2022.02.07

感染症から身を守るためのこども衛生学
【感染症にはどんな種類があるの?】

学校で定められている感染症にはどんな種類があるの?

 病原体は、世界中にたくさん存在し、その数だけ感染症の種類があります。感染のしかたや感染力も、それぞれちがいます。学校では、感染症が流行する危険性をもとに、3つに分類して出席停止などの対応を決めています

分類の方法

 感染症の中でも、うつると危険なものや学校で流行しやすいものが「学校で予防するべき感染症の種類」として3つに分類されています。それぞれ学校へ行ってはいけない期間が決められています。

第1種とは

法律による感染症の分類の1類感染症と2類感染症をまとめたもの。人へうつしてしまう可能性が高く、かかったときの症状も重くなってしまう可能性が高い感染症が第1種に分類されています。また、過去に大流行したことがあり一度流行すると広がってしまう危険がある感染症もふくまれます。治るまで学校へ行くことはできません。

 

「感染症法における分類一覧」(令和3年3月3日改正)による。

①1類感染症(感染により命を落とす危険性が一番高く、注意が必要な感染症。エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘そう、南米出血熱、ペスト、マールブルグ熱、ラッサ熱)

②2類感染症(かかった時の症状は重いが、命を落とす危険性は1類感染症より低いもの。結核、急性灰白髄炎、ジフテリア、重症急性呼吸器症候群(SARS)、中東呼吸器症候群(MERS)、特定鳥インフルエンザ(H5N1、H7N9)

③3類感染症(感染する力や病気の症状の危険性は高くないが、集団感染を起こす可能性が高い感染症。コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症、腸チフス、パラチフス)

④4類感染症(人から人にうつることはないが、動物や飲食物から人にうつる感染症。A型肝炎、狂犬病、マラリア、オウム病、デング熱など)

⑤5類感染症(感染症の発生状況などの情報を国民や医師などの医療関係者に提供・公開することが決められている感染症。情報を公開することで、感染症が広がっていくのをふせぐ必要がある感染症が分類されている。インフルエンザ、麻しん、後天性免疫不全症候群、感染性胃腸炎、水痘、破傷風、急性出血性結膜炎、百日咳、風しん、流行性角結膜炎など)

・新型コロナウイルス感染症は、2類感染症と同等の扱いが指示されている。

第1種の種類

エボラ出血熱

クリミア・コンゴ出血熱

南米出血熱

ペスト

マールブルク病

□ラッサ熱

急性灰白髄炎

ジフテリア

重症急性呼吸器症候群(SARS)

中東呼吸器症候群(MERS)

特定鳥インフルエンザ(H5N1、H7N9)

新型コロナウイルス感染症

 

🚫出席停止

治癒するまで

第2種とは

 空気感染や飛沫感染する感染症のうち、子どもたちにかかりやすく、学校で流行する可能性が高いものが、第2種に分類されています。感染症の種類によって、いつから学校に行ってよいかが変わります。また、クラスや学校で、インフルエンザなど、同じ感染症にかかった人が一定の割合で出ると学級閉鎖や学校閉鎖になることがあります。

第2種の種類

□インフルエンザ(特定鳥インフルエンザ、新型インフルエンザなどを除く)

【🚫出席停止】発症してから5日たち、熱が下がって2日たつまで

□百日咳

【🚫出席停止】せきが治るまで、または5日間薬による治療が終わるまで

□麻しん

【🚫出席停止】熱が下がって3日たつまで

□流行性耳下腺炎

【🚫出席停止】耳の下やあごの下がはれてから、5日たち、元気になるまで

□風しん

【🚫出席停止】ほっしんがなくなるまで

□水痘

【🚫出席停止】すべてのほっしんがかさぶたになるまで

□咽頭結膜熱

【🚫出席停止】主な症状が消えて 2日たつまで

□結核、髄膜炎菌性髄膜炎

【🚫出席停止】医師が感染の危険がないというまで

第3種とは

 学校で流行しやすい感染症が第3種に分類されています。医師が、他の人にうつる危険がない、というまでは学校へ行ってはいけません。

第3種の種類

コレラ

腸管出血性大腸菌感染症

腸チフス

パラチフス

流行性角結膜炎

急性出血性結膜炎

その他感染症

 

🚫出席停止

医師が感染の危険がないというまで

📝MEMO

🏫学校閉鎖…学級閉鎖や学年閉鎖が何クラスも出たとき、学校自体が休みになること。

🏫学級閉鎖…クラスでインフルエンザなどの感染症にかかった人が一定の割合で出たとき、クラス全員が休みになること。学級閉鎖になる感染者の割合は、地域によってちがう。

🏫出席停止…病気が悪くなるのをふせぐだけでなく、他の人にうつさないために、学校に登校してはいけない状態のこと。

こども衛生学
宮﨑美砂子 監修(プロフィールは下記参照)
空気の入れ替えはなぜするの?ウイルスってばい菌なの?賞味期限がすぎたものは、食べちゃいけないの?

そのこたえは、みんな「衛生」に関係があります。
「衛生」とは、いのちや生活をまもるという意味です。わたしたちのまわりには、健康に悪影響を及ぼすいろいろなリスクがあります。インフルエンザなどの感染症はもちろん、身近な水、空気、食べ物の中にも、健康に悪い影響を及ぼすかもしれない要因があります。
自分やまわりの人をまもるために、それらについて知り、リスクをへらしていくことが大切なのです。

「衛生学」はとても幅広いですが、この本では、感染症予防の考え方、食べ物の安全など、子どもたちにとって身近な話題を扱っています。さらに、災害が起こったときに使える衛生学も紹介しています。監修は、公衆衛生看護学の第一人者、千葉大学大学院看護学研究科教授の宮﨑美砂子先生。子どもはもちろん、大人にも役立つ、一生使える衛生学の基本が身につく一冊です。
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宮﨑美砂子(ミヤザキミサコ)
千葉大学大学院看護学研究科教授。博士(看護学)。専門は公衆衛生看護学。健康教育、保健指導、地域づくりに携わる人材の育成に取り組む。

主な著書には、『最新 公衆衛生看護学(全3巻)』(編著、日本看護協会出版会)、『効果的な面接技術と事業展開から学ぶ保健指導』(編著、中央法規)、『公衆衛生看護学概論』(共著、メヂカルフレンド社)、『災害看護』(共著、南江堂)などがある。
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