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2021.10.01
スペシャルインタビュー

File No.13 【第8回料理レシピ本大賞入賞 】
『野菜はスープとみそ汁でとればいい』著者
倉橋利江先生
「パパっと作れて栄養たっぷり! 誰でもできる、おいしい時短レシピ」をモットーに

倉橋利江(クラハシトシエ)
レシピ作家・編集者。料理上手な母の影響で、小学生の頃から台所に立って料理を覚える。料理編集者として出版社に勤務し、編集長として料理ムックの発行を多数手がけ、さらに大手出版社で料理雑誌の編集に携わったのちフリー編集者に。独立後、これまでに75 冊以上の料理書籍やムックを担当し、数々のヒット商品を送り出す。20 年以上の編集経験から、料理家と読者の間をつなぐ存在でありたいと思い、仕事で学んだプロのコツと独自のアイデアを組み合わせた「手に入りやすい食材で、作りやすく、恋しくなるレシピ」を考案している。

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 長年、料理書の編集に携わるなか、自らレシピ作成にも取り組む倉橋さん。毎年開催される料理レシピ本大賞で、2019年『作りおき&帰って10 分おかず336』に続き、2度目の入賞を果たしました。そこで今回は倉橋さんに受賞作品、『野菜はスープとみそ汁でとればいい』の制作秘話などをお話いただきました。

――このたび、2020年9月に当社から刊行した『野菜はスープとみそ汁でとればいい』が入賞しましたが、本書を制作する上で、どのような点を意識されましたか?

 日ごろ料理をするうえで、メインの食材を肉にするか魚にするかを決めた後、「さて副菜はどうしよう?」と悩まれる方は多いのではないでしょうか。主菜、副菜、和え物、サラダ、さらに汁物。毎食、何種類も作るのはとても大変ですよね。そこで今回、“料理をする手間をかけない”ことを最大のポイントに、栄養のある野菜をたっぷりとれる手法としてスープ・みそ汁のレシピを考案しました。

――レシピを見ますと、どれも手軽に手に入る食材ですし、作り方もたった3工程ですね。これならお料理が苦手という方にも簡単に作れそうですね。

 そうですね。まずは、みなさんがよく使う食材で作れることを意識してレシピを考えました。少しでも手に入りにくい食材があると、ハードルが上がってしまいますからね。また、野菜たっぷりといっても、一度に5種類もの野菜を使うとなると、作るのが面倒になってしまいます。そこで使う野菜は多くても2~3種類くらいにし、1つの野菜をたくさん使うことをコンセプトにしました。

 たとえば最初に紹介する玉ねぎのスープの素材は玉ねぎとベーコンだけ。作り方もシンプルなのですぐに作れます。使う玉ねぎは一人1玉。サラダなどで玉ねぎをこれだけ食べようと思ってもなかなか難しいですが、こうすることで食べることができます。

 

 また、分量は二人分に設定しましたが、おかわりができるくらい、多めにしました。1回で食べきれなかったとしても、冷蔵保存しておけば翌日も食べられますし、冷やしたままでもおいしく食べられますよ。

材料、作り方はシンプルだが、ボリューム満点!

――さらに、1つの野菜に対してバリエーションがとても豊富ですね。

 こちらもこだわりのポイントです。玉ねぎでいうと、バリエーションは10種類。オクラと組み合わせたり、揚げ玉を使ったり。サラサラとしたスープ、コクのあるみそ汁など、作り方を変えて紹介していますので、同じ食材を違った角度から楽しんでいただけると思います。

 実際、読者の方が実際に作ってみたところ、野菜が苦手なお子さんがモリモリ食べてくれた! とSNSに書かれているのを目にしました。このときはとっても嬉しくて、すぐにお礼のお返事を送ったのですが、ぜひ多くの方に本書を活用していただけたらと思います。

――倉橋さんは長年の編集者としてのプロの目もお持ちですが、編集者としてのこだわりポイントはありますか?

 今回この本を制作するにあたり、レシピを考えるだけでなく、どのようにしたらお料理の魅力を紙面に表すことができるか? をいろいろ考えました。

 たとえば、どの料理名にも「どっさり」「たっぷり」「ボリューム満点!」といった、キーワードを入れてみたり、キャッチコピーを大きくしてみたり。また、これまでにないくらいに料理の写真を寄り気味に撮ってもらい、視覚的な効果も際立たせるように工夫しました。レイアウトパターンもいくつも作り、イメージに合うものを選びました。

――たしかに、ボリューム感がどのページからも溢れていますね。「焼き肉やさんのネギ塩玉ねぎスープ」というユニークなネーミングのスープもありますね。

 はい、食欲をそそるような料理名も一所懸命考えました(笑)。

――途中にあるコラム、「ちょい足し食材」も便利ですね。

 味を変えたいときに使えるようにと、レシピの間の箸休め的な存在として入れてみました。細かい部分にもこだわりを持って作った1冊です。

――話は変わりますが、倉橋さんはいつごろからお料理が得意だったのですか?

 お料理は、子どものころから好きでしたね。母とよく一緒に作りました。小学生のころ、母が入院したことがあったのですが、「魚市場に行ってクロダイを買い、さばいて刺身にして母に食べさせたい!」と父に話したら、父からは「そんなことできるわけないだろう」と言われたのです。そう言われたのが悔しくて。「前に母から教えてもらったんだから、できないわけがない」。その一心で自らさばいて母のところに持って行きました。母はとても喜び、褒めてもらえて。そんなこともあって、お料理はいつの間にか自分の得意分野になっていきました。

 学生時代にも、友人に作って食べさせたりしていました。同級生から「定食屋さんを開いたらいいのに」と言われたこともありましたね。

――好きなお料理をお仕事にされたのは、いつ頃だったのでしょうか。

 もともとは雑誌の編集をしていました。料理雑誌の編集を始めたのは28歳のころからでしたが、その前にあるきっかけとなる出来事がありました。

旅雑誌の制作に携わっていた際に、「旅先で味わった料理を東京でも食べられる」という連載企画があり、料理店のシェフに依頼してご家庭で再現するためのレシピを聞き書きしていました。お店だと大量に作りますが、ご家庭に作る場合は分量を調整したり、なるべく手に入りやすい食材で作れないと再現性がないと思い、工夫しながらレシピ起こしをしました。これをきっかけに料理雑誌の編集に携わるようになったのですが、長年やっていくうちにやがて自分でも本を出すまでになりました。これからも料理書を手掛ける上で、編集者としての目線を生かしていきたいと思っています。

――レシピ作家であり編集者である倉橋さんならではの本づくりですね。アイデアのつまったレシピ本を、これからも楽しみにしています。

 ありがとうございます。以前は夫のお弁当も残りや自分だけのためにお昼を作ったり、試作したり、あるいは向学のために外食していましたが、コロナ禍により夫が自宅で仕事をするようになってから、今までと生活スタイルが変わり、決まった時間に昼食を自宅で食べることが増えました。食べる機会が増えるということは作る負担も増えるわけですが、お子さんがいる方はなおさらですよね。多くの方がそのような状況にあると思うので、そんなときに役に立つ料理書も何か作れたらいいな、と考えています。

常に読者目線を忘れずに、料理家と読者の間に立ちながら、これからも読者のニーズに応えられるような料理書を作り続けていけるよう、頑張っていきたいと思います。

🍳作ってみよう! 【こんがり玉ねぎのポトフ風】

この1杯で、玉ねぎ1個分! ぜひお試しください。

 

材料(たっぷり2人分)

 

●玉ねぎ…2個

●ブロックベーコン…50g

●オリーブオイル…大さじ1/2

A 水…2と1/2カップ

A 顆粒コンソメスープの素…大さじ1

●塩、こしょう…各適量

作り方

① 玉ねぎは上下を少し切り落として横半分に切り、切り落とした側に十文字に浅く切り込みを入れる。ベーコンは1㎝角の棒状に切る。

② 深めのフライパンにオリーブオイルを強めの中火で熱し、玉ねぎの断面を下にして3分焼く。焼き色がついたら裏返し、2分焼く。ベーコンも空いているところで焼く。

③ Aを加えて煮立ったら、ふたをして弱めの中火で6~8分煮て、塩、こしょうで味をととのえる。器に盛り、お好みでパセリのみじん切りをちらす。

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取材・文 向山邦余

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