あなたはどのようなストレスを抱えていますか? 自分自身のこと、人間関係、恋愛、仕事、あなたを取り巻く環境……。
今回は『どうしたらストレスフリーに生きられますか?』より、あなたのお仕事にまつわる不安や悩みをチェックし、その対処法を見ていきましょう。
仕事では、生産性を高めることや円滑なコミュニケーションが求められますが、コロナ以降、テレワークなど働き方の幅が広がったことで、自分で思っている以上にストレスとなっていることも。仕事上の不安や悩みをチェックしてみましょう。
📝チェックしてみよう!
何番にチェックが入ったのかによって、あなたのストレス解消のヒントがわかります。
□ ①アイデア出しや企画を考えることが苦手
□ ②在宅で仕事をする時間が長く、オンオフの切り替えができない
□ ③休日も仕事のことを考えてしまい休まらない
□ ④仕事の合間に効率的にリラックスしたい
□ ⑤リモート会議などでコミュニケーションがとりにくい
□ ⑥新しい職場や部署で上手くやれるか不安
□ ⑦初めての環境に少しでも早くなじみたいと思う
□ ⑧上司からのモラハラめいた言動がつらい
□ ⑨自分だけ仕事が遅れているのではと不安になる
□ ⑩人と比較して、自分は仕事ができなくてダメだと思ってしまう
□ ⑪上司や先輩、同僚など、まわりからの評価が気になる
□ ⑫仕事を頼まれると断れない。でも人に頼むのは苦手
□ ⑬キャリアアップのためには、人よりたくさん働くべきだと思う
□ ⑭朝活などで時間を有効的に使うことができない
□ ⑮働き方が多様化しているのに、自分の職場はうまくいっていないと感じる
💡集中力を高めるためにも、上手な切り替えやリラックスタイムの活用を
👉何も考えない状態を作り出すと、脳はひらめきやすくなる
👉テレワークでのオンオフの切り替えにカフェを活用する
👉休日は緑の多い公園などで過ごし、脳を休める
👉仕事に疲れたら、冷たいタオルで顔をふいてリフレッシュする
💻デフォルト・モード・ネットワークの研究
ワシントン大学のレイクルらの研究によると、何か行動しているときと、ボーッとしているときの脳の動きを比較したところ、後者のほうが脳の記憶に関する部位や価値判断に関する部位が活発に働いていたことがわかりました。
ボーッとしているときは、脳が運転をまったく停止しているわけではなく、いわゆるアイドリング状態で、脳のネットワークは常に稼働しているということなんですね。
何かに集中し、目的に向かってまっすぐに進むとき、脳は高速道路を走って目的を達成しようと高速回転しているようなもの。一方で、脳がデフォルト・モード・ネットワークの状態になることは、普段使わない下道を通るようなもの。サービスエリアにはない隠れた名店を発見するように、思わぬひらめきがあるというわけです。
ただし、脳の各所にエネルギーが行き渡っても、「種」となる知識がないとアイデアは降りてきません。日ごろから新しいことに関心を持ち好奇心を大切にしてください。
💡コミュニケーション不足や新しい環境への不安は自分からのアクションで解消
👉心の距離を感じる時は、相手への「配慮」を意識する
👉あいさつや言葉かけで心の距離を縮める
カンザス大学のエドワーズとジョンストンの研究は、中高校生のスクールバスの運転手と生徒たちを対象に行われました。運転手が「こんにちは」や「さようなら」のあいさつをしたとき、その後生徒たちがどんな反応を見せたのかを調べたのです。
その結果、運転手があいさつをしないと、生徒たちはその日は1日平均0~0.25回のあいさつしかせず、運転手があいさつをすると平均10回前後に増えたといいます。
また、生徒たちはあいさつをするバス運転手を、しない運転手より好意的に感じ、より快適なバスサービスを受けていると感じたそうです。
あいさつは良好な人間関係を構築するうえで、さまざまな効果をもたらします。ただし、返報性という心理は、好意だけでなく、悪意に関しても同様の作用が働きます。バスの実験と同様に、あいさつをしないと、相手もあいさつをしないというように、関係性を冷えさせることにもつながります。だからこそ、新しい環境ではあいさつは大切なのです。
💡仕事でのいろいろな不安や悩みもエビデンスに基づいたアクションで解消
👉上司からの小言や嫌味は、自分に都合よく解釈する
👉同時に仕事をこなすには、業務の難易度を数値化して一日の仕事を整理する
👉頼まれると断れないのは、「利他的」「協力的」だという武器になる
👉成果をあげようと焦らずに、手ごたえを感じながら着実にこなす
👉無理に朝活をしなくても、自分に合った時間の使い方をすればOK
👉働き方や考え方が多様化しても、そこから新しい関係性を発見することが大切
北海道大学の村田は、「報酬を得ようとすると気が急いでエラーをしやすくなる」という実験を、被験者を次の3つのグループに分けて行いました。
【Aグループ】報酬なしで回答する条件
【Bグループ】あらかじめ報酬を与えておき、間違ったり回答が遅れたりすると報酬を減らしていく条件
【Cグループ】回答が正確かつ早ければ報酬を増やす条件
その結果、モチベーションの高いCグループだけに早く課題を終わらせようとする傾向が見られたのですが、間違ったときに反応する脳波が他のグループよりも大きな動きを示していたことがわかりました。つまり、人間は失敗して報酬が減ることよりも、失敗したために報酬が増えなくなることを気にすることが判明したのです。
自分の不適切な判断によって、本来得られたはずの報酬を獲得できないことに焦りを感じ、パフォーマンスが低下し悪循環に陥る。”急いては事を仕損じる”が科学的に立証されています。焦りが、かえってお金が逃げていく状況につながるのです。
♦対処法のさらに具体的な内容を知りたい方は👉こちら
出典 『どうしたらストレスフリーに生きられますか?』
漫画・イラスト 森下えみこ
本記事は、上記出典を再編集したものです。(新星出版社/向山)
1991年、東洋大学文学部英米文学科卒業。1999年、シカゴ大学言語学部博士課程修了(Ph.D.in Linguistics、言語学博士)。2000年、立命館大学法学部助教授。2005年、ヨーク大学オズグッドホール・ロースクール修士課程修了、2008年、同博士課程単位取得退学。2008年、明治大学法学部准教授。2010年、明治大学法学部教授。企業の顧問や芸能事務所の監修、ワイドショーのレギュラー・コメンテーターなども務める。