いまではすっかりなじみの、インターネット証券。どのようにすれば口座を開設できるの?利益を得るにはどういった方法があるの?どうすれば株の値段は上がるの?などなど、初心者にとってはわからないことばかり。
『マンガでわかる最強の株入門』より、今回は「チャートで売買のタイミングを計ろう!ローソク足の基本パターンとは?」について紹介します。
未来の株価を予測できる
将来、買った株が値上がりするかどうかは結果が出るまでわかりません。「この株は値上がりするだろう」と予測して買っても、逆に値下がりして損失を被ることも珍しくありません。そこで株価予測の精度をできるだけ高めるために大きな威力を発揮するのがチャートを使ったテクニカル分析です。
テクニカル分析ではチャートに表示された過去の価格、出来高、時間軸などから、未来の価格を予測します。テクニカル分析を学べばローソク足の形状や、複数の組み合わせから投資家の行動を読み解くことで、チャートの「買いシグナル」「売りシグナル」を発見して売買のタイミングを見極められるようになります。
株価の動きを表すチャート
チャートとは過去の株価の動きをグラフ化したものです。下図は、ローソク足チャートと言って一般的なチャートの1つです。ローソク足では「高値」「安値」「始値」「終値」の4つの株価を記しています。陽線の場合は胴体の上部が終値、下部が始値になり、陰線の場合は終値と始値が入れ替わります。このようにローソク足は胴体やヒゲの形状によって、複数の価格を示しています。
「陽線」と「陰線」
1つ1つのローソク足は、その形状によっていくつかの種類があります。例えば、胴体部分の長短によって「大陽線」「小陽線」「大陰線」「小陰線」にわけられます。
大陽線は胴体が長く、目安として始値から終値まで5%ほど上昇したときに現れたローソク足のことをいいます。また大陽線と小陽線には明確な線引きがなく、およそ上昇幅が3%以下のローソク足を小陽線といいます。
大陽線は一般的に相場が強いシグナルとなり、今後も株価が上昇することを示唆しています。ただし高値圏と底値圏、上ヒゲ下ヒゲの有無や長さで意味合いが異なってきます。大陰線と小陰線も同様の区別になります。
胴体のないローソク足「十字線」
始値と終値が同じ価格だったときに現れるローソク足を「十字線」といい、株価が動きづらい「保ち合い」の状況を示しています。十字線で重要なのはヒゲの長さです。長い下ヒゲは、株価が大きく下げたもののその後急反発したときに現れ、株価がそのあとも上昇しやすい状況を示します。逆に、上ヒゲの長い十字線は株価が大きく上昇したものの急落したために現れたもので、株価が下落しやすい状況といえます。
位置によって意味が異なる
チャートから株価の動きを予測し、買いのタイミング、売りのタイミングを見つけましょう。株価が上昇するとき、あるいは下落するときには、いくつかのシグナル(予兆)が現れます。まずは、1つのローソク足が示す状況を把握しましょう。
陽線が続けて現れれば、株価は上昇局面にあると見ていいでしょう。特に柱部分が長い「大陽線」は先行き上昇が続くシグナルです。ただし、長らく上昇が続き、すでに高値圏にあるときは反落の兆しとなるケースもあるので注意が必要です。大陽線の次に出るローソク足に注目しましょう。
反対に陰線は下落のシグナルですが、長らく下落が続いた後に現れる「大陰線」は反転上昇の予兆となるケースもあります。
予測の精度が高まる
前述したように、1つのローソク足でも株価の先行きを予測することは可能です。しかしもっと予測の精度を高めるには複数のローソク足を組み合わせてみることが必要です。
2本のローソク足より3本、4本……と絡めるとより精度が高まります。まずは2本の組み合わせからチェックしてみましょう。
はらみ線には上げと下げのサインがある
2本のローソク足の組み合わせの1つに、「はらみ線」があります。はらみ線とは、最初に現れた大きいローソク足の次のローソク足が前のローソク足の柱の部分に収まっている形のことをいいます。陽線と陰線の組み合わせによって4つのパターンに分けることができます。
1つ目は大陰線の中に小陰線が収まる「陰の陽はらみ」。2つ目は大陰線の中に小陰線が収まる「陰の陰はらみ」。3つ目は大陽線の中に小陰線が収まる「陽の陽はらみ」。4つ目は大陽線の中に小陰線が収まる「陽の陰はらみ」です。
底値圏で現れた「陰の陽はらみ」や「陰の陰はらみ」は買いシグナルとなります。逆に高値圏で現れた「陽の陽はらみ」や「陽の陰はらみ」は売りシグナルとなります。
ここまで、チャートの見方とローソク足の見方について解説しました。これらを見ながら買いシグナル・売りシグナルの細かい合図を見ていく方法もあり、それらについては本書『最強の株入門』に詳しく載っています。まずは基本的な知識を身につけて、億り人を目指しましょう!
次回、最終回は、「株価の動きの探り方」「億り人になれる人・なれない人」をお届けします。
※本記事は、下記出典を基に再編集したものです。(新星出版社/向山)