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2021.02.28
コロナ·風邪·インフルを寄せつけない体をつくろう!

【④運動して体熱を上げよう】

石原 結實(いしはら ゆうみ)
医学博士。イシハラクリニック院長。ジョージア共和国科学アカデミー長寿医学会名誉会員。
1948年長崎市生まれ。長崎大学医学部を卒業して血液内科を専攻。同大学院博士課程で「白血球の働きと食事・運動の関係」の論文で医学博士の学位を取得。スイスの自然療法病院、B・ベンナークリニックやモスクワの断食療法病院でガンをはじめとする数々の病気、自然療法を学び、コーカサス地方の長寿村にも長寿食の研究に5回赴く。テレビ、ラジオなどの出演や全国講演でも活躍中。
 

 前回解説した免疫力を上げる方法に続き、今回は3つ目の方法として、運動と免疫力との関係について説明します。

 

 健康状態のチェックで最初におこなうことは「検温」です。体温は、その人の免疫力を示す指標でもあり、年齢・体格・性別にもよりますが、平熱が36.5度以上あるのならウイルスや細菌の侵入を許さない、仮に許しても十分な抵抗力を発揮できると思ってよいでしょう。

 

 さて、体温のほかにもうひとつ、ご自身の免疫力をあらわすものがあります。それが筋力です。石原式免疫増強療法では「少食」と「運動」を両輪に免疫を上げていきます。筋肉は熱を産生する人体最大の発熱器官ですから、筋肉が発達していると産熱量も増えて免疫力増強につながるのです。

 また近年、筋肉に免疫細胞であるマクロファージを刺激する働きがあることが解明されてきました。ここから、その仕組みをお話しします。

筋肉が分泌するマイオカインで免疫細胞が活性化

 運動をすると筋肉からマイオカイン(筋肉が分泌するホルモンの総称)が発生し、マクロファージやNK細胞といった免疫細胞を活性化させることがわかってきました。マイオカインには脂肪分解を促進する作用もあり、引き締まったスリムな体をつくってくれるので、免疫だけでなく「見た目アップ」も嬉しいメリットです。

 

 一方、運動をしないとマイオカインと正反対の作用を起こすマイオスタチンが筋肉から発生し、マクロファージの働きを低下させて筋再生を阻害してしまうのです。腕や足などを骨折してギプスで長期間固定したあと、ギプスを外すとすっかり筋肉が落ちて細くなってしまいます。

 それは、筋肉の再生を促すマイオカインが分泌できないのに、筋肉の再生を邪魔するマイオスタチンは分泌されてしまったからなのです。

 マイオカインは現在30種類以上見つかっており、さまざまな健康効果が明らかになっています。運動するだけで免疫力がアップし、種々の不調を自力で治せるのです。

免疫細胞が筋肉の再生を促す

 放っておいても勝手にどんどんつく脂肪とちがって、筋肉は運動を継続することでしか発達させることができません。激しい運動によるダメージ、老化や運動不足などで筋肉細胞は死んでしまいますが、筋肉細胞は再生能力が高く、適切な運動を行えば再び発達していくので、あきらめずにコツコツ運動をして、「貯筋」に励みましょう。

 

 筋肉の再生を助けるのが免疫細胞のマクロファージです。死んでしまった筋肉細胞をマクロファージが除去して筋肉の再生を促してくれます。マクロファージは侵入してきたウイルスや細菌はもちろん、寿命を終えた赤血球・白血球・血小板、ガン細胞や死んだ細胞などをどんどん処理してくれます。さらに、血液中にダブついた栄養分の処理も担うので、過食が続いているとウイルスや細菌ではなく血液中の栄養素の処理にかかりきりになってしまいます。

 「運動したから大丈夫」と油断して食べ過ぎてしまうと、マクロファージがウイルスや細菌と戦わなくなってしまうので要注意です。

 

 効率よく体熱を上げるためには、「大きい筋肉を動かすこと」。大殿筋(お尻の筋肉)、大腿四頭筋(ももの前の筋肉)、大腿二頭筋(ももの後ろの筋肉)などの大きな筋肉はすべて下半身に集中していますから、下半身を重点的に鍛えるとよいでしょう。

 

👉石原式「体力テスト」で診断したい方、具体的な運動方法についてはこちら

※本記事は、下記出典をもとに再編集したものです。(新星出版社/向山)

免疫力を高めてウイルスに勝つ 食べ物、暮らし方
石原結實 著(プロフィールは下記参照)
【緊急出版!】ウイルスに負けない体、病気にならない体を手に入れるためのカギは「免疫力」。免疫力が高まれば、少々のウイルスが体内に入ったとしても、「免疫の力=白血球の力」でウイルスを増殖をゆるしません。新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスなどのウイルスが体内で繁殖できないため、ウイルス感染症にならないのです。本書には、免疫力を上げる方法が具体的に記されていますので、ぜひ実践し、病気にならない体」を手に入れましょう!
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石原結實(イシハラユウミ)
医学博士。イシハラクリニック院長。ジョージア共和国科学アカデミー長寿医学会名誉会員。

1948年長崎市生まれ。長崎大学医学部を卒業して血液内科を専攻。同大学院博士課程で「白血球の働きと食事・運動の関係」の論文で医学博士の学位を取得。スイスの自然療法病院、B・ベンナークリニックやモスクワの断食療法病院でガンをはじめとする数々の病気、自然療法を学び、コーカサス地方の長寿村にも長寿食の研究に5回赴く。テレビ、ラジオなどの出演や全国講演でも活躍中。クリニック院長のほか、伊豆で健康増進を目的とする保養所、ヒポクラティック・サナトリウムを運営。ベストセラーとなった『生姜力』(主婦と生活社)、『食べない健康法』(PHP研究所)、『体を温めると病気は必ず治る』(三笠書房)』を含め著書は300冊以上にのぼり、米国、ロシア、ドイツ、フランス、中国、韓国、台湾、タイなどで100冊以上が翻訳されている。(書籍刊行時)
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