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2026.08.31
【KADOKAWA ダ・ヴィンチWeb レビューコーナー】

File No.35 【暑くて料理をしたくない日に】レンチン12分で完成する、簡単カレーと肉じゃがを作ってみた。プロが教える9つのレンチンテクとは?【書評】

 いまや時短料理に欠かせないレンチン調理。その第一人者と言われるのが、料理研究家・管理栄養士の村上祥子さんです。600冊を超える著書の中でも新星出版社から刊行された『村上祥子の 簡単レンチンレシピ160』は、レンチンレシピが160種類も紹介されています。うまく使いこなせるなら、暑い日に火を使わなくてもいいかもしれません。

 実際に作ってみたら、わが家に欠かせない1冊だと実感しました。

材料をぜんぶ入れ、ワンボウルでレンチン

『村上祥子の 簡単レンチンレシピ160』より

 最初に作ったのはチキンカレーです。鍋だと30分ほどかかる煮込み時間を、レンチンなら12分に短縮できるのが大きな魅力。さらに嬉しいのは、材料をすべて耐熱ボウルに入れてレンチンするだけという簡単さです。

 

 材料はいつもと同じ。違うことといえば、材料を小さめにカットすることくらいでしょうか。カレールウはフレーク状のものか、ルウを刻んだものを使用。これらをぜんぶ耐熱ボウルに投入します!

写真 吉田あき

 さて、ここからが村上先生のテクニックが光るところ。本書には9つのレンチンテクが紹介されており、そのひとつが「端あけラップ」です。ボウルにラップをするときに両端を5mm程度あけることで蒸気を逃し、吹きこぼれを防ぎます。鍋でも同じようなことをしますよね。カレーやシチューのように水分量の多い料理に使えるワザです。

写真 吉田あき

 材料を入れた耐熱ボウルを12分レンチンしたら…本当にカレーができてしまいました。こんなに簡単でいいの? これなら疲れていても何も考えずに作れそうだし、ボウルに材料を入れておけば、家族がいつでもレンチンして熱々を食べられますね。

写真 吉田あき
浸水なし、蒸らしもなしで、ふっくら!
写真 吉田あき

 カレーフレークが余ったのでドライカレーにも挑戦。ボウルの中にお米も入れてしまいました。お米の浸水も蒸らしもなしで、レンチン時間は20分。最初の8分で沸騰させたあと、解凍キーか弱(150〜200W)に切り替えて12分加熱します。沸騰させるからお米も炊けるというわけですね。ふっくら美味しくて特に好評だったレシピ。すぐにできる一品ごはんとして、休日ランチなどにどうですか?

牛肉の香ばしい旨みをレンチンで実現

『村上祥子の 簡単レンチンレシピ160』より

 玉ねぎ、にんじん、じゃがいもが余っていたので、肉じゃがも作ることにしました。

 

 材料を耐熱ボウルに入れるときのテクとして、最初に牛肉と調味料を入れました。牛肉にしょうゆと砂糖を絡めてレンチンすると、「メイラード反応」によって肉を炒めたような色と香りが出るそうです。これ、あとで食べたとき、本当に感激しました。

写真 吉田あき

 ラップの使い方その2「ふんわりラップ」。すなわち「ラップを大ざっぱにかける」テクニック。ラップはレンチンすると縮むため、ぴっちりかけると破裂してしまいます。だから、ラップはふんわりとかければOK。水分量の多い料理に使う「端あけラップ」に対し、「ふんわりラップ」は水分量の少ない料理に向いているそうです。

写真 吉田あき

 12分のレンチンで完成しました。じゃがいもほくほく、味しみしみ! これさえ食べておけばタンパク質も野菜もとれる安心の一品。「メイラード反応」を活用すれば「肉豆腐」や「牛肉のしぐれ煮」もできちゃいます。

もう一品ほしいときは「1分温泉卵」を

 もうひとつ感動したのは、ゆで卵や温泉卵なら、約1分という短時間で完成することです。育ちざかりの息子のおなかがすぐにすいてしまうので「1分温泉卵」を作ってみることにしました。

 カップに水と卵を入れてふんわりラップをしたら、50秒レンチン。卵が大きい場合はあと10秒レンチンします。

写真 吉田あき

 チンできたら、めんつゆをかけてできあがり。息子はおかわりするほど気に入ったようです。もう一品足りない…というときのお助けレシピにもいいですね。

写真 吉田あき
ハレの日もケの日も、揚げも蒸しも

 本書の特徴は、定番メニューが揃っているところだと思います。和洋折衷、普段使いできる料理のレパートリーが増えるのは嬉しいこと。もちろん、ハレの日に作るようなごちそうもあります。たとえばローストビーフは、牛塊肉に油を塗って塩をふると、外側の塩に電磁波があたってレアに仕上がるというすごいレシピ。

『村上祥子の 簡単レンチンレシピ160』より

 

 お魚派には「たいのクリームスープ」もおすすめ。牛乳・コンソメ・バターを入れたボウルでたいをレンチンし、片栗粉でとろみをつけるというテクニック。レンチン時間は9分!

『村上祥子の 簡単レンチンレシピ160』より

 レンチン調理では、小皿、キッチンペーパー、アルミなども活用して調理します。小皿で耐熱容器を持ち上げて裏側にも火を通せば「から揚げ」ができるし、ラップ+アルミの2種使いで「茶碗蒸し」もできます。できない料理はないんじゃないかと思うほどです。

『村上祥子の 簡単レンチンレシピ160』より

 暑い日に火を使わなくてもできるし、火加減を見なくてもいいから料理が苦手な人でも簡単に調理できる。さらに食材の栄養を逃さず、油・塩分控えめにもできる…など、レンチン調理のメリットは時短以外にもたくさんあるようです。

 わたしがいちばんメリットを感じたのは、レンチン中は手が空いていること。いつもは仕事と家事を終わらせてクタクタになりながら夕飯を作っているので、レンチンしながらソファにごろんとしている時間は至福でした!

『村上祥子の 簡単レンチンレシピ160』より

 というわけで、わが家には今、このレシピ本がレンジのそばに置かれています。冷蔵庫の中にあるもので簡単に今日のごはんが作れますよ。

調理・写真・文=吉田あき

村上祥子の簡単レンチンレシピ160
村上祥子 著(プロフィールは下記参照)
★火を使わなくても料理はできる!★
レンチン調理の第一人者村上祥子先生の集大成が完成!

レンチンなら
1:調理が簡単
準備は材料の下ごしらえだけ。あとは電子レンジにおまかせ。

2:短時間でできる
短時間で火を通すから調理時間が短縮。

3:食材の栄養を逃さない
少ない水分または水をまったく加えずに調理するから、栄養分を逃さない。

4:火を使わないので安全
火の消し忘れ、火が燃え移らないから安全に調理可能。夏場の火を使いたくない時期にもオススメ。

5:片付けが楽
余分な調理器具も使わないから洗い物も少ない。

とメリットがたくさん!
電子レンジ調理を活かし、忙しい人や働くママ、シニアのための簡単調理のレシピ本です。
レンチンの基本から全部レンチンでできる大ボリュームのレシピ集!
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村上祥子(ムラカミサチコ)
料理研究家。管理栄養士。公立大学法人福岡女子大学客員教授。1985年より福岡女子大学で栄養指導講座を担当。治療食の開発で、油控えめでも一人分でも短時間においしく調理できる電子レンジに着目。以来、研鑽を重ね、電子レンジ調理の第一人者となる。糖尿病、生活習慣病予防改善のための栄養バランスのよい、カロリー控えめのレシピ、簡単にできる一人分レシピ、日本型食生活を子どものうちから身につけるための三歳児のミニシェフクラブ、保育所、幼稚園、小学校の食育出前授業など、あらゆるジャンルに電子レンジテクを活用。2025年、第33回福岡県文化賞(社会部門)受賞。これまでに出版した単行本は600冊を超える。
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