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2020.05.15
📒Fun-Life!講座

知的家事プロデューサー 本間朝子先生の 【自宅を上手にオフィス化するコツ】

 

 今回の新型コロナの影響による外出自粛要請をきっかけに、今まで経験したことのなかった在宅ワークを実施している多くの方から、さまざまな悩みが聞かれるようになりました。

 「家にデスクがないので作業スペースを作るのが大変」「家族も在宅勤務になり、子どもも家にいる。声をかけられるので、作業が中断してしまう」「資料を置く場所がない。紙類がすぐに散らかってしまう……」など。

 

 そこで今回、家事の効率化に役立つメソッド「知的家事」を考案し、数多くのメディアや講演等で提案をしている知的家事プロデューサー、本間朝子先生に「自宅をオフィス化させるアイデアとコツ」についてお話いただきました。

【講師紹介】

 

本間 朝子先生

 

知的家事プロデューサー。自分自身が仕事と家事の両立に苦しんだ経験から、家事の効率化に役立つメソッド「知的家事」考案し、メディアや講演等を通じて提案している。TV・ 雑誌出演、講演多数。『らくコツ&時短テクが身につく! 家事ドリル』好評発売中!

👉知的家事プロデューサー「本間朝子オフィシャルサイト」

 

講演の様子

 

 みなさんこんにちは、知的家事プロデューサーの本間朝子です。ご自宅で仕事をする上で、みなさんはどのようなお悩みをお持ちですか? 今回のような、急な在宅ワークへのシフトから、ストレスを抱えているという声を多く聞くようになりました。その内容は物理的なストレス、心理的なストレスともにいろいろあります。

 そこでこのたび、「どうしたらより快適な空間・時間設計ができるのか?」をテーマに、ちょっとしたアイデアとコツをお話したいと思います。

急な在宅ワークへのシフトにより、多くの人がストレスを抱えている

「スイッチ タスク」は脳の疲労を増大させる

 

 在宅ワークの増加により、自宅で仕事・家事を両立させ、さらに育児もこなさないといけなくなっている方も多くいらっしゃると思います。それら複数のことを常に意識しながら、あれもこれもと並行してこなそうとすると、瞬時に頭を切り替える「スイッチ タスク」になります。

 スイッチ タスクは脳の負担を増やすことにつながり疲労が増大、その状態を続けていると、結果的に能率が下がってしまいますので、なるべく1点に集中して物事を行う「シングル タスク」にする工夫を取り入れることがとても大切です。

 

  では具体的にどうしたらよいのでしょう? 考えるポイントは次の3点です。

 

1.環境の整備

2.時間の管理

3.コミュニケーションの工夫

 

 これらをできるだけ改善していくことがとても大切です。それではさっそく、順を追って解説します。

 

 

1.環境を整備するための工夫

空間の仕切り方

 

  人それぞれ居住環境は異なりますが、なるべく仕事の空間と生活の空間を分けることを意識することが大切です。

 

 最も理想的なのは、仕事用の部屋をつくること。これができれば、オフィスに通うような感じで空間を区切ることができますし、書類などで散らかる範囲を1か所に固めることができます。

 

 いまは様々な企業が家具のレンタルを行っています。配送料はかかってしまいますが、ひと月1000円台から利用できるものもありますので、専用のデスクを持っていないけれど購入するまでには至らない、という方は、お試しで活用するのもよいでしょう。

 

 また、押入れのあるお宅は、思い切って利用するのもいいかもしれません。子どものころに押入れをベッドや机代わりにした方も中にはいらっしゃるのでは?ここでそれを再現してみるのも悪くないと思います。

 

 とはいっても場所がない、お子様も家にいるなどが理由でやむを得ずリビングルームで仕事をしている、という方も多いと思います。そのような場合は、なるべく「家の一角を仕事場として使う」ことをお勧めします。ポイントは、生活動線の邪魔にならないような場所で作業をすること。

 

 部屋の中央にテーブルを置いてしまうと、生活動線とぶつかってしまうので、何かモノを取りに行くたびに家族とぶつかったり、テレビ電話会議のたびに背景に誰かが映り込む、ということにつながってしまいます。それを防ぐためにも作業スペースは角に取るようにしましょう。そうすることで、資料が散乱する範囲も狭くなります。

 

 ご家族と同じ空間にいる方は、物理的な区切りを設けるのも一つです。仕事をする時間だけ床にパーテーションを置いてみる。お子様も一緒にダイニングテーブルで作業をしたいときには、テーブルの上に囲いを置いてみる。これだけでも個室空間が生まれ、集中しやすくなります。市販品もありますし、手作りでもよいと思います。

 

 幼児のいるご家庭では、おもちゃが散乱するのを防ぐ工夫として、レジャーシートや折り畳み式の円形のプレイマットを敷き、その中でなら、いくらおもちゃを広げてもいいよ、ということにすれば、後片付けがラクになります。なかにはマットに線路などのイラストが描かれているものもあり、それ自体が遊ぶ道具として使えるものも。エリアを区切る工夫をしてみましょう。

 

 

仕事をする時間だけ床にパーテーションを置いてみる

 

 

テーブルに仕切りを作ってみる

すぐに散らかってしまうペーパー類の整理法

 

 すぐに散乱してしまう資料などの紙類。ある調査によると、オフィスの文書のうち、廃棄してもよい紙類は全体の50%、書庫での保管に向く紙類は30%、つまりすぐ使うものや、そばに置いておくべきものは全体の20%程度なのだそうです。

 

 紙類は放っておくとどんどんたまってしまうので、どうしても必要なものだけを残しておいて、あとはなるべくデジタルと併用するのが好ましいでしょう。

 

 よくある例は、出力した紙類がすぐに見つからず、また出力してしまう…、そして紙類がまた増えていく、そしてまた見つからない…という悪循環です。出力した紙類は、データがパソコンにありますので、業務が終わったら処分してOKと考えます。すぐ処分するのが難しければ、捨てるまでの期限を設定しておくのがよいと思います。

 デジタル化のツールとして、私は「Evernote」というメモアプリを多用しています。スキャンしたデータからテキストを検索できるOCR機能がついているので、目的の文書がすぐに探せてとても便利。また、パソコンの本体にはなるべく保存せず、クラウドに保存するようにしています。

 

 また、日々いろいろな用件や情報が入ってきますが、ここで重要なのは、情報が入ってくる場所を1カ所にまとめておくこと。「細かい用件はこのメモ帳に」と決めておき、毎日リセットします。長期的な内容であればそれはスケジュール帳に移し、メモ帳を空にすること。そうすることで常に必要な情報だけをすぐに取り出せるようにしておくことができます。

 

 場所を取る本については、「不要になったらいつか古書店に売りに出そう…」とせず、引き取りにきてくれる店舗で、日時を先に予約してしまうのも手。期限を決めてしまえば、それまでに動かないといけなくなり、何とか片付くものですよ。

 

 それでも置き場がない!少しでも棚のスペースを空けたい、とお悩みの方は、一度、家にある家電製品の取扱説明書などを見直してみてください。今は、企業のホームページにも取扱説明書のPDFがアップされています。もし同じものがあれば、わざわざ重い説明書を保管しておく必要はありません。それらを処分するだけでも棚の1つ2つは空けられるかもしれません。

 

 

 

2. 時間を管理するための工夫

「オンとオフ」の区切りをつけるためのちょっとした工夫

 

 次に時間の管理についてお話します。「シングル タスク」にするためには、「オンとオフ」の区切りをつけるための工夫が必要です。

 

 そこでお勧めなのは、トレイやファイルボックスに、「その日に使う仕事道具を入れて持ち運びできるようにしておき、仕事が終わったら入れ物ごと収納してしまう」という方法です。その日に使わない書類は、収納ボックスなどに入れておき、仕事のスペースに持ち込まないようにします。

 こうすると、仕事をしていない間もずっと仕事道具が出たままになることを防げ、気持ちの仕切りをつくることができます。

 また、書類の置き場所はなるべく1か所にすること。棚や引き出しの範囲を決め、「ここは仕事用」としておくと、出し入れもスムーズになります。

 

 

棚や引き出しの範囲を決め、「ここは仕事用」と区切っておく

 

 

 

その日に使う仕事道具を入れて持ち運びできるようにしておき、仕事が終わったら入れ物ごと収納する

 

 

 

その日に使わない書類は収納ボックスなどに入れておき、仕事のスペースに持ち込まない

 

 

 

家族がいる中で仕事をしなければならない場合

 

 仕事中に家族から声をかけられ、作業が中断してしまうとくに小さなお子様のいるご家庭では、お子様に「あそぼう!あそぼう!」と頻繁に言われて仕事に集中することができない方も多いと思います。小さなお子様相手に「もうちょっと待っててね」という“感覚の言葉”は子どもには通じません。

 

 そこで、工夫の一つとしてお勧めするのが、「残り時間が見えるタイマー時計」など、可視化できるツールを使うことです(市販されています)。視覚で確認することができれば、お子様も「あとどのくらい待てばいいのか」がすぐわかりますので、「そこまで待ったら遊ぼうね」、と言うことができます。また、「チャイムの音」や「あと何分!」と音声で知らせてくれるスマホアプリもあり、私はそれらを使用しています。とても便利ですよ。

 

 

目に見えない時間は、可視化する時計や音声で知らせるアプリを使うのも工夫のひとつ

 

 とはいっても日中、家族がいる中で仕事をするのは至難の業。集中しないといけない仕事、重要度の高い仕事はなるべく家族との生活時間帯を外し、思い切って朝のうちに片づけるとよいでしょう。

 

 

3. コミュニケーション方法の工夫

 家庭内コミュニケーションのお悩みで大きな割合を占めるのが、家族との「家事シェア」についてです。妻にばかり負担がいき、夫への不満が募っている、という声も多く聞かれます。日常的に行っている家事は目に見えないものばかりですが、それをあえて一覧表に書き出すことで、現在のシェア状況を“見える化”します。それを夫に見せて、理想の割合を話し合い、いくつかの項目を担当してもらいましょう。

 

 

家事シェアリストの例

 

家事の内容を一覧表に書き出すことで、現在のシェア状況を“見える化”する

 

 また、家事の中でも回数が多い料理は、ホットプレートを使って夫や子どもに活躍してもらうのもいいですね。声掛けをしてみんなで楽しめる場を増やすことができれば、ストレスも和らぎます。

 

 小さなお子様がいるご家庭では、お子様と遊ぶ時間帯を仕事が終わってからにせず、思い切って先にもってくるのもいいかもしれません。そのためには仕事の内容をある程度細かく分けておき、時間単位で行動するなど、(会社の規則内で調整できるよう)臨機応変に行動の時間帯を変えてみることが必要です。

 

 

モチベーションを高める

 ここまで、おもに物理的な面からお話してきました。最後にみなさんにお伝えしたいこと、それは ”モチベーションの高め方’’ です。

 

 同じ仕事をやるのなら、気持ちを高めて取り組みたいもの。「売り上げを○割伸ばして、みんなでおいしいビールを飲むぞ!」「大ヒット商品を生み出してチームで賞をもらうぞ!」「お客様をビックリさせるぞ!」と、単なる目標だけでなく、それを成し遂げた時のハッピーな姿もプラスで思い描くと、やる気がアップします。なにをいまさら…と思わないでください(笑)。気持ちの持ち方ひとつで仕事への取り組み方も変わると思います。ぜひ試してみてくださいね。

成し遂げた時の姿を思い描いて取り組んでみて

 

 

取材・文/向山邦余

本間朝子(ホンマアサコ)
知的家事プロデューサー。仕事と家事の両立に苦しんだ経験から、家事の効率化に役立つメソッド「知的家事」を考案し、メディアや著書、セミナーを通じて提案している。著書に『ゼロ家事』(大和書房)『「名もなき家事」を楽しく減らす法』(王様文庫)『本間式 置くだけ片づけ』(エクスナレッジ)『写真で分かる! 家事の手間を9割減らせる部屋づくり』(青春出版社)『ムダ家事が消える生活』(サンクチュアリ出版)などがある。

知的家事プロデューサー「本間朝子オフィシャルサイト」
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