2024.05.24

🏠不動産業界で働くなら知っておきたい! 不動産取引のプロ、「宅建士」の仕事とは?

 ここからは、宅建業者はどうやって売上げを得ているのか? について説明します。 

取引が不成立なら売上げはゼロ!

 宅建業者の売上げとは、いったい何でしょうか。答えは、仲介手数料です。

 

 仲介手数料は、いわば成功報酬です。売買取引が成立すればもらえますが、成立しなければ、どれだけの手間ひまをかけても、売上げはゼロになってしまいます。

 この仲介手数料は、受け取れる上限が、国の法律で決められています。

仲介手数料の上限

🏠~200万円以下→売買金額の5%+消費税

🏠200万円超~400万円以下→売買金額の4%+2万円+消費税

🏠400万円超~→売買金額の3%+6万円+消費税

「両手」と「片手」では倍の差がつく!

 では、ここで問題です。もしも3,000万円の物件の売買取引が成立したら、あなたの会社にはいくらの仲介手数料が入ってくるでしょうか。

 

 「3,000万円の3%分に、プラス6万円だから、96万円⁉」

 そう思いますよね。じつはこれ、あなたの会社と、売主、買主の関係によって、大きく変わってしまうんです。

 例えば、ある売主が、あなたの会社に物件の依頼をしたとします。もしも、あなたの会社が自社で買主を見つけてきて、売買契約を成立させたら、その仲介手数料は売主からも、買主からももらえるのです。各96万円ですから、合計192万円の売上げですね。業界ではこれを「両手」といいます。

 また、別の不動産会社B社が買主を見つけてきた場合は、あなたの会社が受け取れる仲介手数料は売主からの分だけです。買主からもらえる手数料は、B社へ入ります。

 

 業界ではこれを「片手」と呼んでいます。両手と片手では、売上げに大きな差がつきますが、会社や自分の利益を優先して、お客様に不利益をもたらしてまで両手をねらうようなことをしてはいけません。

不動産取引は多くの法律が関わる

宅建業は、宅建業法で規制されていますが、土地・建物に関わる法律はそのほかにもたくさんあります。その中で、宅建士が仕事をするうえで特に注意しなくてはならないのが、都市計画法と建築基準法です。さらに、比較的新しい法律で注目したいのは、住宅瑕疵担保履行法です。これはもともと、品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)というのがあり、新築住宅に瑕疵(つまり欠陥)があった場合、売主である施工会社などは10年間に渡って修理や賠償の責任を負わなくてはなりません。これを、「瑕疵担保責任」といいます。

 

 ところが、もしも当の売主が倒産してしまったら、この法律は意味がなくなってしまいます。現実にそうしたケースが少なくなかったため、万一倒産しても瑕疵担保責任を果たせるように、売主に保険の加入などを義務づけたのが、この新しい法律です。

不動産をめぐるさまざまな法律

 宅建業法や都市計画法、建築基準法のほかにも、不動産をめぐる法律にはさまざまなものがあります。

 

🔹土地区画整理法

 未整備な市街地において、土地の区画や形状を整理し、良好な宅地を供給するとともに、道路や公園、下水道などの都市基盤の整備をはかる事業を「土地区画整理事業」といい、この事業の施行に関する取り決めがされている法律。

 

🔹国土利用計画法

 土地の投機的な取引や乱開発を防止し、国土の計画的な利用を目的とした法律で、一定規模以上の土地の売買について届出義務を課している。

 

🔹不動産登記法

 不動産登記の対象となる権利や、登記の内容、手続きの仕方などを定めた法律。

 

🔹区分所有法(建物の区分所有等に関する法律)

 区分所有建物(分譲マンションなど)における権利関係や、管理に関することを定めた法律。マンション管理組合の規約や運営、建物の修繕、建替えなどについても規定がある。

 

🔹宅地造成規制法

 崖地などの造成を行う際のルールを定めた法律。

 

宅地建物取引士(宅建士)の資格を取るには

 不動産の販売、仲介業務には、宅建士の資格が欠かせません。重要事項説明など、宅建士だけに認められる業務があるからです。

 宅建士は国家資格で、試験は年に1度だけ。受験者数の大変多い試験として知られており、毎年の受験者数は20万人前後。受験資格に年齢制限がないので、学生時代に資格を取得する人もいます。

 資格試験に合格すると、すでに宅建業で2年以上の実務経験があるか、実務講習を受けた人は、都道府県知事の登録を行い、宅建士証が交付されます。 

 

 不動産業界に興味のある方や働き始めた方は、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

 今回は、『改訂3版 超入門不動産の教科書』から、宅建士について解説しました。本書では、専門的で、わかりづらいとされる「不動産」の取引の基本知識を、豊富な図版とイラストを用いてやさしく解説しています。ぜひ参考にしてくださいね。

出典『改訂3版 超入門不動産の教科書』

本記事は、上記出典を再編集したものです。

アイキャッチ画像 Shutterstock.com

超入門  不動産の教科書  改訂3版
徳本友一郎 著(プロフィールは下記参照)
 専門的で、わかりづらいとされる「不動産」の取引の基本知識を、豊富な図版とイラストを用いてやさしく解説した、業界新人、とくに営業パーソンに向けた入門書です。
 仕事についたばかりの新人が、真っ先にとまどうのが「物件調査」。不動産売買のキホンとなる業務です。本書では、経験豊富な著者が提供する調査ノウハウをもとに、現地調査と官公署調査の両面から、それぞれの調査内容と手順、初心者が陥りやすい落とし穴などを、具体的に解説していきます。
 また、本書の大きな特長の1つが「資金計画」の解説です。ローンの有利な設定方法など、購入希望の顧客に資金面での有効なアドバイスができれば、営業マンにとって大きな武器となります。ビギナーでもラクにできる、顧客が安心して「任せたい」と思える資金プランの構築の仕方を、CFPの資格をもつ著者ならではの視点で、丁寧に説明します。
 もちろん、物件の「価格査定」から、広告出稿・現地案内などの「販売活動」、そして「売買契約」に至る一連の各業務についても、より実践的に解説しました。先輩の背中を見て覚えることの多い不動産営業の世界で、1日も早く独り立ちするために活用してほしい「やさしい教科書」です。
 なお、 2022年5月に改訂・施行された宅地建築物取引業法に対応しています。
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徳本友一郎(トクモトユウイチロウ)
1967年生まれ。株式会社スタイルシステム代表取締役。宅地建物取引士、不動産コンサルティングマスター、CFP(R)の資格を保有。成蹊大学在学中に宅地建物取引主任者資格(現在の宅建士)を取得し、卒業後、都内の中堅不動産仲介会社に入社。以来、不動産売買業務を専門に行う。
支店長、法人事業部責任者を歴任後、ファイナンシャルプランナーの上級資格であるCFP(R)を取得し、平成16年、東京・渋谷区恵比寿に株式会社スタイルシステムを設立。1都3県を活動範囲として、不動産コンサルティング、マイホーム取得検討者の資金相談、不動産売買仲介業務、不動産調査などを行っている。
住宅関連のセミナー講師を数多く務めるほか、TV、雑誌等のメディアでも活躍中。

👉株式会社スタイルシステム・ホームページ
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