を見直してみませんか 。
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出典 『思春期のわが子と話したい性のこと』
マンガ すぎやまえみこ
※本記事は上記出典を再編集したものです。(新星出版社/向山)
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著書『おかあさんのための性教育入門』実務教育出版