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2022.03.28

みんな始めてる、お金の運用!
NISA・iDeCoってどんなもの?
【①基本的な仕組みを知ろう】

①NISA(ニーサ)ってどんなもの?

NISAとは、通常20%以上かかる税金がゼロになる有利な制度

💰POINT1 お金の運用で得た利益に税金がかからない!

 株や投資信託で、お金を運用(投資)すると、その売買で儲けたお金(売却益)や、もっている人がもらえるお金(配当金、分配金)など、運用で得た利益(運用益)には税金がかかります。その税率は20%以上とかなり高め。10万円の利益が出ても手元に8万円弱しか残りません。ところが、この税金を「ゼロ円」にする方法があります。それが「少額投資非課税制度」=「NlSA(ニーサ)」という、お金を運用するときに、ぜひ利用したい有利な制度です。

 

💰POINT2 NISAには、非課税となる投資額や期間が異なる3つの制度から選べる!

 NISAには、一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAの3つがあり、利用する人の運用(投資)方針や目的に応じて最適な制度を選べます。一般NISAは、年間120万円までの運用で得た利益が、最長5年間、非課税となる制度。つみたてNISAは、非課税となる投資額は年間40万円までと少なめですが、非課税期間が最長20年間もの長期にわたるのが特徴です。

 

💰POINT3 運用未経験ならつみたてNISAがおすすめ!

 運用(投資)の未経験者におすすめなのが、つみたてNISAです。実際に「投資は初めて」という、20代、30代、40代という若い世代の利用が目立っています。つみたてNISAの特徴は、少額から運用ができて、積み立てによる、長期にわたる運用で、税制優遇のメリットを十分に受けながら資産づくりができる点です。ムリなくコツコツ、さあ、あなたも始めてみましょう!

 

 

 

②iDeCo(イデコ)ってどんなもの?

iDeCoとは、節税しながら老後の資金づくりができる、私的年金

💰POINT1 公的年金の不足分をカバーする私的年金!

 「老後資金は2,000万円必要」といわれます。実際、国民年金や厚生年金などの公的年金の受給だけでは日々の収支はマイナス。不足分は貯金などを取り崩さなくてはなりません。老後に備える資金づくりのために、お金の運用(投資)はできるだけ早く始めましょう。税制優遇で「税金が安くなる」という恩恵を受けながら、ムリなくコツコツ、老後の蓄えをつくっていく、そんな私的年金が「個人型確定拠出年金(こじんがたかくていきょしゅつねんきん)」=「iDeCo」です。

 

💰POINT2 iDeCoには、3つの税制優遇がある。早く始めるほど得!

 老後の資金づくりに特化したiDeCoには、なんと3度のタイミングで税制優遇があります。まず掛金を積み立てている間は、掛金の全額が所得控除となり、毎年の税金が安くなります。そのためiDeCoは早く利用するほどトクです。また運用中に得た利益には、通常20%以上の税金がかかりますが、これが非課税扱いとなります。さらに運用でつくった資産をいよいよ受け取るときにも、控除という形で税金が安くなるのです。

 

💰POINT3 60歳まで引き出し不可、年金か一時金で受け取る

 少額の掛金を、長期にわたって積立投資するというのは、つみたてNISAとよく似た制度です。ただし大きな違いが1つ。それは運用でつくった資産は、原則60歳にならないと受け取ることができない点です。運用を途中でやめることはできますが、その場合でも資産は60歳になるまで引き出せません。そしてiDeCoでつくった資産は60歳~70歳の間に、年金の形で受け取るか、一時金の形で受け取ります。

運用未経験者がお金を運用するときの心得

 NISA、iDeCoがお金の運用(投資)に有利な制度だとわかっても、「投資はむずかしそう」とか「損をするのが怖い」という人はいるでしょう。確かに、運用でお金を増やすのは簡単なことではありません。そこで、運用の未経験者には、始める前に心得ておきたいことがいくつかあります。

余裕資金で行う

 運用の元手は、いますぐ使うあてのないお金、「余裕資金」をあてましょう。そして最初は少額から始めるのがおすすめです。少ない資金で運用の経験を積めば、その後、運用額が大きくなったときに成功する可能性が高まります。

結果を急がず、長い目で見る

 運用すれば必ず利益が出るわけではありません。トクをすることもあれば、ソンをすることもあります。ビギナーほど、早く儲けたい、結果を出したいとあせりがちですが、それはいけません。結局「長期で、コッコツ」がいちばん手堅く、利益を出しやすい方法です。

欲張り過ぎは禁物

 短期間で大きく儲けようとして、ムリに多額の元手をかけたり、利益を確定するタイミングなのに、さらに大きな利益をねらうなど、欲張り過ぎは禁物です。マイナスの結果になったときは、損を覚悟でその運用を中止する、「損切り」の判断も大切です。

長期運用は複利効果がカギ

 複利効果とは 、運用した元手(元本)と、それが生み出す利息を、ふたたび運用に回すことで、さらに利息がつく仕組みです。長期でお金を運用するメリットの1つは、この複利効果が得られることにあります。

自己責任で行う

 運用は、自分自身の判断と責任によって行うものです。他人のアドバイスや情報を鵜呑みにして、その結果、損をすることになっても、誰も補償してくれません。これらを頭に入れて、お金の運用を始めましょう。

出典 『マンガでわかるNISA&iDeCo入門』(漫画協力 愛河ハジメ 株式会社サイドランチ)

 

本記事は上記出典を再編集したものです。(新星出版社/向山)

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株式アナリスト。千葉大学卒業後、大和證券に入社。株式トレーディング室に配属され、株式トレードの職務に従事。2000年に独立後、独立系株式アナリストとして、相場を景気循環論でとらえる「シクリカル銘柄投資法」を展開。景気、経済、株式、投資信託の動向などのわかりやすい解説に定評がある。テレビ、ラジオで市況解説を担当するほか、各種メディアや講演会でも活躍中。
『賢者に学ぶ 有望株の選び方』(日本経済新聞出版社)、『景気サイクル投資法』(パンローリング)などの著書のほか、『経済用語イラスト図鑑』『マンガでわかる投資信託入門』(いずれも新星出版社)などを監修。
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