代々木ゼミナール生物講師&細胞博士の鈴川茂先生が解説する、面白く楽しい細胞のしくみ!今回は特別編として、「ウイルスと戦うからだ」について解説します。
こんにちは。代々木ゼミナール生物講師の鈴川です。
新型インフルエンザに新型コロナ…、ウイルスはたくさんありますが、からだのなかに入ったとき、細胞たちがどう戦っているのか、みなさん、知っていますか?
ホームページやYouTubeなどで先行公開した動画、「世界一おもしろい!細胞の授業」の「血液細胞ってな~に?」の回でもお話しましたが、血液の中には、ウイルスをやっつける「白血球」があります。
今回は特別編「ウイルスと戦うからだ」と題して、白血球の代表「好中球」や「NK(ナチュラルキラー)細胞」のはたらきについて解説します!
好中球は異物と戦う白血球たちの代表的存在。最大の特徴は血液の流れに身を任せて移動するのではなく、自分自身で自由に移動すること(=遊走)。
そして異物をつかまえるとその場で食べて殺してしまいます!その後、食べた異物を細胞内のリソソーム※でバラバラに分解するのですが、これを、「貪食」(どんしょく)と呼びます。
(※リソソーム=加水分解酵素という強力な酵素を多く含み、不要となったタンパク質や脂肪などの物質を分解する役割を持つ)
このように、異物を真っ先に食べて排除してくれる好中球ですが、同じ白血球の仲間で「大食細胞」とも呼ばれるマクロファージにくらべると、やや小食なので、「小食細胞(ミクロファージ)」と呼ばれることもあります。ひとつひとつが少食である代わりに、白血球の約60%を占めるほど数が多く、一般的に「白血球」といえば、だいたい好中球のことを指しているんですよ。
異物を食べ殺し、満腹になった好中球は、役目を終えると死んでしまいます。ちなみに、傷口を放置しておくとできる膿は、役目を終えて亡くなった好中球たちのかたまり。好中球のがんばった姿は、目で見ることができるんですね。
そしてもうひとつ、覚えておいていただきたい細胞があります。
攻撃方法は2段階。敵となる細菌などを見つけると、すかさず「パーフォリン」というタンパク質を出して、敵の細胞膜に穴をあける!そしてさらなる攻撃として、「グランザイム」というタンパク質をつかってとどめを刺す!このようにして確実に異物を退治してくれているのが、「NK細胞」です。「NK」は「ナチュラルキラー」の略で、「生まれつきの殺し屋」という意味。同じような働きをするほかの細胞とちがい、NK細胞は自ら体内をパトロールして、ただちに排除しまくる一匹狼タイプの殺し屋で、それが名前の由来になっているんですよ。
ちなみに「笑いが免疫力をアップさせる」と聞いたことはありませんか?実は、笑うことでNK細胞のはたらきが活性化することは、科学的にも証明されているんです!『世界一やさしい!細胞図鑑』には、そんなことも書かれています。(もっと知りたい方はこちら)
こうして僕たちのからだはウイルスから守られているんですね。僕たちのからだのなかは一生懸命頑張っています。敵の外からの侵入を防ぐために、まずは「手洗いうがい」をしっかりやりましょう!!
ウイルスと戦うからだのしくみ、なんとなくわかっていただけましたか?このあとの動画解説のほうも、ぜひ観てくださいね。
それでは、本日の授業はこれで終わりにしたいと思います。
◆大好評『世界一おもしろい!細胞の授業』は、このあと改めて全編を連載する予定です。お楽しみに!

○約1メートルの長さにもなる細胞「ニューロン」
○酸素を運び血液の赤色のもとになる「赤血球」
○アレルギーを引き起こす細胞、その名は「肥満細胞」(しかも太ってない)
○敏感だけど鈍感?匂いを感じる「嗅細胞」
など、個性的な細胞がもりだくさん!
細胞を知れば知るほど自分のカラダが愛おしくなってしまうかも!?
代々木ゼミナールのカリスマ生物講師・鈴川茂先生が監修。看護師試験や受験対策にも最適です!

代ゼミ生物講師 鈴川茂のホームページ











