健康を維持し、いつまでも若々しい体を手に入れるには、糖質についての正しい知識を持つことが大切です。そこで今回は、『決定版 糖質オフの教科書』から、牧田善二先生が教える正しい糖質オフについてを解説します。
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健康診断でも問題はなく、そこそこ健康に気をつかっている。
「自分は健康」と安心しているかもしれませんが、実はあなたの健康状態は「黄信号」かもしれません。
せっかく「体によい」と思うことを実行していても、それが正しい「糖質」の知識に基づいていないと、残念ながらよい結果につながりません。それどころか、健康を害することもあるのです。
簡単なYES・NOテストであなたの健康状態(=糖質への理解度)を調べてみましょう。
Q1 栄養バランスを考えて、一汁三菜(ご飯などの主食のほか汁物とおかず三品)を守っている。
Q2 三食決まった時間にキッチリ食べる。お腹が空いてもガマン!
Q3 糖質ってよくないんでしょ? ビールはもちろん糖類オフをチョイス。
Q4 肉はレアではなく焼いてあるほうが好み。
Q5 脂質は太るので摂らない。
Q6 ジムでトレーニングのあとは筋力アップのプロテインを飲む。
Q7 糖質オフは筋肉が落ちるのでやりたくない。
Q8 昼食後はかなり眠くなる。
Q9 ストレス解消には甘いものを食べること。
Q10 「AGE※」という単語は聞いたことがない。
※AGE=タンパク質と糖質を同時に加熱すると発生する物質。細胞レベルで老化を加速させ、糖質の摂りすぎがAGEを増やす。
😊YESの数が1個以下…健康に問題なし!
😞YESの数が2~3個…やや危うい感じ。「糖質オフ」の健康効果をぜひ知って!
😲YESの数が4個以上…かなり危険。次に挙げる「糖質オフ実践ポイント」を即実行!
💡ポイント1…主食を控え、代わりにおかずを増やす。
💡ポイント2…お腹が空きすぎるのはNG。食間には糖質の少ないおやつをつまむ。
💡ポイント3…肉、魚、野菜は生か低温加熱で食べる。
💡ポイント4…AGEが大量発生する高温調理は避ける。
📝糖質を制限すると低血糖になる?
糖質はブドウ糖に分解されて、全身の細胞の大事な燃料となります。そのブドウ糖の量が減って低血糖になってしまうと体がうまく動かなくなるので、血糖値を上げるためのホルモンが出動して血糖値が下がり過ぎないようにしてくれるのです。
血糖値を上げるホルモンは複数あるので、低血糖になる心配はありません。また、低血糖を防ぐために肝臓にストックした糖も使用されます。
ただし、糖質中毒になっていて糖質をたっぷり摂ることが習慣化していると、低血糖になるリスクが上昇します。それこそ毎食後、血糖値スパイク(血糖値が急上昇し急降下すること。血糖値が大きく乱高下すると血管が大きなダメージを受けてしまう)を繰り返しているような食生活を送っていると、反応性低血糖症になる危険があるのです。糖質オフによって糖質の過剰摂取にストップをかけることで、反応性低血糖症にブレーキをかけることができます。
📝糖質オフってお腹すかない?
糖質オフは簡単に体重を落とせます。試しに今日から夕食だけ主食を抜いてみてください。早い人では翌日には体重が減っているでしょう。
こんなにあっけなく痩せられると、なにか裏がありそうですよね。例えば「強烈な空腹感があるのでは?」とか。でも、糖質こそ減らしますが、魚・肉、野菜はしっかり食べても大丈夫です。
もし、空腹を感じたときは、糖質が少ないナッツや高カカオのチョコレートなどをおやつに食べても問題ありません。
空腹をガマンするという従来のダイエットにありがちな苦痛がないのは画期的といえるでしょう。簡単で効果は抜群、なによりガマンと無縁なのが「糖質オフ」のダイエットの魅力です。
ただし、「糖質以外を目一杯食べてもよい」というわけではありません。最新の研究では「腹八分目」よりも「腹七分目」が健康によいことがわかっています。
📝生野菜をひんぱんに食べていたら代謝が落ちて太りやすくなるのでは?
生で食べられるものは生で。調理はなるべく低温で短時間。消費しきれない糖質が体内でタンパク質と結びついてAGEをつくるのを避けるため、糖質は控えめに。これが健康で若々しく生きる「食」のあり方です。そのため、生野菜はとても理に適った食事です。長きにわたって動植物を生食してきた人類にとってサラダは体にも合った食べ方。代謝が落ちることはないので安心してください。
📝高温調理がAGEを増やす
免疫力のキープ、AGEの抑制のためには、糖質を避け、自然のものではない化学物質を避けることに加えて、調理法にもこだわりをもちましょう。最もAGEを増やすのが「高温調理」で、温度が高いほど、調理時間が長いほど、AGEが増えるのです。生で食べられる食品であれば、なるべく生で食べ、加熱が必要なら「低温で短時間の調理」。具体的には、「ゆでる・煮る・蒸す」のいずれかの調理法であれば安心です。
「ゆでる」と「煮る」のちがいを説明しておきましょう。「ゆでる」はお湯で食材に火を通すこと。「煮る」は調味料を加えたお湯で加熱しながら味つけもします。水を使う調理は温度が上がっても100度で済み、油を用いたときのように高温に達してAGEを大量発生させることがありません。
摂りすぎた糖質は脂肪になって蓄積されますが、脂肪そのものが体に悪いわけではありません 。多すぎると問題なだけで 、そもそも脂肪は体にとって必要なものです 。
脂肪には寒さ暑さから体を守る「 断熱材」、外部からの衝撃をやわらげる「 緩衝材」のほか 、臓器の位置を保つ働きまであるのです。
しかし 、脂肪が多すぎて肝臓にたまると「 脂肪肝」に 、皮下組織でたまると「肥満」になってしまい 、その他、さまざまな病気を引きおこします。
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出典『決定版 糖質オフの教科書』
本記事は、上記出典を再編集したものです。(新星出版社/向山)
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