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2020.09.24

年金のこと、聞かれて説明できますか?
基礎からおさらいしてみよう!

 年金というと、「毎月給料から控除されているもの」、「リタイア後にもらえるもの」という認識は皆さんお持ちだと思います。でも、どういった仕組みで、どれくらいもらえるのかなどまで、きちんと理解されている方は少ないのではないでしょうか。

 そこで、今回は『2020-2021年版図解わかる年金』から、年金の大まかな仕組みを解説しますので、おさらいしてみましょう。

そもそも、私たちが納めている年金とは?

年金の種類】

 年金には種類があるのをご存知でしょうか?大きく分けて3種類あり、それぞれ加入方式や実際に年金が支払われる際の出所がちがってきます。

公的年金

 国が管理運営をするもので、20歳以上60歳未満のすべての人が加入することになります。現在では国民年金・厚生年金保険の2種類にわかれます。

(「被用者年金一元化法」により、平成27年10月1日から厚生年金と共済年金が厚生年金に統一されました。)

 

①国民年金基礎年金のための年金であり、年金を建物に例えるなら1階の部分にあたる年金の「基礎」です。

 

②厚生年金保険企業などに勤める人が加入する、2階部分にあたる(=上乗せされる)年金のことです。

企業年金

 企業が生命保険会社などに委託して運営されているもので、努めている会社に企業年金があれば、必ず加入します(会社によっては公的年金だけで、企業年金のないところもあります)。

 公的年金を補ったり、退職金の支払いを軽減したりする目的で、福利厚生として行っています。

個人年金

 民間の保険会社等により、営利目的で運営されており、個人で加入するかどうか決めることができます。老後の資金が不安な人や、公的年金や企業年金では足りないと思う人が「自分の選択で」加入できます。

 

 このように、3種類の年金があることはご理解いただけましたか?

 今回、3種類のなかで最も多くの人が加入している公的年金について解説します。

【定年後にもらうだけじゃない!もしもの時に役立つ公的年金!】

【公的年金のおもな給付】

  年金というと、「老後にもらうもの」というイメージが強いのではないでしょうか。じつは、老後以外にももらえる場合があるんです。実際に支給される条件を見てみましょう。

 

老齢給付

 ご自身が年を取ったときに支給される年金です。加入している制度により、老齢基礎年金、老齢厚生年金、退職共済年金や特別支給の老齢厚生年金などが支給されます。

障害給付

 ご自身が障害状態になったときに支給される年金です。法令で定められた障碍者等級に該当した場合に、加入している制度と等級により、障害基礎年金、障害厚生年金、障害共済年金などが支給されます。

遺族給付

 ご自身が死亡したときに支給される年金です。加入している制度の一定要件を満たしている人が死亡した場合、一定の遺族に遺族基礎年金、遺族厚生年金、遺族共済年金などが支給されます。

   こうしてみると、まさに国の運営する「保障」といった感じがします。老後のことだからまだ先と思っていても、突然の事故などでご自分やご家族が給付対象になってしまうこともありますから、いかに公的年金を納めることが大切かわかりますね。

20歳になればみんな加入。国民年金って?

国民年金の被保険者種別

 公的年金のなかでも、国民年金は20歳以上60歳未満の方全員が加入するものと先ほど説明しました。サラリーマンの方だと、厚生年金にだけ入っていると誤解して、ご自分が国民年金に加入していることを知らない方もいるのではないでしょうか。国民年金の加入者(被保険者)には、次の3種類の人たちがいます。

 

◇第1号被保険者

 自営業者・20歳以上の学生・家事手伝い・フリーター・定年退職した人の60歳未満の奥さん・弁護士など士業の人・医師(勤務医でない)など。

 

◇第2号被保険者

 サラリーマン・OL・公務員など

 

◇第3号被保険者

 サラリーマンなどの被扶養配偶者(主婦・主夫)

 こちらの種別は、退職や就職などで変わるため、その都度申請が必要です。

月々の国民年金保険料

 では、肝心の保険料はいくらなのかご存知ですか?ずばり、令和2年度は月額16,540円です。これは17,000円×保険料改定率(0.973)=16,540  という計算式で算出されており、たびたび金額が改訂されるため、毎年注意が必要です。なお、令和3年度は16,710円に改定されます。

会社勤めならみんな加入。厚生年金って?

 

 求人欄でよく見る「社保完備」という文言。今では法的に「社会保険を備えること」が定められていますから、どの会社にもまずある制度なのが厚生年金保険。あなたが会社にお勤めならほぼ確実に加入していることと思います。

月々の厚生年金保険料

 さて、毎月の給与明細からは、この厚生年金保険料が控除されていますが、こちらの月々の額はどのように計算されているのでしょう。平成15年4月から、総報酬制が導入され、厚生年金保険料の計算方法は給与と賞与から同率で負担することになりました。そのため、1か月分の給与(1回分の賞与)×15.350%~18.30%(保険料率)=月々の厚生年金保険料、という計算式で導かれ、これを労使折半で負担することになるわけです。

 注意したいのは、国民年金と厚生年金は別物ですが、厚生年金保険料を支払っている人はその厚生年金保険料から、国民年金の保険料が天引きされていること。そのため、勤め人であれば自分から国民保険料を納めに行く必要はありません。

厚生年金保険の加入条件

 ご自身だけでなく、大きくなったお子さんがアルバイトやパートをされている方も多いはず。「バイトしてるんだけど年金ってどうなってるの?」と聞かれたとき答えられるように、厚生年金保険の加入条件もおさらいしてみましょう。

 先ほど説明したように、会社(法人)に勤めていればその従業員は厚生年金に加入することになっています。これは、アルバイトやパートなどでも一部の例外を除いて同様です。

 

厚生年金保険に加入する人

●正社員

●アルバイト(一部例外を除く)

●パートタイマー(一部例外を除く)

●試用期間中の人

●フリーター(一部例外を除く)

 一部例外とは、「雇用契約書で定められた勤務時間や勤務日数(=所定労働時間・所定労働日数)が、おおむね正社員の4分の3以上の人」に当てはまらない人のこと。

 これはあくまで基準であって、本人の実際の就労の形態内容を総合的に考えて会社との使用関係が常用的であると判断されればパートであっても加入しなければなりません。また、以下に当てはまる短時間労働者には厚生年金保険、健康保険の適用がなされます。

●週20時間以上

●月額賃金8万円以上(年収106万円以上)

●勤務期間1年以上見込み

●学生は適用除外

●従業員501人以上の企業 (平成28(2016)年10月~)

 

 公的年金の加入や月々の保険料のしくみについて、おわかりいただけたでしょうか。今のうちからコツコツと積み重ねておきましょう。

※本記事は、下記出典をもとに、一部加筆し、再編集したものです。(新星出版社/大森)

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