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2020.09.10

選んで買うだけ!
知らないと恥ずかしい「投資信託」の基本

 投資信託とは、その名のとおり「投資を信じて、託す」ものです。

 

 投資家は「これがいい」と思った投資信託を買って、お金を預けるだけ。

 そのお金を元手に、投資をして利益を上げる、つまり「お金を運用する」のはプロの役割です。

 

 このプロにあたるのが「運用会社」です。運用会社は、株や国債など、何に、どのように投資するかという運用方針を決めて、いろいろな投資信託をつくります。投資家はその中から自分に合ったものを選んで購入し、あとは運用の専門家が期待どおりの成果を上げて儲けさせてくれるのを待てばよいのです。

投資信託はどこで、いくらで買える?

 投資信託を取り扱う販売会社は、銀行や信用金庫、証券会社などの金融機関です。ゆうちょ銀行でも取り扱っているので、最寄りの郵便局でも買うことができます。

 

 また、金額的にも気軽に買えます。投資信託を買うには、スポット(一括)で買う方法と、「積立て」で買う方法の2つがありますが、スポットなら1万円程度から、積立てなら月々100円~1000円程度から買えます。

 どこで買ったらいいかは、予算はいくらぐらいで、どんな投資信託を買いたいかで変わってきます。

儲けの基本は「安く買い、高く売る」

 株など、値段(株価)が刻々と変わる投資の基本は「安いときに買い、高いときに売る」です。

 つまり、安いときの買い値と高いときの売り値の差が儲けです。これを「譲渡益」といいます。

 投資信託も同様に、儲けの基本は買ったときと売ったときの値段の差、譲渡益になります。

 

 もっとも、投資ですから必ず譲渡益が得られるとは限りません。何かの事情で、買ったときの値段よりも安い値段で売ることになれば、逆に損をしてしまいます。投資信託は比較的、安心・安全な投資といわれますが、リスクはゼロではないのです。

短期的な投資には向かない

 ニュースなどを見ると、株価や、日本円と米国ドルの為替レートなどの相場は、時々刻々と変わっています。そのため、ごく短期間で儲けをねらう投資もあります。一方、投資信託の値段は時々刻々と変わるものではありません。

 そのため、投資信託は株や外国為替のように短期間で儲けをねらう投資には向きません。

 もう少し長い目で見て、将来値上がりしそうな投資信託を買い、売ったほうがよいと判断できるまで、長期でもち続けることをおすすめします。

投資信託のもう1つの儲けは「分配金」

 投資信託で得られる儲けには、譲渡益のほかに「分配金」があります。

 これは投資信託ごとに会社の決算と同様なことを行い、その際に投資家に分配されるお金です。

 そういうと、運用して得られた成果(利益)がすべて投資家に分配されるようにも聞こえますが、そうではなく、分配の回数や上限はあらかじめ方針が決まっています。

 

 また、分配金は必ずしもすべての投資信託で支払われるわけではありません。支払われない投資信託もありますし、利益が不足したときにもともと投資されたお金(元本)から分配金が支払われる投資信託もあります。そのため、分配金の回数と金額が多いからよいとか、少ないから悪いとかは一概にいえません。

投資は自己責任。十分な情報収集を

投資信託は比較的、安心・安全な投資といわれますが、元本保証はされません。

 元本、つまり投資した額は、運用次第でそれ以下に減ってしまう可能性、損をしてしまう可能性があります。

 ですから、投資によって得をしても、損をしても、どんな結果になろうとも、その責任は一切、投資家自身にあることを忘れないでください。

 

 投資はできるだけ、当面使い道が決まっていない「余裕資金」を使い、最終的には自分の判断と責任において行うようにしましょう。

※本記事は、下記出典をもとに再編集したものです。

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鈴木一之 監修(プロフィールは下記参照)
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鈴木一之(スズキカズユキ)
株式アナリスト。千葉大学卒業後、大和證券に入社。株式トレーディング室に配属され、株式トレードの職務に従事。2000年に独立後、独立系株式アナリストとして、相場を景気循環論でとらえる「シクリカル銘柄投資法」を展開。景気、経済、株式、投資信託の動向などのわかりやすい解説に定評がある。テレビ、ラジオで市況解説を担当するほか、各種メディアや講演会でも活躍中。
『賢者に学ぶ 有望株の選び方』(日本経済新聞出版社)、『景気サイクル投資法』(パンローリング)などの著書のほか、『経済用語イラスト図鑑』『マンガでわかる投資信託入門』(いずれも新星出版社)などを監修。
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