心臓は、体の左にあると、よくいわれます。これは、心尖部という心臓の一番尖った部分が左の乳頭の下あたりにあり、比較的体表面に近いところに位置するからです。心音を聴くために医師が聴診器を当てる場所です。実際の位置は左右の肺に包まれるように、胸部の中央からやや左寄りにかけてあります。
大きさは握りこぶしよりもやや大きめで、重さは約200~350g。右心房、右心室、左心房、左心室の4つの部屋に壁で仕切られています。心房と心室の間には、それぞれ弁があります。
心臓の役割は、全身に血液を送ることです。血液が全身をめぐって右心房に戻り、右心室に送られた後、肺動脈を通って肺に流れ込みます。ここで酸素を受け取り、血液は肺を出て、肺静脈を通って左心房に移動します。
酸素を十分に含んだ血液は、左心房から左心室へと移動して、再び全身へ流れていきます。このため、心臓はポンプのように伸縮を繰り返して血液を循環させています。この伸縮のことを拍動と呼び、自律神経により支配された無意識の活動です。
伸縮の命令を出すのは脳ではなく心臓であり、右心房にある洞房結節です。たとえ脳の機能が停止しても、脳死のような生命維持の状態が続くのはこのためです。
拍動回数(心拍数)は、成人の安静時で60~80/分程度、運動時には120~180/分程度に上がります。運動すると心拍数が増えて全体としての心筋の酸素消費量は増えますが、1心拍あたりの消費量はむしろ減り、苦しくなります。
スポーツ選手は、トレーニングにより1回の拍動で送り出される血液の量(1回拍出量)が増え、運動しても心拍数が上がりにくくなるため苦しくなりにくいといわれています。
Q1 心臓の重さって、どのくらい?
①約140~150g(野球の硬式ボールの重さくらい)
②約200~350g(グレープフルーツ1個分(300g)くらい)
③約350~400g(豆腐1丁分(400g)くらい)