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2022.10.07

筋肉UP、ダイエット、美髪・美肌に!
【理想のボディづくりに欠かせない「タンパク質」のおはなし】

 筋肉をつけたい人だけでなく、きれいに痩せたい、美しい髪や美しい肌になりたいという人にも欠かせない栄養素、タンパク質。

 今回は『栄養素図鑑』から、タンパク質の種類や働きについて、わかりやすく解説します! 解説者は、【免疫力アップ! 鼻や喉、肺などの粘膜の材料となり、ウイルスの侵入を防ぐ! ビタミンAのおはなし】で登場した腸内会長(腸内快調)さんです。

体の材料になる栄養素

 

 三大栄養素の一つである「タンパク質」。英語では「プロテイン」、スポーツをやっている人たちには、とくになじみのある言葉だね。

 タンパク質は筋肉や皮膚、内臓、髪の毛、血液など体のあらゆる部分をつくる材料になっている。その種類はなんと10万種類以上といわれているんだが、じつは約20種類のアミノ酸という栄養素が、さまざまな形で組み合わさってできているんだね。そのうち、体内で十分な量を合成できない9つのアミノ酸のことを「必須アミノ酸」、アミノ酸や脂肪、糖を使って体内で合成できる、残りの11種類のことを「非必須アミノ酸」というんだ。いずれも必要ではあるんだが、とくに必須アミノ酸は体内で合成できない分、食事で摂らなくちゃいけないんだね。

 人間の体の約20%を占めているタンパク質は筋肉や内臓などの材料になるだけでなく、消化器官や脳神経系の機能を調節するホルモンをつくったり、代謝に欠かせない酵素をつくったり、病気と戦う免疫抗体をつくったりする材料にもなり、じつに重要な働きを担っているんだ。

 

 こんなに大切な栄養素だというのに、体のなかに貯蔵庫がないんだな。だから毎日、欠かさず摂ることが必要になってくるんだよ。ちなみに、ほかの三大栄養素である脂質と糖質には貯蔵庫がある。体が必要な量だけ使って、余分に残ったものは中性脂肪となり、脂肪細胞に蓄えられるんだよ。

「何から摂るか」も大切

 

 アミノ酸で構成されているタンパク質だが、体内で十分に合成することのできないアミノ酸=必須アミノ酸については不足しないよう注意する必要があるんだったね。不足すると新しい髪の毛や皮膚がつくられないために、抜け毛や肌荒れが起きてしまうよ。また、筋肉が減って太りやすくなったり、免疫力低下により風邪をひきやすくなったりするんだ。

 

 だからといって、タンパク質を多く含む食品をただたくさん食べればいいかというとそんなことはない。じゃあ、何を食べればいいのかって? そうだね、なかなか難しい。そこで登場するのが「アミノ酸スコア」。スコアって、ボウリング? ゴルフ? いやいや、「食品に含まれる必須アミノ酸のバランス度がわかる採点表」といえばいいかな。数値が100に近ければ近いほど、すべての必須アミノ酸をバランスよく含んでいる食品というわけだ。

 

 ところでタンパク質には「動物性タンパク質」「植物性タンパク質」があることは知っているよね。動物性タンパク質は一般に肉、魚、卵など、要するに動物から摂れるタンパク質だね。一方、植物性タンパク質は大豆や穀物、野菜などに含まれるタンパク質のことだ。脂質が少なそうな植物性タンパク質のほうがいいように思うかもしれないが、一概にそうともいえない。動物性タンパク質のほうがアミノ酸スコアは高いんだよ。おおざっばに、動物性タンパク質のアミノ酸スコアは100と覚えておこう。

 ちなみに白米は大豆に多く含まれているリジンというアミノ酸が少なく、大豆に少ない含硫アミノ酸を多く含んでいる。“納豆ご飯” は、お互いに不足しているアミノ酸をカバーしあう、理にかなった栄養食といえるよ。

摂り過ぎは禁物

 

 タンパク質は体内に貯蔵庫がなく、余ったら尿として体の外へ捨てるしかない。そうなると腎臓に負担がかかるので機能低下を引き起こしてしまうことがあるんだ。高齢者での摂り過ぎは食欲不振や嚥下障害、体力や免疫力低下による感染症や合併症を誘発することもあるから気をつけたいね。

 またタンパク質が豊富な食品は比較的カロリーが高め。ダイエット中の人や、筋肉を育てるため、意識的にタンパク質を摂っている人は注意が必要だね。結果的にカロリーオーバーで肥満を招くことにもなりかねない。脂質の少ない食品を選んで油を控える調理法を工夫し、低カロリー高タンパクの食事を心がけよう。

📝やってみよう!復習テスト

🔹タンパク質は筋肉や皮膚、内臓、髪の毛、血液など体のあらゆる部分をつくる材料になっており、人間の体の約(A)%を占めている。

 

🔹タンパク質は筋肉や内臓などの材料になるだけでなく、消化器官や脳神経系の機能を調節する(B)をつくったり、代謝に欠かせない(C)をつくったり、病気と戦う免疫抗体をつくったりする材料にもなり、じつに重要な働きを担っている。

 

🔹タンパク質は約20種類のアミノ酸という栄養素が、さまざまな形で組み合わさってできている。そのうち、体内で十分な量を合成できない9つのアミノ酸を(D)といい、体内で合成できる、残りの11種類のことを(E)という。

 

🔹タンパク質には肉、魚、卵など、動物から摂れる(F)と、大豆や穀物、野菜などに含まれる(G)がある。

答え

A 20
B ホルモン
C    酵素
D 必須アミノ酸
E 非必須アミノ酸
F  動物性タンパク質

G 植物性タンパク質

 

あなたはどのくらいできましたか? 次回の授業もお楽しみに!

📕『世界一やさしい! 栄養素図鑑』では、個性あふれる楽しい栄養素キャラが次々に登場。これまでにないわかりやすさで紹介しているので、どんどん読み進めることができます。ぜひ読んでみてくださいね。

出典 『世界一やさしい! 栄養素図鑑』

イラスト 松本麻希

※本記事は、上記出典をもとに一部加筆・再編集したものです。(新星出版社/向山)

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牧野直子 監修/松本麻希 イラスト (プロフィールは下記参照)
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牧野直子:料理研究家、管理栄養士、ダイエットコーディネーター。「スタジオ食(くう)」代表。東京生まれ。女子栄養大学卒業。大学在学中より栄養指導や教育に携わる。おいしく体にやさしく元気になるレシピや、健康的なダイエット方法などを提案し、TV、ラジオ、雑誌、書籍や料理教室、セミナーなどで幅広く活躍中。『料理の教科書 ビギナーズ』(小社)、『本番まで風邪をひかない!元気塾弁』(女子栄養大学出版部)、『牧野直子のヘルシーうちめし』(産経新聞出版)など著書も多数。(書籍刊行時)
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