仕事でミスをしてしまった……! こんなとき、あなたは相手に対して適切なお詫びの言葉を使うことができますか? 今回は『読むだけで身につく敬語手帳』から、お詫びをするときの言い方について学びましょう。
上司や先輩に仕事のミスを詫びるときの言い方を覚えましょう。至らなさを素直に認めることで、心から反省の気持ちと、二度と失敗を繰り返さないという決意が相手に伝わります。
×👩「すみません。うっかりしていました」
↓
「配慮が足りず、申し訳ありません」
💭後に続く言葉の例
「二度とこのようなことがないように、注意いたします」
「うっかり」や「つい」という言葉は、気持ちがたるんでいたことの証明にもなるので、ビジネスシーンでは使ってはなりません。「すみません」は、「申し訳ありません」「申し訳ございません」と言い換えます。弁解の言葉をくどくど述べるのも禁物です。「以後、注意いたします」などと、反省の言葉をそえましょう。
「なんかいろいろと」では、何について謝罪しているのかがあいまいです。また、「迷惑をかけたみたいで」という言い方も、責任を感じていないような印象を与えます。責任が自分のミスであることを明確にして、「~の件では、わたくしの不注意でご迷惑をおかけいたしました」などと述べましょう。
×👩「すみません。すぐに直してきます」
↓
「ただいま直してまいります」
💭前に述べる表現(会話を円滑に進めるためのクッション言葉)
「申し訳ございません」
「ただいま直してまいります」と丁寧に言い換えます。「すみません」は便利な言葉ですが、会社生活の中では「申し訳ございません」を使うように心がけましょう。
×👩「ちょっとよくわかりません」
↓
「わたくしの勉強不足で、申し訳ございません」
💭後に続く言葉の例
「すぐに調べてご報告いたします」
「わかりません」では、当事者としての意識が欠けているような印象を与えます。「すぐに調べてご報告いたします」などと、次の行動を約束しましょう。
×👩「すみません。忙しかったもので、つい忘れてしまいました」
↓
「申し訳ございません。失念しておりました」
💭言い換え文例
「大事なことを聞き落としていたようです」
「失念する」は、「忘れる」の謙譲語。聞いたはずのことを忘れてしまったときは、「聞いていませんでした」ではなく、「聞き落としていたようです」と言い換えましょう。
『読むだけで身につく敬語手帳』では、社会人として必要な正しい敬語の使い方をわかりやすく解説しています。常備しておくと便利ですよ。
出典 『読むだけで身につく敬語手帳』
本記事は上記出典を再編集したものです。(新星出版社/向山)
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産業能率短期大学、専修大学卒業。総合商社の常務付秘書、専門学校の秘書科講師を経て、平成3年にクロスポイントを設立。産業能率大学では、敬語をはじめとしたビジネスマナー、秘書検定、サービス検定を担当。また、企業の秘書研修、管理職の作法等を中心に研修講師として活躍。
秘書検定準1級面接試験委員、ビジネス実務マナー検定試験委員、サービス接遇検定運営委員を経て、実務技能検定協会 評議員、秘書・サービス教育学会監事を歴任。