ビジネス&マネー&スタディビジネス&マネー&スタディ

2020.03.31
ニッポンをもっと知ろう!

わが国、日本!国づくりをしたのは、
なんと一組の夫婦だった!!

 2019年5月1日、令和時代が幕を開け、間もなく2年目を迎えようとしています。

 みなさんは記憶にあるでしょうか?「即位礼正殿の儀」が行われた10月22日には、きれいな虹が見られ、「まるで神話のよう」という声もきかれました。

さて、その「神話」として日本の国の成り立ちが描かれている書物に『古事記』がありますが、みなさんは知っていますか?

 8世紀に編さんされて以来、今もなお読み継がれている日本でもっとも古い歴史の書物なんです。

 そこには、今も私たちが参拝する神社に祀られている、馴染み深い多くの神様の活躍の様子が描かれているのですが、そのなかでも、「日本の国々や島々を誕生させ、数多くの神様を生み出したとされる人格神としての最初の神様」が、「ある一組の夫婦」だったことが書かれています。

 その夫婦の名前は、「イザナギ」と「イザナミ」。
名前だけなんとなく知っている方は多いのではないでしょうか?

今回は、『日本の神様図鑑』から、一国をつくった夫婦のお話を紹介します。

今日の主人公はイザナギとイザナミ夫妻です!

 『古事記』で12番目に登場される神様・イザナギと、妻イザナミは、「この漂える国を修理固成せよ」との命名を受け、日本の国々や島々を誕生させます。そして、次々と神様を生んでいくことになります。

 まず、二神が誕生させたのは、日本の国土。淡路島などをはじめとする、大八嶋国。

 その方法は、天の浮橋という場所に立って、矛を使って海をかき混ぜたようです。矛先から滴った海水が固まって、島(オノゴロ島)になり、その島に降り立ったイザナギ&イザナミが日本列島と神々を生む仕事に着手していきます。

 海の神様、湊の神様、風邪の神様、木の神様、山の神様、野原の神様と神羅万象の神々が次々と生まれていきました。

夫婦をおそったトラブル

 次々に国土と神様が生まれていく中、妻・イザナミが火の神様・カグツチを生んだときにトラブルが起きます。

イザナミが火の神様・カグツチを生んだときにトラブルが…!

 出産時に火傷を負い、そのケガがもとで、なんとイザナミは亡くなってしまうのです。それでも、病床で亡くなるまで神々を生み続けたと言われています。

 そして、そのつらさからイザナギは思い切った行動に出るのです…。

「嫁大好き!」がなんと仇に!

 イザナギは、亡き妻・イザナミを連れ戻そうと、なんと死者の国である黄泉の国に行くんです。

 死者の国ですから、本当はイザナギのように生きている存在は足を踏み入れてはいけない場所。よほどの思いだったんでしょう。

イザナギは、亡き妻・イザナミを連れ戻そうと、黄泉の国へ…

 夫・イザナギが連れ戻しにきたことを知ったイザナミは、「黄泉の国の神々に相談してみますが、私の姿を見ないでください」と言い残し去っていきます。

 なかなか帰ってこない妻にしびれを切らすイザナギ。そこでイザナギは、約束を破ってイザナミの姿を見てしまうのです。

 そこですっかり変わり果てたイザナミの姿を目撃し、イザナギは黄泉の国から逃げ帰ります。イザナミは自分の恥ずかしい姿を見られ、追っ手を向かわせます。怒ったイザナミが「あなたの国の人を一日千人殺そう」と言うと、イザナギは、「私は一日に千五百人、生もう」と返し、ほうほうの体で葦原中国へと逃げ帰るのです。

イザナギの禊ぎと三貴子

 イザナギは、妻・イザナミを追いかけていった死者の国から戻ってきました。そこで、「私はとても汚く穢れた醜い国へ行ってしまった」と言い、自らの穢れを祓うために阿波岐原(現在の宮崎県)という場所で禊祓えをし、禍事・罪穢れを祓います。するとそこから、さまざまな神様が生まれ出てきました。

 最後に生まれたのは、最も尊い神様といわれる三貴子。

 彼らに「高天原」(アマテラス)、「夜の国」(ツクヨミ)、「海原」(スサノオ)の統治を委任するのでした。こうしてイザナギ&イザナミの時代から三貴子が活躍する時代へと移っていったのです。

 

📚知っておこう!

【イザナギ】神を生み、国土を生んだ創造の神様です。

・何か新しいことをするとき、アイデアや企画を生み出すときなどにお参りするといいでしょう。

【イザナミ】夫、イザナギとともに国土を生み出した女神様です。

・ビジョンを形にしたいとき、自分の女性性を高めたいとき、パートナーシップに縁が欲しいときにお参りするといいでしょう。

⛩お祀りされている神社

伊弉諾神宮(いざなぎじんぐう)兵庫県
多賀大社(滋賀県)
伊佐奈岐宮(三重県)
など

【カグツチ】
母イザナミ、父イザナギから生まれた神。
火をつかさどる神様として知られる。
「火伏せの神様」「温泉の神様」、火の力で鉄を溶かすことから「鍛冶の神様」としても信仰されている。

⛩お祀りされている神社

秋葉神社(静岡県)
愛宕神社(京都府)など

さらに詳細を知りたい方はこちら

※本記事は、下記出典をもとに一部加筆・再編集したものです。(新星出版社/向山)

日本の神様図鑑
大塚和彦 著 (プロフィールは下記参照)
「そもそも、神様って何?」「なぜ、たくさんの神様がいらっしゃるの?」
そんな疑問にズバズバお答えする神様の本!“アマテラス”や“スサノオ”って聞いたことありますか? 名前だけ知っていても、なかなかイメージは浮かんでこないですよね。でも「弟の暴れっぷりに、引きこもってしまった太陽の神様(だから世界が真っ暗に!)」とか、「昔は荒ぶってたけど、追放されて心を入れ替え、和歌を詠んだりするほどになった神様」と言われるとなんだか興味が湧いてきませんか? このように日本の神様たちを、親しみやすい説明&“キャラ”で紹介。神様同士の関係も、キャラになったらイメージしやすい! また「神様って何ですか?」「神社は何をするところなの?」など、素朴な疑問に答える1冊です。メインキャラクターの“30代、仕事や恋に悩む・美里ちゃん”といっしょに、この本で神様たちともっと仲よくなりましょう。10万部を超えた人気のカード『日本の神様カード』の企画者であり、「日本の神様」や「神話」の講師として活躍する著者による書き下ろしです。

購入はこちら
大塚和彦(オオツカカズヒコ)
1970年埼玉県出身。國學院大學文学部を卒業後、経営コンサルティング会社で社会人としてのスタートを切る。その後、バックパッカーへと転身し世界各地を回る。2001年、有限会社ヴィジョナリー・カンパニー(現、株式会社)を創業。日本では数少ない「オラクルカード・タロットカードの専門会社」として、出版、卸売、国外への輸出入、ライセンスビジネスなど幅広い業務を展開する。日本神話の神々をカードとして表現した『日本の神様カード』や、インド哲学をテーマにした『バガヴァッド・ギーターカード』など、「古来からの叡智」を現代風に表現したカードを数々と発表。これまでに80作を超えるカードの企画・制作を手がける。現在は、会社代表者として経営実務を行うかたわら、インド哲学、日本神話、オラクルカードなどのテーマで講座を行っている。著書に『神様と仲よくなれる!日本の神様図鑑』(新星出版社)、『いちばんていねいでいちばん易しいインド哲学入門「バガヴァッド・ギ―ター」』(ガイアブックス)、『はじめてでもよくわかる!「占いカード」制作マニュアル』(説話社)、共著に『いちばんていねいな、オラクルカード』(日本文芸社)など多数。

ヴィジョナリー・カンパニー公式HP
新着記事