2022.05.06

【人気の城ミニガイド】
🏯 漆黒の連結複合式天守、松本城をもっと知ろう!

 新緑の季節となりました。今回は、『決定版 日本の城』から、一度は行きたい全国の名城、松本城を紹介します。松本城は、東北新社が運営するお城情報WEBサイト「城びと」のアンケート調査で、「2022年に行きたい!お城ファンの“推し城”20」の1位に選ばれた城です。ぜひ一度、行ってみてはいかがでしょうか。

松本城の魅力

 松本城は、長野県松本市丸の内にあります(JR松本駅から徒歩約15分)。

【築城】永正年間(1504年~1521年)「小笠原氏」(深志城)

【改修】天正18年(1590)「石川数正」

 

増築を重ねて現在の姿になった

 松本城の本丸付近には、信濃(しなの)守護・小笠原氏が支城とした深志(ふかし)城があったとされる。武田信玄が信濃に進出すると、深志城を大改修し、重要な繋ぎの城として利用する。

 

 武田氏滅亡後は小笠原氏が復帰し、「松本城」と改称。しかし徳川家康の関東移封とともに小笠原貞慶(おがさわらさだよし)も関東に移り、後に入った石川数正(いしかわかずまさ)・康長(やすなが)父子が乾小天守(いぬいこてんしゅ)を建造した。城全体が拡張・改修したのも石川氏時代である。康長が改易となると、小笠原秀政(おがさわらひでまさ)が入城、大天守が完成する。さらに松平直政(まつだいらなおまさ)が辰巳附櫓(たつみつけやぐら)を増築し、現在みられる天守群が成立した。

現存唯一の連結複合式天守

 

 日本アルプスに映える国宝天守群の中心をなす大天守は、五重六階。姫路城大天守とともに、現存2基のみの五重天守である。大天守は乾小天守と渡櫓(わたりやぐら)でつながる連結式、辰巳附櫓とは直接接続する複合式で、合わせて連結複合式天守と呼ばれる。調和のとれた優美な外観だが、月見櫓以外は狭間と石落し(いしおとし)が多数設置されており、戦闘面の仕様にも目を向けたい。

 縄張は、本丸をコの字型の二の丸が囲み、さらにこれを三の丸が囲む、梯郭式と輪郭式が合体したもの。平城のため、曲輪間の水堀は広大である。なお享保 13年(1728)作成の古絵図から、三の丸の4か所の虎口前面に 、丸馬出が設けられていたことが確認できる。石川氏の改修時に築造されたと推定され、旧北門付近の住宅地で遺構も確認された。この絵図には、二の丸と三の丸を結ぶ内堀にも馬出が描かれている。

出典『決定版  日本の城』

本記事は、上記出典を再編集したものです。(新星出版社/向山)

 

写真画像はすべてShutterstock.comの許可を得ています。

日本の城
中井均 著(プロフィールは下記参照)
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中井均(ナカイヒトシ)
城郭研究家。滋賀県立大学教授。城郭遺産による街づくり協議会理事長。織豊期城郭研究会主宰。1955年、大阪府生まれ。著書『より深く楽しむために 日本の城 鑑賞のポイント65』(メイツ出版)、監修に『カラー図解 城の攻め方・つくり方』(宝島社)『戦国の城の絵事典』(成美堂出版)など多数。

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