2022.01.20

1日1分、教科書の名作で脳が若返る!
【音読にトライしてみよう ①「枕草子」】

脳を元気にする音読のメリット

[その①] 視覚系脳だけでなく聴覚系脳も使う

黙読は視覚からの情報しか脳に伝わりませんが、音読は自分の声を聞くことで聴覚からの情報も伝わります。

 

 

[その②] 「あの」「その」がなくなり、言葉が出やすくなる

思考力や判断力が高まるだけでなく、伝達系脳を刺激するため、認知症予防などアンチエイジングに役立ちます。

 

 

[その③] 朝から前向きになれる

思考系脳が刺激されると不安感がやわらいで前向きになり、うつ病の予防・改善につながります。

 

 

[その④] 顔の舌の筋肉が鍛えられる

表情筋や舌筋を動かすため、頬のたるみや食べ物を飲み込む嚥下能力の低下が改善して、高齢者に多い誤嚥による肺炎を予防します。

 

 

[その⑤] 人の話がよく聞けてキレなくなる

音読して自分の声を聞いているので、他人の声も聞き取りやすくなって話を理解できるため、怒りづらくなります。

 

 

脳を元気にする音読法のススメ

脳の働きを効果的に引き出すための音読法についても紹介します。実は文章を音読することで、次のように脳の6つの系統が順次刺激されます。

 

視覚系脳で文字を追い、1文字1文字をひとつながりにして認識する。

記憶系脳に蓄積されている言葉の意味と結びつける

理解系脳で文章としての意味を理解する

伝達系脳で文章を想起する

運動系脳で口を動かし音に変換する

聴覚系脳で自分の声を聞き取る

さらに理解が深まることで感情系脳や思考系脳も活性化!

 

 このように、音読は多様に脳を刺激しますが、1回の音読で脳にある8つの系統がすべて働くとは限りません。そこで重要なポイントとなるのが、聴覚系脳で自分の声をしっかり聞き取ること。しっかり自分の声を聴くことで、脳全体の働きは高まるのです。ところが、脳は棒読みでは、聴覚系脳への伝わり方が弱くなり、脳全体の働きも弱くなります。

 

 そこでこの本では、助詞を強調した音読をおススメします。脳は名詞と助詞の差を感知しやすいので、「に、が、は、の」などの助詞を名詞よりも大きな声で読むことで、声がはっきりと脳に伝わり、文章が記憶しやすく、理解度が格段にアップします。そこで、掲載している作品の文章には、音読する際の参考にしていただくために、名詞やそれに準じる語句に接続している助詞に印を付けました。ゆっくりしっかり、発音しながら、繰り返し読むことで、脳全体が活性化する音読ができるようになるでしょう。

📖さっそく読んでみよう!

 

本日のテキストは「枕草子」

 

◆さらなり…「言ふもさらなり」の略で「言うまでもない」という意味

◆をかし…しみじみとした感動を意味する形容詞

◆まいて雁などの連ねたる…まして雁の群れが一列になって飛んでいる

◆またさらでもいと寒きに…またそう(白い霜が置いて)でなくてもとても寒い時に 

◆つきづきし…「調和がとれている、ふさわしい」という意味の形容詞

📝MEMO①『枕草子』について

『枕草子』の冒頭の文章は、国語の授業で暗記した方も多いはずです。日があるうちは美的感覚が視覚中心なのに、日が暮れると聴覚中心になる点など、音読する際は現代との違いに思いをはせてみましょう。

📝MEMO②作者について

作者 清少納言

生没年不詳。

女房としての名前しか残っておらず、本名は不明。学者の家系に生まれ、和歌や漢学の才覚を見せる。28歳ごろに一条天皇の中宮定子に女房として仕えた。『枕草子』監視後は隠遁生活を送ったとされる。

準備体操をしてから読んでみよう

 最近は新型コロナの影響で家族間でも会話が減り、声が出しづらい方も少なくありません。そのため、プールに入る前に準備体操をするように背筋を伸ばして、「あ~い~う~え~お~」と五十音を声に出してゆき、のどの調子を整える「音読の準備体操」がおすすめです。1作品を音読する目安は1分ですが、あくまでも目安です。まずは読むことに集中できるように、自分に合ったペースで読んでいきましょう。

出典『脳が元気になる!音読1日1分』

イラスト桜井葉子

 

本書は上記出典を再編集したものです。(新星出版社/向山)

脳が毎日元気になる!音読1日1分
加藤俊徳 監修/出口汪 監修(プロフィールは下記参照)
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加藤俊徳(カトウトシノリ)
脳内科医、医学博士。加藤プラチナクリニック院長。株式会社「脳の学校」代表。昭和大学客員教授。発達脳科学・MRI脳画像診断の専門家。助詞強調おんどく法、脳番地トレーニングの提唱者。小児から超高齢者まで1万人以上を診断・治療。14歳のときに「脳を鍛える方法」を知るために医学部への進学を決意。1991 年、現在、世界700 カ所以上の施設で使われる脳活動計測「fNIRS(エフニルス)」法を発見。1995年から2001年まで米ミネソタ大学放射線科でアルツハイマー病やMRI脳画像の研究に従事。ADHD、コミュニケーション障害など発達障害と関係する「海馬回旋遅滞症」を発見。帰国後、慶應義塾大学、東京大学などで脳研究に従事し、「脳の学校」(https://www.nonogakko.com/) を創業。現在、「加藤プラチナクリニック」を開設し、独自開発した加藤式MRI 脳画像診断法を用いて、薬だけに頼らない脳トレ処方を行う。

著書には、『アタマがみるみるシャープになる! 脳の強化書』(あさ出版)、『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き「選ばれた才能」を120%活かす方法』(ダイヤモンド社)、『頭がよくなる!寝るまえ1分おんどく366日』(西東社)など多数。
出口汪(デグチヒロシ)
関西学院大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。広島女学院大学客員教授、論理文章能力検定評議員、出版社「水王舎」代表取締役。現代文講師として、予備校の大教室が満員となり、受験参考書がベストセラーになるほど圧倒的な支持を得ている。また「論理力」を養成する画期的なプログラム「論理エンジン」を開発、多くの学校に採用されている。著書に『出口汪の「最強!」の記憶術』『出口のシステム現代文』『子どもの頭がグンと良くなる!国語の力』『はじめての論理国語』(以上、水王舎)、『源氏物語が面白いほどわかる本』(KADOKAWA)、『出口汪の「日本の名作」が面白いほどわかる』(講談社)、『東大現代文で思考力を鍛える』(大和書房)、『ビジネスマンのための国語力トレーニング』(日経文庫)など。(書籍刊行当時)
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