2022.02.14

1日1分、教科書の名作で脳が若返る!
【音読にトライしてみよう ②「山のあなた」「春の朝(あした)」】

 前回、脳を元気にする音読のメリットについて解説しましたが、音読のテキストとして紹介した「枕草子」は、誰もが一度は教科書で目にしたことがあるでしょう。じつは、音読そのものに加え、昔懐かしい物に触れることによっても脳は活性化し、認知症の進行予防にもつながるとされています。このことは、1960年代、アメリカの精神科医、ロバート・バトラー氏が提唱した心理療法「回想法」として知られています。

 また、高齢者だけでなく、職場や家庭での責任が増え、知らず知らずのうちに受け身の生活となってストレスが溜まっている現役世代にとって、うつ病予防としても音読はおすすめ。若い方も高齢の方も、是非この機会に試してみてはいかがでしょうか。

 

本日のテキストは「山のあなた」「春の朝(あした)」

読み方のポイント【助詞を強調して読もう】

ここでは、助詞を強調した音読をおススメします。脳は名詞と助詞の差を感知しやすいので、「に、が、は、の」などの助詞を名詞よりも大きな声で読むことで、声がはっきりと脳に伝わり、文章が記憶しやすく、理解度が格段にアップします。そこで、掲載している作品の文章には、音読する際の参考にしていただくために、名詞やそれに準じる語句に接続している助詞に印を付けました。ゆっくりしっかり、発音しながら、繰り返し読むことで、脳全体が活性化する音読ができるようになるでしょう。

📖さっそく読んでみよう!

 

『山のあなた』

◆山のあなた…山の向こう側

◆涙さしぐみ、かへりきぬ。…(「幸」が見つからない失望で)涙をながしながら、帰ってきた

『春の朝(あした)』

◆日は朝、…日が昇って朝が来た

◆揚雲雀なのりいで…雲雀が鳴きながら飛び上がり

◆神、そらに知ろしめす。…神は天にいらっしゃる。

📝MEMO①
作品解説

「山のあなた」はドイツの詩人カール・ブッセの、「春の朝(あした)」はイギリスの詩人ロバート・ブラウニングの作品。上田敏の訳詩集『海潮音』で紹介され、日本ではここで紹介する上田の翻訳で愛誦されている。

 

【上田敏】1874(明治7)~1916(大正5)年…旧幕臣の子として東京で生まれ育ち、東京帝国大学英文科を卒業した詩人にして翻訳家。訳詩集『海潮音』や『牧羊神』で当時のヨーロッパで活躍していた詩人を多数紹介し、後進の文学者たちに多大な影響を与えた。

📝MEMO②読み方のポイント

日本の詩歌に用いられている五音と七音を上手に組み合わせて翻訳されており、西洋の詩でありながら親しみやすいリズムを持っているため、長歌を詠むような気分で音読してもよいでしょう。

出典『脳が元気になる!音読1日1分』

イラスト桜井葉子

 

本書は上記出典を再編集したものです。(新星出版社/向山)

脳が毎日元気になる!音読1日1分
加藤俊徳 監修/出口汪 監修(プロフィールは下記参照)
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加藤俊徳(カトウトシノリ)
脳内科医、医学博士。加藤プラチナクリニック院長。株式会社「脳の学校」代表。昭和大学客員教授。発達脳科学・MRI脳画像診断の専門家。助詞強調おんどく法、脳番地トレーニングの提唱者。小児から超高齢者まで1万人以上を診断・治療。14歳のときに「脳を鍛える方法」を知るために医学部への進学を決意。1991 年、現在、世界700 カ所以上の施設で使われる脳活動計測「fNIRS(エフニルス)」法を発見。1995年から2001年まで米ミネソタ大学放射線科でアルツハイマー病やMRI脳画像の研究に従事。ADHD、コミュニケーション障害など発達障害と関係する「海馬回旋遅滞症」を発見。帰国後、慶應義塾大学、東京大学などで脳研究に従事し、「脳の学校」(https://www.nonogakko.com/) を創業。現在、「加藤プラチナクリニック」を開設し、独自開発した加藤式MRI 脳画像診断法を用いて、薬だけに頼らない脳トレ処方を行う。

著書には、『アタマがみるみるシャープになる! 脳の強化書』(あさ出版)、『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き「選ばれた才能」を120%活かす方法』(ダイヤモンド社)、『頭がよくなる!寝るまえ1分おんどく366日』(西東社)など多数。
出口汪(デグチヒロシ)
関西学院大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。広島女学院大学客員教授、論理文章能力検定評議員、出版社「水王舎」代表取締役。現代文講師として、予備校の大教室が満員となり、受験参考書がベストセラーになるほど圧倒的な支持を得ている。また「論理力」を養成する画期的なプログラム「論理エンジン」を開発、多くの学校に採用されている。著書に『出口汪の「最強!」の記憶術』『出口のシステム現代文』『子どもの頭がグンと良くなる!国語の力』『はじめての論理国語』(以上、水王舎)、『源氏物語が面白いほどわかる本』(KADOKAWA)、『出口汪の「日本の名作」が面白いほどわかる』(講談社)、『東大現代文で思考力を鍛える』(大和書房)、『ビジネスマンのための国語力トレーニング』(日経文庫)など。(書籍刊行当時)
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