2022.04.25
【統計学を知るとデータがわかる!】

「A社の平均年収は600万」その平均、本当におおよその値⁉

 「平均年収が今より高い会社を見つけた! 転職しようかな」そんなときこそ要注意。「平均」と聞いて思い浮かぶイメージは、実像に合ったものなのでしょうか?『サクッとわかるビジネス教養 統計学』から、その仕組みを学んでみましょう。

その平均、本当におおよその値⁉

 「平均値」は、データの特徴を示す値の1つですが、これにはある問題があります。次の会社を比べてみましょう。

A社の平均年収…600万円、…平均年収450万円、C社の平均年収…500万円

 収入的には平均が高いA社が魅力的です。しかし、社員の給料の内訳を見てみると……。

 じつは、A社は8名が年収200万円で、1人が高額な収入のようです。数値としての平均年収は嘘ではありませんが、イメージとしては不適切な気がしませんか? このように平均値は”データの特徴を示す値”としては、イメージと離れることがあります。

📝知っておこう!データの特徴を示す3つの代表値

 📝3つの代表値を知っておこう!

 

 データの特徴を示す代表的な値を「代表値」と呼びます。もっとも有名な「平均値」は、名前の通り”平らに均す”イメージで、数値を均した値。全体のおおまかな数値を示します。ただし、極端な数値に引っ張られてしまう特徴があります。

有名で簡単だけど、極端な数字に弱い「平均値」

 2つめが「中央値」。データの数値を台小で並べたときの真ん中の値です。極端な数値があっても平均値よりも影響が少ない代表値です。

データのど真ん中から一歩も動かない「中央値」

 3つめが「最頻値」で、データのなかでもっとも多く登場する値。極端な数値にも影響を受けません。

とにかく個数がいっぱいある「最頻値」

 具体的な例で見てみましょう。日本人の所得金額階級別世帯数の分布(平成29年、国民生活基礎調査の概況)の図を見ると、日本でもっとも多い年収は350万円ですが、平均年収は高い値に引っ張られていることがわかるのです。

 先ほど例として挙げたA社、B社、C社の平均年収分布を改めて見てみましょう。

A社…1人の社員(社長か?)が、独り占めしている悪徳企業。入社は避けるべきでしょう。
B社…徐々に年収が上がりそうな優良会社。とはいえ、最大の年収はA・C社よりも少ない……。
C社…A社ほどではないけれど、一部の社員が利益を独占しています。できれば避けるべき。
📒覚えておこう!

①データの特徴を示す代表値な値を「代表値」と呼び、平均値、中央値、最頻値などがある。

②データにおけるおおまかな値を示す平均値だが、極端な数値があると、その値に引っ張られる。

③中央値はデータにおける真ん中の値、最頻値はもっとも頻度の多い数値。極端な値にも影響を受けづらい。

数式チェック
統計学を学ぶ上で知っておきたい、平均の定義と中央値の定義

出典『サクッとわかるビジネス教養 統計学』

イラスト 前田はんきち

 

本記事は上記出典を再編集したものです。(新星出版社/向山)

 

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サクッとわかるビジネス教養 統計学
今野紀雄 監修(プロフィールは下記参照)
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今野紀雄(コンノノリオ)
1957年東京生まれ。東京大学理学部数学科卒業、東京工業大学大学院理工学研究科博士課程単位取得退学。横浜国立大学大学院工学研究院教授。博士(理学)。主な研究テーマは、無限粒子系、量子ウォーク、複雑ネットワークなど。2018年に「量子ウォークの数学的研究とその応用」というテーマで日本数学会解析学賞を受賞。

主な著書に『統計学 最高の教科書』(SBクリエイティブ)、『図解雑学 統計』、『図解雑学 確率』、『図解雑学 確率モデル』(以上、ナツメ社)、『ニュートン式 超図解 最強に面白い!! 統計』、『ニュートン式 超図解 最強に面白い!! 確率』(以上ニュートンプレス、監修)、『横浜発 確率・統計入門』(産業図書、共著) などがある。
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