著者 青木厚
【プロフィール】
医学博士。あおき内科さいたま糖尿病クリニック院長。
自治医科大学附属さいたま医療センター内分泌代謝科などを経て、2015年、青木内科・リハビリテーション科(2019年に現名称に)を開設。糖尿病、高血圧、脂質異常症(高脂血症)、生活習慣病が専門。
インスリン離脱やクスリを使わない治療に成功するなど成果を上げている。自身も40歳のときに舌がんを患うも完治。本書の健康法を実践し、がんの再発を防いでいる。著書『「空腹」こそ最強のクスリ』(アスコム刊)は40万部を超えるベストセラーとなる。
はじめまして。さいたま市で医師をしている青木厚と申します。もしかすると「16時間断食」という言葉で私のことをご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
実は私、大変な虚弱体質でありました。内科医ということもあり、診療で患者さんから風邪をもらってしまい、月に一度は風邪をひき、そのため月の半分は体調が優れない状態が当たり前でした。風邪をひきやすいということは、免疫力が弱いという証拠。案の定、40歳のときには、“舌がん”を患いました。幸い適切な治療で一命はとりとめたものの、このままでは長生きはできないなと思いました。
「なんとか、体質改善をして免疫力を高め、健康な体を手に入れたい!」
この思いから国内外の医学論文を読みあさり、古くからある民間療法を見つめ直すなどして、出会ったのが16時間断食、そしてこの本で紹介する感冷健康法(COOLアタック)でした。この2つの健康法により劇的に体質が変わり、“無敵”と言えるほどの健康体を手に入れたのです。
しかも、このCOOLアタックの効果は絶大でした。この方法を始めてから半年後には体調を崩してもすぐに回復するようになり、その後、体調を崩すことはほとんどなくなりました。COOLアタックは体に冷たい刺激を与えることで、基礎代謝量と免疫力を高めます。その効果はさまざまなところに及び、結果として若返りも叶うという究極のすごい健康法なのです。
まずは、あなたの今の健康状態を、次の表でチェックしてみてください。
健康になるための第一歩は、自分の体と向き合うことです。次の項目のうち、当てはまるものにチェックを入れ、体の状態を確認しましょう。
①がんを患っている、または患ったことがある。
②年に何度か風邪をひく。
③インフルエンザなど、季節性のウイルスに感染することが度々ある。
④糖尿病などの生活習慣病を患っている。または患ったことがある。
⑤健康診断などで生活習慣病予備軍と指摘されたことがある。
⑥体重や体脂肪率が年齢別の平均より高い。
⑦体重が増え続けている。または体脂肪率が上がり続けている。
⑧平熱が低い傾向にある。
⑨冷え性に悩んでいる。
⑩運動することが少なくなった。
⑪顔色が悪い、または肌の血色が悪い。
⑫慢性疲労を抱えていたり、朝起きたときに疲れが残っていたりする。
①~③にチェックが入った人
免疫力が低下している可能性があります。
④~⑪にチェックが入った人
基礎代謝量が低い傾向にあります。
⑫にチェックが入った人
免疫力と基礎代謝量のほか、自律神経のはたらきが低下している可能性があります。
また、それぞれの項目には関連性があるので、どれか1つでもチェックが入った場合は、健康体とはいえません。ぜひこのあと紹介するCOOLアタックを実践しましょう。
それではさっそく、今日から始められるCOOLアタックの実践法を説明していきます。無理のないところから始めて、「感冷」の手軽さをぜひ知ってください。
「水温20度前後のシャワーを、首から肩周辺に、20秒×3回当てる」というのがCOOLアタックの基本のやり方です。
🚿 水温は、20度前後
🚿 当てる場所は、首から肩周辺
🚿 時間は、20秒×3回の合計1分
🔹ストレスをかけない方法
🚿 体を温めて行う(冷たさが軽減される)
🚿 水温を上げてもよい
🚿 20秒以下になっても合計が1分になればよい
※注意事項
・動脈硬化性疾患を持っている方、高齢の方は要注意、実践する場合は医師に相談すること
・体調が悪いときは控える
シャワーを首から肩周辺に当てるのは、褐色脂肪細胞が存在し、感受性が高い部分だからです。気温が高い時期などでも「冷たい」と感じやすいのです。ただ、ほかの部位でも「冷たい」と感じられれば、交感神経がはたらき、細胞は活性化するので、肩から背中周辺にかけるのに心配や抵抗のある人は、ほかの部位に当ててもかまいません。
また、水温も20度前後としていますが、やってみて冷たすぎて続けられないようでしたら、水温を高めてください。
体温より低い温度であれば多少「冷たいなあ」と感じられるはずです。通常、40度前後の水温でシャワーや入浴をしていると思いますので、体温より低い温度にするには、少し下げるくらいの調整です。ヒートショックなど体に不安がある人も、こうした無理のないところから徐々に取り入れてみてはいかがでしょうか。
20秒はゆっくりとした深呼吸を3~4回行うくらいの長さですが、これも必ず20秒でなくてかまいません。もう少し短くして回数を多くし、合計1分程度にするなど、自身で工夫してもいいでしょう。
COOLアタックの基本のやり方では、冷たさを軽減するために水シャワーの前に体を温めていますが、それも必須ではありません。体を温めずに水シャワーから始めてもかまいませんし、体を温める場合でも湯船に浸からずに温かいシャワーですませてもいいでしょう。とにかく合計1分を目安とし、気持ちよく続けられるようにアレンジしてみてください。
COOLアタックのやり方は、普段の入浴スタイルに沿うことを目的にしたものです。試してみるとやみつきになる気持ちよさがありますので、神経質になりすぎずに取り組めば、自然と習慣になっていくことでしょう。
COOLアタックは、1日のどの時間帯に行ってもかまいません。また、複数回行うことも問題ありません。私の場合は一日の終わり、仕事を終えて家に帰ってからの入浴タイムにCOOLアタックを取り入れていますが、例えばウォーキングのあとのシャワータイムや、朝風呂のついでにも行うことがあります。
慣れてくると、それまで「冷たい」と感じていたシャワーの水が心地よくなってくると思います。行ったあとは水を浴びたのに「体が温まっている」と感じる人も多いようです。実際、私ははじめて行ったときから、それを感じました。COOLアタックを実行し、浴室から出ると、体の中心部がジンジンとして、心から体温が上がってきている感覚になったのです。
また、ある体験者からは「軽い日焼けをしたときのように、1時間くらい背中がヒリヒリし、活力が出てくる感じがした」という感想もありました。体温の上昇を感じられるかは個人差があります。ここまでの体感がなくても、「冷たい」と感じていれば交感神経がはたらいて、免疫力や基礎代謝量が高まっているはずです。
COOLアタックによる精神面の変化についてはここではお伝えしませんが、私は毎度「スッキリした」という感覚になります。これは暑い時期も寒い時期も同じように感じています。
水のシャワーをかけるのですから、夏から始めたいと思う人も多いでしょう。もちろんCOOLアタックはいつから始めてもかまいません。
一方、気温の低い冬場でのCOOLアタックに抵抗を感じる人もいるかもしれません。ただ、この寒い時期こそ、COOLアタックを行うのに絶好の時季なのです。
私たちの体は、外気の温度が変わっても体温を36度前後に保つために、熱産生を行っています。体温と気温の差が少ない夏場は、少ないエネルギー消費量で体温を保てるので、実は基礎代謝量は低めになります。逆に秋から冬は、体温よりも気温がぐっと低くなるので、体が体温を保てるよう、つまり基礎代謝量が高くなります。これにCOOLアタックを組み合わせれば、さらに基礎代謝量を高めることができるわけです。
寒い時期は活動量が減って太りやすい、また乾燥していて肌が荒れやすいということはありませんか? 見た目の若返りを求める人も、寒い時期のCOOLアタックがピッタリです。
風邪やインフルエンザなどの感染症が流行するのも冬が多いですよね。この時期には免疫細胞を活性化するCOOLアタックで免疫力を高めておきたいものです。
繰り返しになりますが、COOLアタックはいつから始めてもかまいません。この本を読んだのが寒い時期であれば、暖かくなるのを待たずに行っていただきたいのです。
今日が、COOLアタックの開始日になってくれたら嬉しいです。
🔶基本のやり方
✅水温は、20度前後
✅当てる場所は、首から肩周辺
✅時間は、20秒×3回の合計1分
🔹ストレスをかけない方法
✅体を温めて行う(冷たさが軽減される)
✅水温を上げてもよい
✅20秒以下になっても合計が1分になればよい
※注意事項
✅動脈硬化性疾患を持っている方、高齢の方は要注意、実践する場合は医師に相談すること
✅体調が悪いときは控える
以上を踏まえて実践したら、ぜひ体の変化を感じとってください。一番早く変化が表れるのは、基礎代謝量の高まりでしょう。
続けていると、代謝がよくなることで肥満度が減少したり、肌や髪の毛にツヤやハリが出たり、内臓の調子がよくなったり、きっとその変化を実感できると思います。
体験者の中には、「健康効果をすぐに実感できなくても、気持ちいいから続けている」という人もいましたが、やはり効果を感じられるのは嬉しいものです。健康法を実践することは、自分と向き合うことです。健康な状態に変化したことがちょっとでも感じられると、健康意識はより高まってきます。あなたも「今日より明日」の健康を目指して、続けてみてください。
📕COOLアタックがなぜ効くのか? そのメカニズムと効用についてもっと知りたい方は、ぜひ本書をお読みください。
出典『青木式 すごい「感冷」健康法』
本記事は、上記出典を再編集したものです。(新星出版社/向山)
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ポイントは眠っている免疫細胞と褐色脂肪細胞を呼び覚まして活性化させること。
毎日わずか1分で、若々しく病気しらずの元気で代謝のよい体へと導きます。
本書では最強の健康法“青木式COOLアタック”のやり方から効果、効果を証明するメカニズムまでわかりやすく解説します。
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