2026.06.30
【KADOKAWA ダ・ヴィンチWeb レビューコーナー】

File No.33 冷たいビールを飲んだ後は「温かいお茶を一杯」。“その日の冷えをその日のうちにリセット”が夏バテ防止に効く!? 夏の養生レシピを紹介【書評】

 うだるような暑さや冷房の効きすぎで調子を崩しがちな夏、薬膳の考え方を取り入れるのはどうでしょうか。『心と体をいたわる 春夏秋冬 季節の漢方生活』(櫻井大典:監修/新星出版社)では、暮らしの知恵や薬膳で、夏の心と体をととのえる方法を教えてくれます。監修は、すぐに実践できる中医学で人気の漢方家の櫻井大典さんです。

夏バテの理由は「暑さのせい」だけじゃない

 そもそも、どうして夏バテするのでしょうか?

 本書によれば、夏に体がだるくなるのは暑さのせいだけではないそうです。夏バテの原因として3つの理由が紹介されていました。

◎暑さによって汗をかき、エネルギーやうるおいが消耗しやすい
◎寝苦しい夜が続き、疲れを回復する力が落ちる
◎冷たい飲み物や食べ物で胃腸が弱り、エネルギーを作れなくなる

 この3つが重なると、体が気づかないうちに疲れを溜め込み、「だるい」「疲れが抜けない」といった夏バテの症状があらわれてくるようです。

冷たいビールの後は「温かいお茶」でリカバーを

 冷たい飲み物や食べ物で胃腸が弱る、と聞いてドキッとしました。暑い日、どうしてもキンキンに冷えたビールやアイスコーヒーを飲みたい時ってありますよね…。

 そんな方に朗報! どうしても飲みたい時は少量だけにして、その後に「温かいお茶を一杯」飲めば、冷たいものの影響がやわらぐそうです。

 とはいっても、冷たいもののとりすぎは、手に氷を握り続けていたら冷たくて痛くなるのと同じこと。軟便や下痢、食欲不振につながりやすく、夏バテも長引きやすいようなので、くれぐれも飲みすぎないように…と肝に銘じました。

夏バテかな!? と思ったら…「緑豆もやし」の簡単レシピ

 

 本書には季節ごとの養生レシピも載っています。夏バテかな!? と思った時に体を回復するのに役立つのが「焼きさばと緑豆もやしの南蛮漬け」。緑豆もやしが体の余分な熱を逃し、疲れた体をやさしくいたわってくれるそうです。お手頃な値段で手に入れやすいのも嬉しい食材。すぐにできそうな簡単レシピなので、冷たい食事が続いた後やエネルギー不足を感じた時に試してみたいです。

冷房疲れは「42°Cのお風呂に10〜15分」でリセット

 外は暑いのに「室内でお腹が冷える」「腰回りが重だるい」という違和感の原因は、「冷房冷え」であることが少なくないようです。放っておくと血の巡りが滞り、だるさが抜けにくくなってしまうとか。そこで役立つのが入浴。暑すぎのお風呂や長湯は避け、「42℃のお風呂に10〜15分」で体の内側までじんわりと血を巡らせるのがいいそうです。暑いからシャワーだけ…と面倒がらずにしっかり入浴したいですね。

だるさが抜けない時は…あっさり食べられる「なすのくたくた煮」

 それでも体のだるさが抜けない時は、「なすのくたくた煮」を試してみては?

 なすには、体にこもった熱を逃しながら血の巡りをととのえる働きがあるのだとか。さらに、なすを煮る時に加えるみりんは、お腹を温めて消化を助ける効果アリ。食欲がない時にもあっさりとして食べやすい、旬の野菜による一品。カットして煮るだけの手軽さも助かります。お出汁シミシミのなすがおいしそう…。

「その日のうちにリセット」で冷えを溜めない

 本書には、季節ごとの養生やレシピに加え、「クヨクヨしやすい=気が足りない状態(気虚)」、「よく忘れものをする=血の巡りが悪い状態(瘀血)」など自分の体質を知ることができるチェックリストや、現在の五臓(肝・心・脾・肺・腎)の健康度がわかるチェックリストなども載っています。自分のタイプや現在の体の状態を把握した上で、日々の中で簡単に実践できる食事や暮らしの的確なアドバイスが得られますよ。

ちゃんとやらなくていい。
少し思い出して、少し選び方を変えるだけ。
それだけで、体は案外、ご機嫌を取り戻します。
――『心と体をいたわる 春夏秋冬 季節の漢方生活』はじめにより

 中医学や薬膳、漢方には難しいイメージを持っていましたが、監修を務めた櫻井大典さんの言葉から、そうではないことが伝わってきました。

 本書によれば、夏の養生で大切なのは、体を冷やさないことより、冷えを溜め込まないことだといいます。体が冷えそう、疲れが溜まりそう…と思ったら、夏バテになってしまう前に、温かいお茶や適温のお風呂でリセットを。「その日の冷えをその日のうちに」を心がけようと思います。

文=吉田あき

季節の漢方生活
櫻井大典 監修(プロフィールは下記参照)
季節の変わり目や天気が崩れる前の日など、なんとなくだるかったり体調が悪くなったりする方も多いのではないでしょうか。

そんなとき、どのように過ごせばいいのか、どんな対応をすればいいのか、どういう食材を口にしたらいいのかがわかる一冊です。

本書では、漢方家の櫻井大典先生の監修のもと、中医学の考え方を基本に、例えば、

・花粉が大量にとんでいる日
・むくみがひどくて重だるさを感じる梅雨の時期
・熱中症かも!?と思った日
・冷たい秋雨の日
・寒くて腰痛、生理痛が悪化する時期

など、お悩みのポイントに合わせ、通年を通して過ごしやすくするコツと食材を紹介し、
また、そのような食材を十分に取り入れるための美味しいレシピを紹介します。
購入はこちら
櫻井大典(サクライダイスケ)
漢方家。日本中医薬研究会会員。漢方薬局の三代目として生まれる。アメリカ・カリフォルニア州立大学で心理学や代替医療を学び、帰国後、イスクラ中医薬研修塾で中医学を学ぶ。中国・首都医科大学付属北京中医医院や雲南省中医医院での研修を修了し、国際中医専門員A 級資格を取得。年間5000 件以上の相談を応じる傍ら、Twitter ではやさしくわかりやすい養生情報を日々発信して、これまでの漢方のイメージを払拭。フォロワー数は15 万人超で、老若男女問わずファンを増やしている。
主な著書・監修に『漢方的おうち健診-顔をみるだけで不調と養生法がわかる』(学研プラス)、『こころとからだに効く!櫻井大典先生のゆるゆる漢方生活』(ワニブックス)、『つぶやき養生』(幻冬舎)、『まいにち漢方』(ナツメ社)、『体をおいしくととのえる!食べる漢方』(マガジンハウス)など多数。
公式Twitter @ PandaKanpo
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