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2025.02.12
【確定申告で損をしない 経費で落とせる領収書の種類とは】

①白紙の領収書をもらったが自分で金額を書いていい?

 領収書の中には、発行したお店や会社の名前が書かれているほかは、日付や金額などが空欄になっている、いわゆる「白紙の領収書」があります。

 

 この場合、金額欄に、実際に払った以上の額を自分で書き込めば、より多くの額を経費にすることができると思うかもしれません。また、実際の領収書とは別に、白紙の領収書をもらっておけば、あとから自分で、行ってもいない日付と、使ってもいない金額を書き込み、経費にすることができると思う人がいるかもしれません。

 

 ところが、そうはいきません。いうまでもなく、これらはいずれも明白な違法行為です。これがサラリーマンなら、業務上横領にあたります。

 

 また、個人事業主や1人社長が同じことをすると、事業で架空の経費を計上することになり、重大な仮払隠蔽行為で、法人税または所得税法違反となります。

 

 ただ、そこまで悪質ではないにしても、たまたま白紙の領収書を受け取るということは、あるかもれません。例えば、店主1人でやっている飲食店では、領収書を書いているヒマがなく、「自分で書いて」と白紙の領収書を渡されることがあるかもしれません。こちらは、忙しい店主に書かせるのも気の毒だからと受け取ってしまい、あとで自分で書き込む、といった場合です。

 

 でも、これも絶対にやってはいけません。「日付や金額が正しければ問題ないのでは」と思うかもしれませんが、このような行為は私文書偽造という、れっきとした犯罪になります。それなら自分で書かずに、奥さんに書かせればいいのでは――。いいえ、これだと奥さんを犯罪者にしてしまいます。

Answer

いけません。白紙の領収書に書くのは犯罪行為です。

白紙の領収書しかもらえなかったら

 もし、白紙の領収書を渡されたら、その場でお店の人に書いてもらうべきです。どうしても書いてもらえない事情があるときは、「領収書ではない別のもので経費を使ったことを証明する方法」を使ってもいいでしょう。あまりたびたびは使えませんが、1回や2回で、金額も大きくなければ、税務署に調べられても認められるはずです。ただし、インボイスではないため消費税に関しては認められません。

領収書ではない別のもので経費を使ったことを証明するには

 領収書が「ある」「ない」かが、経費で「落とせる」か「落とせない」かを決めるわけではありません。領収書がないと、税務調査で疑われるのではないかと、弱気になる人がいるかもしれません。しかし、前にも述べたように、仕事で使った経費を計上しないのは、節税以前に自分や会社のソンになります。領収書がないなら、別のもので経費を使ったことを証明する方法を考えましょう。

 

 そのためには、いうなれば「自分の足どりを残しておく」べきです。領収書がない経費を、出金伝票などに記入しておくのも、そのまま経費処理ができるからという理由だけではありません。領収書がない経費の、支出した金額、日時、内容などが、もれなく記録できるからです。これは充分に証憑(しょうひょう)としての役割を果たします。

 

  ですから、出金伝票をメモ帳代わりに持ち歩く人もいます。そして、電車に乗ったら車中で電車賃を記入し、出先の自販機で打ち合わせ用のお茶を買ったらその場で記入するのです。 そうすることによって、記録モレだけでなく、経理のために使う時間の短縮にもなります。

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本書を読めば、経費にできるモノ、できないモノがわかります!
インボイス制度にも完全対応!


【経費にできるモノがわかります!】
経費にできるモノの基本は「事業に必要かどうか」ですが、本当に認められるためには、そのことを「証明する」必要があります。
事業に必要なことをきちんと証明することができれば、それはすべて経費になります。
このことを知らずに、経費として処理できないモノが増え、結果、税金を多く払っている人は少なくありません。
本書では、どうすれば事業に必要なことを証明でき、経費として認められるかがわかります。

【インボイス制度にも完全対応!】
インボイス制度では、インボイスに登録していない事業主やお店で購入した場合、その消費税の一部が経費として認められません。つまり、買った側が損をしてしまうのです。
インボイスと認められるために必要なことや、インボイスとして認められない領収書を受け取ってしまったとき、また自動販売機での購入や割り勘なども、インボイス制度に合わせなければなりません。
本書では、このような、さまざまなインボイス制度への対応の仕方も解説しています。
また、インボイス制度には特例も多く、そもそも領収書やインボイスを必要としないモノもあり、これれについても解説しています。

【迷いそうな事例が満載!】
本書では、経費にできるのか、できないのか、按分するならどこまでなら許されるか? など、迷いそうな事例も多数挙げています。
たとえば、

 ・スマホ料金の注意点
 ・光熱費の現行引き落とししたときのポイント
 ・自宅を事業で使ったときに突っ込まれない按分
 ・SuicaやPASMOなどを使ったときの注意点
 ・クレジットカードを使ったときの落とし穴
 ・ボツになった企画の経費
 ・海外出張と海外旅行が交じっているとき
 ・プライベートと事業の経費のグレー部分があるとき
 ・電子帳簿法への対応

などの対応の仕方がわかります。
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関根俊輔(セキネシュンスケ)
税理士。
中央大学法学部法律学科卒。
優秀なビジネスマンや税理士を多数輩出する尾立村形会計事務所(東京都)で会計人としての修行を重ねる。
その後、関根圭一社会保険労務士・行政書士事務所(茨城県)にて、主に労働基準監督署や社会保険事務所の調査立ち会いや労使紛争解決等の人事業務、加えて、法人設立・建設業許可、遺産分割協議書や内容証明郵便及び会社議事録作成等の業務に携わる。
平成19 年には、共同で税理士法人ゼニックス・コンサルティングを設立。
現在は、学生時代から培った「リーガルマインド」を原点に、企業に内在する税務・人事・社内コンプライアンス等、経営全般の諸問題を横断的に解決する専門家として活躍している。著書に『個人事業と株式会社のメリット・デメリットがぜんぶわかる本』『個人事業を会社にするメリット・デメリットがぜんぶわかる本』(新星出版社)などがある。
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