みなさん、こんにちは!代々木ゼミナール生物講師の鈴川茂です。
私たちの体内で日々、休むことなくがんばっている細胞。僕たちのからだは、約37超2000億個の細胞から構成されています。つまり、この地球上にいる人口(2019年現在77億人)の約5000倍もの数の細胞たちが僕たちのからだをつくり、かつ、つねに僕たちのためにはたらいてくれています。たとえば赤血球は約20兆個もあり、からだの細胞の半分以上を占めていて、血管のなかを新幹線と同じような速度(時速約200㎞で流れ、はたらいてくれています。すごいですよね。
ここでは、「生殖器の細胞」について解説します。楽しいキャラが登場しますので、とっても覚えやすいですよ!ではさっそく始めましょう!!
生殖器は、僕たちが子孫を残すために必要な、とても大事な器官です。ヒトの場合、「精子」が「卵子」の中に入り込んで受精し、命のもとである「受精卵」ができます。
受精は女性の体の中の「卵管」という場所で行われるのですが、そこまで精子は一生懸命泳ぐんです。
精子の数が少ないと男性不妊症となる場合があります。男性不妊症とは、原因が男性にある不妊症のこと。そのうち約80%は精子が正常につくられていないことが原因です。精子の数は精液1mlに2000万以上あれば正常といわれていて、1500万未満だと「乏精子症」、まったくないと「無精子症」と診断されることが一般的です。
精子が卵管に向かうとき、1分間にどのくらいの距離を泳ぐでしょうか?
正解は「約3mm」。う〜ん、泳ぐと聞いたらなんか速そうな気がしますが、意外と遅いんですね……。
でも! 精子は、僕たちの目に見えないくらいの小さな存在なんです!人間に例えるなら、荒波のなかを水平線の彼方の孤島に住む、愛する彼女に会うために命がけでがむしゃらに泳いでいるようなものなんです。僕たちは、命を授かるまで、こんなにもがんばっているんですね!こんな話を聞くと、少し生きる勇気が湧いてきませんか?
細胞を知ることは、自分を知ること。
『世界一やさしい!細胞図鑑』には、さらに詳しい解説が書かれています。もっともっと細胞たちのことを知っていきましょう!

○約1メートルの長さにもなる細胞「ニューロン」
○酸素を運び血液の赤色のもとになる「赤血球」
○アレルギーを引き起こす細胞、その名は「肥満細胞」(しかも太ってない)
○敏感だけど鈍感?匂いを感じる「嗅細胞」
など、個性的な細胞がもりだくさん!
細胞を知れば知るほど自分のカラダが愛おしくなってしまうかも!?
代々木ゼミナールのカリスマ生物講師・鈴川茂先生が監修。看護師試験や受験対策にも最適です!

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