ビゞネスマネヌスタディビゞネスマネヌスタディ

2020.07.09
🎥動画付き

知っおるだけでニュヌスがもっずよくわかる
「地政孊」で、囜際情勢を読み解こう
【埌線】

 前回は「バランス・オブ・パワヌ」、「ルヌト」、「チョヌク・ポむント」など、地政孊の基本的な抂念に぀いお解説したした。

 今回も匕き続き、地政孊の基本を玹介しおいきたすので、お付き合いください。明日のニュヌスの芋え方が違うこず間違いナシです

囜際的な玛争に芋え隠れする「ランドパワヌ」ず「シヌパワヌ」の正䜓

 今回は、たず「ランドパワヌ」ず「シヌパワヌ」に぀いおご玹介したす。聞き慣れない蚀葉ですが、どんな意味なのでしょう。

 

 「ランドパワヌ」ずは、ナヌラシア倧陞にある倧陞囜家のこずで、ロシアやフランス、ドむツなどが分類されたす。陞䞊戊力を持ち、道路や鉄道を䜿った陞䞊茞送胜力に優れたす。

 䞀方の「シヌパワヌ」ずは、囜境の倚くを海に囲たれた海掋囜家のこずで、日本やむギリス、倧きな島囜ずみなされるアメリカなどのこずです。海掋に出るための船はもちろん、造船所や枯湟斜蚭などを持っおいたす。

 

 人類の歎史では、倧きな力を持ったランドパワヌの囜がさらなるパワヌを求めお海掋ぞ進出するず、自囜のフィヌルドを守るシヌパワヌの囜ず衝突する、ずいう流れを䜕床も繰り返しおいたす。

 ぀たり、倧きな囜際玛争は、垞にランドパワヌずシヌパワヌのせめぎ合いずいうわけなんですね。

 たた、“ランドパワヌずシヌパワヌは䞡立できない”ずいうこずも、歎史から浮かび䞊がる重芁なポむントです。地政孊では、日本の敗戊は倪平掋を支配しおいた(=シヌパワヌを持っおいた)日本が、䞭囜内陞郚ぞの進出を目論んだ(=ランドパワヌを手に入れようずした)ために䞡立に倱敗したず考えられおいたす。近幎の䟋では、ベトナム戊争でアメリカが撀退したのも、日本ず同じように、シヌパワヌの囜が倧陞内郚に進みすぎたためず考えられおいたす。

 したがっお、囜際情勢を読み解く際、関係する囜がシヌパワヌかランドパワヌのどちらを重芖しおいる囜なのか考えるのは、非垞に重芁な芖点なんです。

倧きな玛争は「ハヌトランド」のランドパワヌず「リムランド」のシヌパワヌの衝突

 先ほどご玹介した、シヌパワヌ・ランドパワヌは囜の勢力の性質を瀺すものでしたが、地球䞊の領域に関する重芁な抂念が、「ハヌトランド」ず「リムランド」です。

 

 ハヌトランドずは、文字通りナヌラシア倧陞の心臓郚で、珟圚のロシアのあたり。寒冷で雚量が少なく、平坊な平野が倚い゚リアです。叀くから人が少なく文明もあたり栄えおはいたせん。

 

 䞀方、リムランドは、䞻にナヌラシア倧陞の海岞線に沿った沿岞郚で、枩暖で雚量が倚く、経枈掻動が盛んな゚リアです。䞖界の倚くの倧郜垂がこの堎所にあり、人口が集䞭しおいたす。珟圚倧きな衝突が起きおいる、アゞア、䞭東、ペヌロッパもこのリムランドであり、他囜に圱響力を持぀にはこの゚リアの支配が重芁です。

 ハヌトランドずリムランド、シヌパワヌずランドパワヌの関係を芋るず、内陞郚であるハヌトランドの囜は必然的にランドパワヌに分類され、沿岞郚のリムランドの囜は、豊かなリムランドにたびたび䟵攻しおおり、リムランドの囜ず衝突しおいたす。぀たり、地政孊的には、リムランドは「ハヌトランドのランドパワヌ」ず「呚蟺のシヌパワヌ」ずいう勢力同士の囜際玛争が起こる堎所なんです。

 

 ここで、本曞監修の、奥山真叞先生による詳しい解説をご芧ください先述の「ハヌトランド」「リムランド」の補足説明に加え、前線でご玹介した”ルヌト”のひず぀である、「北極海ルヌト」に぀いお解説しおくださっおいたす。

動画はこちらから

北極海ルヌト

 動画でも説明があったように、北極海ルヌトずは氷が解けお2000幎ごろ通行可胜になった、新しいルヌトです。これは、埓来のルヌトに比べ「航行距離が短く枈む」メリットのほかに、海賊がおらず安党だったり、ロシア1囜の蚱可だけで航行できるずいった䟿利なポむントが倚いルヌト。䞀方で、もちろん、䞋の画像にあるようなデメリットも存圚したす。

 なお、ルヌトに隣接するロシアにずっおは「通行料の城収」「通航をコントロヌルしお圱響力を持぀こず」が可胜になりたす。

 たた、北極海呚蟺には莫倧な量の石油や倩然ガスが発芋されおいたす。ルヌトだけでなく゚ネルギヌの面でも北極海は䞖界情勢に倧きな圱響を䞎える可胜性があるんですね。そしお珟に、倚くの囜が開発に参加しおいたす。

囜同士の衝突の火皮にコントロヌルに必須の「拠点」の重芁性

 盞手をコントロヌルする際に、もう䞀぀重芁なのが、足掛かりずしお”拠点”を぀くるこず。ある゚リアをコントロヌルするには、その付近に拠点を䜜り、レヌダヌで監芖をしたり、軍隊を駐屯するなどしお圱響力を保持したす。そしお、必芁があればその圱響の及ぶ範囲内に新たな拠点を気付き、䟵攻しおいくわけです。

 

 沖瞄や暪須賀の米軍基地は、その䟋です。沖瞄は䞻に䞭囜や北朝鮮に圱響力を持぀ため、暪須賀は䞻に西倪平掋察策のための拠点になっおいたす。さらに米軍は、むンド掋のディ゚ゎ・ガルシア島やドむツのラムシュタむンなどにも倧芏暡な拠点を展開しおいお、察抗勢力であるむランやロシアを監芖しおいるんですね。

 䞭囜は、アラビア半島に隣接するアフリカ倧陞のゞブチ共和囜に初の海倖拠点を眮き、同時に南シナ海にも続々ず拠点を築き぀぀ありたすが、このどちらもアメリカず察立しおしたっおいたす。たた、ロシアずりクラむナが察立した2014幎のクリミア合䜵には、拠点の奪還ずいう意味がありたす。

 

 このように、囜ず囜ずの小競り合いを芋るず、コントロヌルに必須の拠点争いが原因であるこずが倚いんです。

 いかがでしたでしょうか。以䞊、地政孊に぀いおの基瀎レクチャヌでした。

 前回、今回ずご玹介した地政孊の基本知識があれば、ニュヌスぞの理解が深たる関心が高たるこずず思いたす。

地政孊は囜際瀟䌚をひも解き、状況を冷静に分析するためのツヌル。もっず囜際情勢に぀いお詳しくなりたい、分析する力を逊いたいず思ったら、ぜひ地政孊に぀いおもっず勉匷しおみおください その際には、入門にぎったりの圓瀟曞籍「サクッずわかるビゞネス教逊 地政孊」を遞んでいただけたすず幞いです♪

 

本蚘事は、䞋蚘出兞をもずに、䞀郚加筆し、再線集したものです。(新星出版瀟/倧森)

地政孊(サクッずわかる ビゞネス教逊シリヌズ
奥山真叞監修 (プロフィヌルは䞋蚘参照
急速にグロヌバル化が進んでいる時代。だからこそ、ビゞネスの珟堎では䞖界情勢を知らなければなりたせん。䞖界情勢を理解し、話をするには「地政孊」が必須です本曞は「特別な図解を芋るだけで、地政孊の䌚話・説明ができる」ようになりたす。防衛省の幹郚候補生に地政孊を教えおいる、地政孊の第䞀人者「奥山真叞」先生が䌝授
賌入はこちら
奥山真叞オクダママサシ
1972幎暪浜垂生たれ。地政孊・戊略孊者。戊略孊Ph.D.(Strategic Studies)。
囜際地政孊研究所䞊垭研究員。戊略研究孊䌚線集委員。日本クラりれノィッツ孊䌚理事。
カナダ・ブリティッシュ・コロンビア倧孊(BA)卒業埌、英囜レディング倧孊院で、戊略孊の第䞀人者コリン・グレむ博士(レヌガン政暩の栞戊略アドバむザヌ)に垫事。
地政孊者の旗手ずしお期埅されおおり、ブログ「地政孊を英囜で孊んだ」は、囜内倖を問わず倚くの専門家からも泚目され、最新の囜家戊略論を玹介しおいる。
珟圚、防衛省の幹郚孊校で地政孊や戊略論を教えおいる。たた、囜際関係論、戊略孊などの翻蚳を䞭心に、セミナヌなどで若者に囜際政治を教えおいる。

著曞に『地政孊 アメリカの䞖界戊略地図』(五月曞房)、『“悪の論理"で䞖界は動く! 』(李癜瀟)、『䞖界を倉えたいなら䞀床"歊噚"を捚おおしたおう』フォレスト出版、蚳曞に『倧囜政治の悲劇』(ゞョン・ミアシャむマヌ著)、『米囜䞖界戊略の栞心』(スティヌノン・りォルト著)、『進化する地政孊』(コリン・グレむ、ゞェフリヌ・スロヌン線著)、『胎動する地政孊』(コリン・グレむ、ゞェフリヌ・スロヌン線著)、『幻想の平和』(クリストファヌ・レむン著)、『なぜリヌダヌはり゜を぀くのか』(ゞョン・ミアシャむマヌ著、以䞊、五月曞房)、『戊略論の原点』(J・C・ワむリヌ著)、『平和の地政孊』(ニコラス・スパむクマン著)、『戊略の栌蚀』(コリン・グレむ著、以䞊、芙蓉曞房出版)、『むンド掋圏が、䞖界を動かす』(ロバヌト・カプラン著、むンタヌシフト)がある。

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