
「話がうまくまとまらない」
「いつも同じ人ばかりが話している」
会議のまとめ役であるリーダーの多くはこうした悩みを抱えているのではないでしょうか?
リーダーシップを取り、議論をまとめ方針を決めいたときと思ったときやいつもは議論に参加しない部下からの意見を聞きたいときなど、いつも通りの会議ではうまくいかないことも多いと思います。
こうしたときに変化をもたせる方法があります。日本ビジネス心理学会会長の齊藤勇さんの著書『本音を見抜く心理学 改訂版』(新星出版社)から一部抜粋・編集して紹介します。
アメリカの心理学者スティンザーは、リーダーが注意すべき会議についての3つの効果を発見しました。
(1)意見の対立する相手は会議でも口論相手の正面に座りたがる。
(2)最初の意見の次にされる発言は、多くの場合反対意見。
(3)リーダーの力が弱いときは正面同士で私語が起こり、強いときには隣同士で私語が起こる。
さまざまな意見が飛び交う意見をスムーズにまとめるには、座る席の位置も重要です。イラストのA~Cの中で、座るのに一番適した席はどこでしょう。
会議をスムーズにまとめるために最も適した席は?
リーダーシップを発揮しやすくなるのは、全体の様子を見渡せる場所。よって、Aが最もまとめ役の席として適しています。また、Bの席はメンバーへのフォローに回りやすい位置なので、補佐役に座ってもらうとよいでしょう。
また、席の選び方ひとつにも、深層心理が表れます。人それぞれの「座りやすい席」でその人の性格がわかります。
【角の席】
グループに参加したくない、もしくは疎外感を感じている人は、角の席を選びます。
【真ん中の席】
協調性の高いタイプの人は中央の席に座ります。他のメンバーに対するまんべんない関心を表しています。
【お誕生日席】
リーダーシップを示したい人は、座っている人全員を見渡せる「お誕生日席」を選びます。
このように、座った席によってその人の気持ちに変化が見られることもあります。全員から注目されやすい「お誕生日席」に座ると引っ込み思案の人でもまとめ役として発言数が増えます。
反対に、普段はリーダー気質の人でも、声が届きにくい角の席になると意見を出す量が減り、傍観者になる傾向があります。
部下や後輩から自由に意見を出してもらいたいとき、どちらのテーブルの方が話しやすい空気を作れるでしょうか。
(1)角テーブル
(2)丸テーブル
丸テーブルは上座、下座が生まれにくく、メンバー全員に公平感が生まれます。また、円形は辺が連続しているため、人との境界を感じにくく、連帯感も持ちやすくなります。
このようにテーブルの形によっても座る人の心理に微妙な変化が生まれます。角テーブルはリーダーシップを発揮しやすいので話がまとまりやすく、丸テーブルは上座が作りにくいことから公平感が生まれ、意見交換が活発になります。
また、議論を活発にさせたいときは小さめのテーブルで座る間隔を詰めたり、狭い部屋を使うと効果的です。
このように、席の選び方ひとつにも、深層心理が表れます。ひとそれぞれの「座りやすい席」でその人の性格がわかるのです。内容だけでなく、環境にも気を配ることで話を有利に進めましょう。
