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1900.09.20
独立したいと思ったら知っておこう!

【連載 第2回】 個人事業のさまざまな形態
③「ネットショップ」

 独立したいと思ったら知っておきたい、個人事業の始め方。今回は、個人事業のさまざまな形態の中のひとつ、ネットショップについて解説します。

実店舗をもたずに商品を販売するネットショップ

 実店舗をもたずに、インターネット上で商品を紹介して販売する業種もあります。いわゆるネットショップです。

 ネットショップの魅力は、小さな初期投資で事業が始められること。インターネット環境と、商品を保管するスペースさえあれば、店舗を借りるための費用や内装工事代などがかからないので、効率的に利益を上げることができます。ホームページの作成や広告宣伝を外部の人に頼まずに自分で行えば、開業のための費用は仕入代金以外ほとんどかかりません。

 

 ただし、実店舗がないといっても、ネットショップに個性がなければお客様の心をつかめないのは、店舗型の小売店と同じです。ネットショップのコンセプトやターゲットを明確にして、商品の魅力を特定の人に効果的に伝えることが、ネットショップ成功のカギです。

 

 そのために欠かせないのはホームページの充実です。見やすくて扱いやすい商品の説明があるのはもちろんのこと、購入の目的がなくてものぞいてみたくなるような魅力的なページを作りましょう。

 

 また、ネットショップでは、「クレジット決済」「代金引換」「コンビニ後払い」など、いくつかの支払い方法を用意しておくことが必要です。決済サービスであるレンタルショッピングカートは必須です。

アクセス数の多さが成否のカギを握っている

 ネットショップの成否は、集客つまりアクセス数の多さにかかっています。しかし、「自社サイト」(お店のホームページ)のアクセス数を増やすのは容易なことではなく、SEO対策(検索サイトの検索結果で自社サイトを上位表示させること)、頻繁なSNS発信、ネット広告などに取り組まなければなりません。

 

 ネットショップで手っ取り早く集客を増やすのに便利なのが、楽天市場やYahoo!ショッピング、Amazonといった「ショッピング(EC)モール」への出店です。この場合、月額利用料や手数料を支払うことになりますが、知名度の高いモールに出店すれば、集客力が上がり、売上の拡大を期待できます。その反面、利用者の口コミに影響されやすく、競合他社と比較されて価格競争に陥りやすいというデメリットもあります。

 

 これに対して「自社サイト」は、ショッピングモールに支払う月額利用料や手数料などの費用がかかりません。さらに、個性的なサービスを打ち出しやすくなっています。ホームページの見せ方を工夫してお店のコンセプトを明確にすれば、ファンやリピーターを増やすこともできます。そのぶん集客には、大きな工夫が必要です。

ショッピングモールへの出店と自社サイトの比較

ショッピングモールへの出店

【💰費用】月額利用料などの費用がかかる。

【👪集客】多くの人の目に触れる機会が増える。

【💻デザイン】見せ方が決まっているので、個性を打ち出しにくい。価格やクチコミで競合他社と比較されやすい。

 

自社サイト

【💰費用】費用があまりかからない。

【👪集客】SEO対策、SNS発信、ネット広告などの活用が必要。

【💻デザイン】見せ方を工夫してお店のコンセプトを明確にできる。消費者へのインパクト。独自のサービスを打ち出しやすい。

出典 『図解わかる 個人事業の始め方 2023-2024年版』

本記事は上記出典を再編集したものです。(新星出版社/向山)

 

イメージ写真 Shutterstock

図解わかる 個人事業の始め方 2023-2024年版
宇田川敏正 監修
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宇田川敏正(ウタガワトシマサ)
宇田川税理士事務所所長(東京都港区新橋)。税理士、AFP(アフィリエイテッド・ファイナンシャル・プランナー)、登録政治資金監査人。大学卒業後、大手ゼネコン(総合建設業)に入社し、建築・土木の各工事現場の工事事務全般(経理・労務等)を担当。平成13年、税理士として独立開業。クライアントは、個人事業者から上場企業まで多岐に渡り、誰にでもわかりやすく、納得のいく税務・会計指導を行っている。平成24年11月、中小企業経営力強化支援法に基づく経営革新等支援機関に認定。

監修書に『経理の教科書1年生』『簿記の教科書1年生』『個人事業の教科書1年生』(すべて新星出版社)がある。
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